表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
4/16

3.鼓動

「こんなのっ…俺じゃ…。」


俺を睨む狼たちの牙は血で濡れていて、その中心にいるエレナの腕からは血が出て、服は裂けていた。


ガルゥッ!


狼が吠えてきた。


「っ、雷よ。『飛雷』!」


静電気より、ほんの少し痺れる雷が、指から放たれた。


「ーーそりゃ効かないよな。」


「悪いが、エレナは貰うぞ。その代わりに俺の肉を食うといい。ちょっとまずい肉だが、美味い飯を食わせてもらってるからな。マシであることは保証するぜ…。」


「エレナはな、家で待つ家族がいるんだ…。俺には…いない。じっちゃんを心配させてしまうかもしんねぇ。けど、ここで逃げたら、親父とお袋に顔向け出来ねぇッ!」


魔力を迸らせ、上級魔法の詠唱を紡ぐ。


「できなくても…、テメェらの気は引けるだろ!『炎よ。吹き荒れろ。』」


「『我が道を塞ぐ敵を』」


「『欠片も残さず灼き尽くせ』!」


「『地獄のヘル・ファイア』!」


ポスッ。


「ははは、そりゃ…無理だよな。」


あぁ、死んだ死んだ。まだ、ライルさんの飯食いてぇよ。死にたくねぇ。


「ーー死にたく…ねぇッ!」


ドクンッ!


『気に入った。』


キャ、キャゥ…。


狼が、感じ取り、後ずさる。


『其の方は、我が力の一端に触れるに相応しい。我が好むは力?否。それよりも我が好むのは其の方の魂である。』


なんだ…この魔力…。


『其の方の心意気。我は気に入った。此の状況、其の方がどう潜り抜けるかが、気になった。故に聞こう。』


「っ。」


『先の言葉に、疑はないか。』


「……ない。実際、俺のことを家で待ってくれてるのは、じっちゃんだけ…。エレナには、家族も、姉貴もいる。」


『ガハハッ、良い。良いぞ。其の方、名前は?』


「俺は、ローグ。」


『我が名はゼルディアス。ローグよ、其の方は、何を望む。』


「ーー俺は…、身近な人を守れる、ちっぽけな力が欲しい。」


『ほう、強大な力ではないのか?』


「俺は性に合わん。気ままに暮らす方が好みだ。」


『ガハハッ!なお、気に入った。良い、良いぞ。改めて、我が真名はゼルディアス=フェミスト。かつての友との約束を果たすため、この森に住む龍。』


「俺はローグ・ドラグレイヴ。ゼルディアス、俺に、望みを叶えうる力を貸してくれ。」


『承った。『鼓動よ、鳴れ。』』


ドクンッ!


「なっ。」


俺の体にある魔力の塊。そこから、鼓動が聞こえた。


体が熱くなる。魔力が溢れ出ていく。


「これは…。」


『ガハハッ!その名前、まさかとは思うたが、本当に龍源を継ぐ者だとは思いもしなかったぞ!』


「?」


『良い、今はわからなくて良いことだ。さぁ、其の方の力を、我に見せてみよ!ローグ・ドラグレイヴ!』


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