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双子のお姫様  作者: 白百合三咲
9/9

最終回 全てがそっくりの2人

 朝子は仰向けに横たわる裸身のお千恵の唇に自らの唇を重ね手を握る。


「僕の可愛いお千恵ちゃん。永遠に僕が可愛がってあげるよ。この汚れなき花園でね。」

唇を離すとお千恵の耳元で囁く。

「離して下さい!!気持ち悪い!!」

お千恵は思い切り朝子を突き飛ばす。お千恵は喧嘩では誰にも負けたことなかった。それに相手は女性。力に大差はないだろう。

朝子が怯んでるすきに身支度をして逃げようてするしかし


銃声音と共にお千恵はその場で倒れ込む。赤い血を流して。撃ったの朝子だった。

「大人しく僕に抱かれていれば良かったものの」

「あなた くるってる。」

弱々しい声で朝子を睨み呟く。

「ははは、狂ってるのは世の中さ。女を自分の欲望のためだけに弄ぶ男、それを良しとするこの世の中がな。お千恵ちゃん、何の苦労も知らない君には野菜売りの少女がお似合いだよ。君は僕の花園には必要ない。恨むなら目先のきらびやかさだけ見て清子ちゃんになりすまそうなんて思った馬鹿な自分を恨むんだね。」

再び銃声音が響き渡る。

朝子は寝具を着て打ち掛けを羽織る。

「旦那様、どうされましたか?」 

銃声音を聞きつけ執事が部屋にやってきた。

「この娘はもう要らないよ。山奥にでも捨ててきてくれ。それからまた新しいお嫁さんもほしい。」

「かしこまりました。」

執事はお千恵を遺体を運び部屋を後にする。


朝子は再び布団に横たわる。

「お千恵ちゃん、僕は君みたいな人間が一番嫌いだ。いつでも笑い合える家族があたり前のようにいる。なのにどんなに幸せなことか気付かないで目に見える華やかさだけしか見ようとしない。本当に馬鹿だよ。僕は清子ちゃんとなら上手くやっていけたと思うのに。」




 







 



  


 その5日後結子は教室で級友達とのおしゃべりに花を咲かせていた。

「ごきげんよう。ねえ皆様、清子様のことご存じ?」

「ええ、何でも遺体で発見されたようね。」

「確か婚約者に殺されたんでしょ。気の毒ね。」

「あの宮家の方でしょ?美青年だけど他にも女性がいたとか?いい気味だわ。散々気取って私達のこと見下してたんだから。」

「それがね」

今度は結子が入る。

「奇妙なことがあったのよ。清子様が山奥で遺体で発見されたのと同じ時刻、下町の物置小屋で野菜売りの少女の遺体も発見され、その娘が清子様と瓜二つだったそうなのよ。」

「結子さんそれってまさか?!」

「ええ、ドッペルゲンガーよ。きっと清子様はその少女と出会って死んでしまったのよ。やっぱりドッペルゲンガーの話は本当だったんだわ。」

                FIN

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