↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
49/74

禁欲

 読んで戴けましたら嬉しいです。

 瑞基が帰ると隆一朗はシャワーを浴びていた。


 帰って来る過程で薬は殆(ほと)んど覚めていた。


 瑞基はベッドに座り込んだ。


 シャワーの音が止んで暫くして隆一朗が全裸で出てきた。 


 隆一朗はまるで瑞基が居ないかのようにベッドに潜り込んで寝てしまった。


「隆一朗があんなに怒ってるとこ初めて見た」


 隆一朗は黙っていた。


「まだ、根に持ってたんだね、キスマークの件」


「黙ってくれないかな、休みたいんだ」


 隆一朗は身動きせず静かに言った。


「ごめん」


 瑞基は立ち上がると風呂場に行ってシャワーを浴びた。


 隆一朗は眠れずにいた。


『瑞基の噂を流したのは、多分彼だ

 瑞基と離れる事で矛《ほこ》先が変わってくれるといいけど……………


 これ以上、エスカレートする前に』





「瑞基、起きて

 学校遅れるよ」


 隆一朗のいつもの声が聞こえて来た。


 瑞基は目を覚ますと飛び起きた。


「隆一朗! 」


 隆一朗がキッチンの陰から顔を覗かせた。


「どうかした? 」


 いつもの隆一朗だった。


 瑞基は着替えながら言った。


「隆一朗、もう怒ってないの? 」


「怒ってるよ

 だから、昨日の罰として今日から一週間禁欲ね」


「えええっ?! 」


「そんなに驚く事じゃないだろ

 あんな目茶苦茶な事したんだから、当然だよね」


 隆一朗は料理の載った皿をテーブルに置きながら言った。


「それ、厳し過ぎやしませんか」


 着替えた瑞基はテーブルに手をついて隆一朗を見上げる様に首を傾げた。


「あそこに入ってキミを探し出すまでに、何人のゲイにキスされたと思ってるの

 ボクの精神的苦痛を考えたら軽い方だよ」


「あの魑魅魍魎(ちみもうりょう)の中を、そんな想いまでして迎えに来てくれたんだ」


「魑魅魍魎…………」


 隆一朗は笑った。


「ボクは行くよ

 魁威(かい)たちの可能性をボク一人のわがままで無駄にはできない」


「やっぱりオレは連れて行っては貰え無いんだ」


「キミにはキミの可能性がある」


 瑞基は黙った。


「早く食べないと遅刻するよ」


「オレは可能性なんてどうでもいいよ」


 瑞基は座って朝ご飯を食べ始めた。


 隆一朗はそんな瑞基を哀しげな目で見詰めた。





「夕べ、あれからどうした? 」


 魁威がカップを拭き、カウンターの中の壁の棚に並べながら言った。


 隆一朗は床にモップをかけていた。


「行く事に決めたよ」


「瑞基は? 」


「納得してない」


「そうか……………

 どうにかして連れて行く訳には行かないのか? 」


「それは無理だよ

 親の保護下にあるのに、瑞基の一存でどうにかできる問題じゃない

 今、一緒に暮らしている事だって奇跡だよ」


「だよなあ

 隆一朗はそれでいいのか?

 本当はここで瑞基と暮らしていたいんだろ? 」


 隆一朗は床に視線を落としたまま言った。


「愚問だよ」


「………………そうだな」


 魁威は溜め息をついた。





 瑞基が帰宅すると隆一朗はいつもの様に夕食の支度をしていた。


「できるまで時間掛かるから、それまでお風呂にでも入ってて」


「ねえ、たまには趣向変えて、食事にします? お風呂にします? それともボク? とかって言って貰えたら、オレめちゃロマン感じるんだけど」


 隆一朗は思い切り冷め切った目で瑞基を見た。


「すいません、もう言いません

 お風呂入って来ます」


 瑞基はそそくさと風呂場に行った。


 瑞基が風呂からあがると食事の支度ができていた。


 隆一朗は鍋を洗っていた。


 瑞基は後ろから隆一朗を抱き締めた。


「瑞基、禁欲期間中だよ」


「オレ、気付いちゃったんだ」


「何を? 」


「隆一朗は、オレに求められたら抵抗できない」


 瑞基は隆一朗の肩まで伸びた茶髪を掻きあげ隆一朗のうなじに愛撫し、服の上から隆一朗の身体を撫でた。


 隆一朗は手を伸ばして瑞基の頭を抱いた。


 そして隆一朗の肩に愛撫する瑞基の髪に頬ずりすると、瑞基と隆一朗は口唇を重ね合わせた。


 隆一朗の身体をこちらに向かせると、瑞基は自分の身体を押し付け、隆一朗の口唇に口付けながら、隆一朗の太腿から腰へと手を滑らせ、そのままシャツを持ち上げ指先で愛撫した。


 隆一朗は瑞基の後頭部に指を埋もれさせ受け応えた。


 瑞基は口唇を離すと言った。


「ね、拒絶できない」


 隆一朗はそれには答えず瑞基に口付けた。


 いつもの様に隆一朗は求める様に舌を絡ませた。


 長いキスの後、瑞基は隆一朗を抱き締めて、囁くように、祈るように言った。


「離れたくないよ…………………

 離れたくない…………………」


 隆一朗と瑞基はいつまでも抱き合っていた。






 読んで戴き有り難うございます。

 とうとう、第二章明日で終わります。

 第二章が終わったら、10日ほどインターバルおかせて戴きたいなと思っています。

 睡眠不足で死にかけてるので。笑

 寝不足は三日も寝まくれば治るのですが、やりたいことも溜まってるので、そっちも片付けたいな、と。

 新作もその10日の間に投稿できたらいいなと思ってます。

 第三章は今月の11日の深夜からまた連載させて戴きたいと思ってます。

 宜しくお願いいたします。m(_ _)m


 昨日「壊れた緋色」を一気読みして下さった方がおられて、嬉しかったです。

 暗い作品だけど、私は凄く気に入ってる作品なんですよね。

 連載させて戴いた作品はお気に入りばかりなので読んで下さる方がおられると、本当に嬉しいです。

 

 それでは、また明日。 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 男女、男同士、女同士、愛の形は様々ですが、愛し合う以上の友達と言う関係が私には丁度いいと思えるのですが、これは極めて少数派なのでしょうか(・_・;) 寝不足大変ですよね! こういう趣味を持…
[良い点] あと一話で第二章終わりですか?相変わらず上手な引きですね。 [一言] 寝て下さい。健康あっての趣味です。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。