宣戦布告
読んで戴けたら倖せです。
「ひまだね」
隆一朗はカウンターのストゥールに座り頬杖をついていた。
「まあ、気楽にやって」
魁威はテーブルに着いて漫画を読み始めた。
隆一朗がエリザベータに復活して三日になるが、お昼の忙しい時間帯を過ぎるとエリザベータには閑古鳥が鳴いていた。
「ボク、店の前の落ち葉でも掃いてくるよ」
隆一朗は店の奥から箒を持って、外を掃き始めた。
「あの、隆一朗さん? 」
突然、後ろから声を掛けられ、振り返ると見たことのある女子学生が立っていた。
「森………さん? 」
「憶えていて貰えて嬉しいです」
隆一朗はどう接していいものか複雑な心境だった。
「友達が盲腸で入院して、お見舞いの帰りなんです」
「そうなんだ」
「瑞基君、最近学校で、とても元気なのは隆一朗さんが元気になったからなんですね」
「瑞基がいつも世話になってるんだってね
有り難う」
「隆一朗さん、お礼なんて言ってていいんですか?
ワタシ敵ですよ」
「え? 」
「恋敵」
森詩織は悪戯っぽい笑みを浮かべて隆一朗を見上げた。
「ワタシ、瑞基君を諦めた訳じゃ無いですよ
いつか、必ず振り向かせるんです」
隆一朗は森詩織を見詰めた。
「もし、その時が来たら瑞基を支えてあげて欲しい」
森詩織は目を見開いた。
そして、目を伏せた。
「まだ、全然かなわないですね
もっと、いっぱい女子力上げて頑張ります」
隆一朗は優しく微笑んだ。
「じゃ、失礼します」
森詩織は軽やかな足取りで去って行った。
読んで戴き有り難うございます。
音楽を聴いて泣くって事が無い私ですが、例外が三曲あります。
一曲目はムックの「空と糸」です。
野良猫と少女の歌なのですが、猫はもともと飼い猫で捨てられ傷ついていて、少女と出逢う事で優しい心を思い出すのですが、最後に車に轢かれて死んでしまうと云う、あまりに哀しい歌詞に泣けてきます。
二曲目は巡音ルカ(ヴォカロイド)の「星屑ユートピア」で、この曲一緒に歌うと最後の一節で涙ぐんじゃうんです。
三曲目はザアザアの「死んだポチの話」。
この曲はめちゃくちゃ泣けます。
聴き始めると、ボロ泣きになります。
歌詞が現実によくある事で、ある夫婦に飼われていたポチは、夫婦関係が壊れた事によって何も解らないまま保健所に連れていかれるんです。
当然待っているのは………………。
聴いてると本当に哀しくなるんですよお。
また、ヴォーカルの一揆君が情感たっぷりに歌うので、たまらなくなるんです。
私の実家で性格がめちゃくちゃ悪い猫飼っているのです。
普段この目付き悪い猫とか悪態つけますが、それも生きているから解る事で、死んでしまうとその性格悪いのもなくなって、ただの塊になってしまうのだなあと思うと愛しいです。
命の尊さを叫ぶザアザアの歌詞は胸えぐります。




