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国家試験が終わったのに今度は就活に引っ越しで時間が作れず短めです。
木刀をしまう。
余りにも呆気ない決着。
自分達を包囲しているアレクの手下のレベルがこの程度なら地下からの脱出も容易な様に思えて希望が湧いてくる。
「ウィレム様!」
リアがこちらに向かって全力で走ってくる。
オイオイ、嬉しいのをそんな全力で表現されるのは嬉しいけどそんなに急いで来ないでも。そのままのスピードで突っ込まれたら受け止められないぞっ!?
しかしリアのスピードはウィレムの手前まで来ても一向に落ちない。急いで受け止める体制をとるがウィレムの懐にリアの全力ダッシュのタックルが炸裂した。
「ぐぶっ!」
鳩尾にリアの頭がクリンヒットし耐えられない身体がリアごと前に倒れる。
尻と背中を地面に打ち付け痛みで声を漏らす。
「いててて……リア、嬉しいのはわかるが今のやり過ぎだ」
身体を起こして流石に今回はリアを叱ったほうがいいと強気な声でリアに注意した。
しかし目の前の光景は僕の予想とは外れたものだった。
「リアっ!?リアっ!?大丈夫!?」
「すみません私のせいです」
僕の上にいるリアにリエラが抱きついて泣きながら呼びかけている。
ユリは謝罪しながら警戒心マックスの視線で遠くを見ていた。
一体何がどうなっているんだ。
ついていけない頭。
だが現実はすぐにその正体を明かしてくれる。
……リアの腕が赤く染まっていた。
倒れてあった怪我ではない。何らかの攻撃を受けていた。
一瞬で頭が真っ白になった。
「リアっ!?おいリア、なんでこんな事に!?」
「狙撃です!ウィレム様」
ユリの返事はウィレムの耳には入っていない。
ウィレムの頭にはまずリアの怪我を何とかすることだけでいっぱいになっていた。
服を取り傷を見る。
鉄の香りに似た血の香りが鼻につく。
傷からはまだ血が流れていた。
「怪我したのは腕だな!長い布はないか!それと水!」
「これでいいですか!?」
僕は返事もせずに布を奪い取ると怪我した上部に巻きつけて強く結んだ。
これで少しは血の流れを止められるはずだ。
「リア!返事をしろ!」
そして顔を叩いて意識の確認をする。
するとリアの眉が動いた。
続いて瞳が開いていきリアの視線が僕を捉えた。
「……ウィレム様、よかった無事だったんですね」
「良くない!お前が怪我をしただろ!」
「そうしないとウィレム様は多分体部を貫かれてましたから、私はちゃんと致命傷を避けるために腕で受けたので痛いですが命に別状はないでしょう?」
リアはそう言ってのけた。
そんな簡単な怪我ではない。多分うまく治っても痕が残る怪我だ。
そのことを言おうとしてリエラに肩を掴まれる。
「ウィレム様、差し出がましいですがここは素直にリアが主人の命を守った事を褒めてあげてください」
「…………」
この世界は階級社会、主人の為なら部下は命を賭けるのが普通。それも生命の危機を助けたのであれば叱るよりもその行動を褒めるべきである。
それを僕は前世の感覚で文句を言ってしまった。
一旦気持ちを落ち着かせる。
「その通りだった。リア助けてくれてありがとう。君のおかげで助かったよ」
「それならよかったです」
「ここを出たらいい医師を探してこの怪我を治してやるから」
「約束ですよ」
傷口を水で洗い流したところでリアが腕を抑えながら立ち上がった。
「大丈夫なの?」
「うん、平気。これじゃあ戦闘はキツイけどみんなについていくのはできるよ」
リエラが心配そうに肩を貸そうかと言うがリアは丁重に断った。
「ウィレム様、もういいですか?」
「ああ、悪いユリ待っていてくれたのか」
「リアには助けられました。人の気配ばかりに気を配って遠距離の攻撃の警戒を怠っていた私のミスです」
「いや、僕も今の戦闘で敵のことを甘く見てしまっていた。その所為でリアを怪我させてしまったんだ」
