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墓参り

 読んで戴けると嬉しいです。

 今回短いので、二回投稿したいと思います。

 

 隆一朗と瑞基は霊園に急いだ。


 途中、瑞基がバイトするオモチャ屋に寄って幼児用のオモチャを買い、フラワーショップに寄って花束を買った。


 藤岡家の墓がある霊園は街から何キロも離れた山中にあった。


 山道に車の通りは殆(ほと)んど無く、隆一朗はスピードを上げた。


 瑞基はビビった。


「隆一朗、そんなにスピード出さなくても間に合うよ」


「あれ、魁威(かい)から聞いた事無い?

 ボクは車に乗ると性格が豹変するタイプなんだ」


「そんなの変わんなくていいよお!

 恐いってば!

 めっちゃ振り切ってるじゃん! 」


 瑞基は慌ててシートベルトを着けた。


「大丈夫、これで死んだ事無いから」


 隆一朗は上機嫌で飛ばした。


 霊園に着くと人の姿は無く、立ち並ぶ墓石が夕暮れに、淡い朱色で染められていた。


 喪服の隆一朗は花束とオモチャを持って、歩き始めた。


 瑞基も制服で隆一朗の後ろを歩いた。


 隆一朗がぼそりと言った。


「ここに本物の隆一朗が眠ってるんだ」


「本物の隆一朗? 」


「彼女はもしも子供ができて男の子が生まれたら、隆一朗と云う名前を付けたいって言ってたんだ

 生まれる事ができなかったボクの子供の分まで生きようと決めた時、ボクは隆一朗になった

 そう思える様になるまで随分時間がかかったけどね」


 隆一朗と瑞基は藤岡家の墓石の前に佇(たたず)んだ。


 隆一朗は花束とオモチャを墓石の前に供えた。


「聖流………………」


 隆一朗はひざまづき、墓石の前に手をついて項垂れ、兄の死を哀しんだ。


 それは二人きりの葬儀だった。


 瑞基は、胸が痛んだ。






 読んで戴き有り難うございます。

 今回のと次回のは短いので、投稿二回にしようと思いました。

 この続きは今夜辺りに投稿しようと思います。

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― 新着の感想 ―
[一言] 短くて驚きましたが、なんで「隆一郎」と名乗っているのか、その謎が分かりました。 しかし隆一郎、自らの過ちなどによって傷つけてしまった過去に真摯に向き合い過ぎで辛いです。 それに対して瑞基とき…
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