勝利を勝ち取った瞬間に隙が生まれる。そのことを忘れて警戒を怠った完全に僕のせいだ。どんなフォローをされようとそこは変わらない。
「既に敵の弓使いの位置は特定しました」
「なら物陰に隠れたほうが」
「いえ、多分それでは私達はここから出る前にやられてしまいます。ここで敵を見逃せば私達は常に遠距離を警戒しなくてはならないです。……なので勝手ながら私が敵の駆除をしてきます。ウィレム様達はこのまま脱出経路を進んでください」
「……分かった。だが無理はするな。勝てない相手だったらすぐに逃げてこい」
コクリと頷く。
「あの〜、ウィレムくん?」
「あ、お姉さん。なんですか?」
「リアちゃんの怪我をみしてもらったのだけど少し酷いだけで歩行には問題ないわ」
「そうですか。ありがとうございます」
「でもすぐにここから出たほうがいいと思うの。あの怪我をちゃんと治療しないでほっといていいものではないわ」
「はい。すぐにここから離れます」
ここに留まっていたら他にも敵が集まって囲まれてしまうからな。
「リエラ。ユリの代わりに周囲の警戒を頼む。リアは僕が見るから」
「分かりました」
それだけでリエラにはユリが何をするのか察してすぐに周囲に気を配り出した。
リアは僕の横にくる。
その後を落ち込んだアリッサが続いてくる。
「ユリは置いていくの?」
「ああ、あの狙撃手を倒すなり抑えたりしないと先に進めないからな」
「悪かったわ。まさかあんな見えない所から狙ってくる敵がいるなんて知らなかったから」
「アリッサが悪いわけじゃない」
「でも私がこの経路にしたからあんな敵に出くわしたのは事実よ……」
「他のところにも同じようなレベルのやつはいたと考えたほうがいい。気にするならここから出た時にリアにお見舞いに来てやってくれ」
「……平民では食べられない高級菓子を持ってくるわ」
アリッサも顔を上げたところでユリを除いて僕らは先へ進む為通路を進んだ。
◆
この時ウィレムはもっとユリの言動を見ておくべきであった。
「……行かせてもらえました」
ウィレム達がいなくなったのを横目で確認する。
ウィレムにはああは言ったが相手の力量に正直ユリでも危機感を覚えるものだった。
ユリのとらえている敵の位置ここから300以上離れている。
その距離で動くウィレムの心臓を的確に狙ってきた。
それも相当な威力だった。
リアが助けなければウィレム様は即死してしまっていただろう。
それを踏まえた上でこのまま単純に突っ込んだら確実に仕留められる。
しばらく味わっていなかった毛の逆立つ感覚が背筋に走る。
額には暑くもないのに汗が流れる。
ーーーーシュンッ
パシッ、と飛んできた矢を掴んで受け止めた。
こうなるのが分かって放ってきたような矢。
「挑発されてる」
くるなら早くこいと上から目線の物言いが込められた矢を2つに折る。
このまま睨み合っているわけにはいかない。
私は敵の狙撃手のいる場所までの道のりを思い描くと走り出した。
ーーーーシュンッ、シュンッ、シュッ!
間髪入れずに今度は3矢続けて襲ってきた。
それも最後の威力は際のより明らかに威力が上がっている。
その矢を今度は受ける事はせず避けていく。
体を僅かに晒して最小限で避けるとすぐに物陰になりそうな壁に身を隠す。
この距離を正確に射抜く精度もさることながらたった数メートルを進むだけで的確に連続攻撃が出来るだけの技術も持っている。
この距離でこの攻撃だ。距離が近づけばもっと多彩な技術で私を射抜こうとしてくることは容易に想像がつく。
残りの距離を詰めるだけでも気が遠くなりそうな時間が掛かりそうだ。
「こんな敵との遭遇は初めてですね」
ユリは懐からナイフを取り出した。
「……まずはこれからですね」
長距離にいる弓使いとウィレムの護衛ユリとの戦いが始まった。
就活難航中。
大学で習ったことを生かせる仕事で面接しましたが正直それが本当にやりたいのかと言われると……って感じで悩んでます。
時期が時期だけに仕事の種類がないのも厳しい。小説関連とかないかなぁ。
みんなどうやって仕事を決めているのか。




