↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
16/68

16.準備は万端です。

昨日は投稿の予約時間を間違えてしまいました。

訂正修正の読み返しをしたいので、やはり時間は分けたいと思います。


 翌日、私とヨヒムは交易センターにいた。


「お待たせ」

 王都行き用の服を買うためにクララを迎えに来たのだ。クララは仲間外れにすると怒り出すので面倒臭い。

「えらい時間かかったけど休みはとれた?」

「おう!王都に行くって言ったら10日休んで良いよって言われた」


 な、何て優しい会社なんだ。


「それで、何だその紙は?」

 クララが大事そうに持っている紙にヨヒムが気づく。

「ははは、お土産リスト。私が悩まないように気を利かせてくれたみたい」

 なるほど時間がかかった訳だ。


「服買うなんて久しぶりー」

 上機嫌なクララが鼻歌を歌って軽やかに先頭を歩く。

「それが他人の金なら尚良い」

 ヨヒムは正直者だ。

 大通りを進み、商業区の花形の大型複合商業施設に向かう。大きな建屋の中に沢山のお店が入っており、私達が着れるような小綺麗な服もここで買える。


「たまにはスカート履いてみてよ」

 ヨヒムをからかう、普段からパンツスタイルなので興味はある。

「いいね、見てみたい」

 クララも乗っかってくる。

「お前らぁ、このぶっとい足を見てみろよ!」

 ヨヒムが太ももを見せつけてくる、本当に丸太みたいに極太でカチカチに硬い。

「ははは、ヨヒムさんは緩めのフレアパンツにした方が良いかもね。背が高いからカッコ良く見えるよ」

 顔馴染みの店主が笑いながら服を進めてくる。ちなみに店主さんはヨヒムの酒場の常連で、例に漏れずに大酒飲みだ。

「いいよ、もう適当に選んでくれよ。私じゃ全く分からん」

 もう丸投げするようだ。


「私はこれでいいかな」

 普段から交易センターの制服を着ているクララは、変わり映えしないスーツ姿だ。

「お前、別に服を新調しなくてよくね?」

「私もそう思う」

 私とヨヒムは同意見のようだ。私達の意見を無視して勝手に精算する、本当に人の話を聞かない奴だ。


 私もとっとと選んでしまおう。小綺麗に見える明るい色の服を選んで着てみる。


「子持ち?」

「お母さん?」


 ヨヒムとクララは本当にうるさい、私はまだ独身で子持ちでもお母さんでもない!


「授業参観!?」


 鏡で確認するとつい自分でもお母さんコーデを認めてしまった。

「キアは昔と比べて角が取れて柔らかくなったからね。私は良いと思うよ、今の貴女の魅力がふんだんに出てる」

 店主さんが私を褒め散らかす。商売人は本当に口が上手いと思うよ、もちろん喜んで買わせていただきます!


 普通に買い物を終えて店を出る。帰り際にヨヒムが店主さんから何かメモを渡されていたが、

「もしかして」

「ああ、服をまけてやるから、コレを買って来いって渡された」

 ああ、またお土産の催促だ。メモを見せてもらうと、私でも知っているような王家御用達の香水の名前が書かれていた。そして何か服の値段が安いと思ったのはそのせいだったか。

「どいつもこいつも同じ事考えてやがる」

 クララがメモを見て呆れる、クララのお土産リストにもこの香水の名前が書かれていた。やはり王家御用達という影響力は絶大のようだ。


「後は貨客船のチケットを買って、教会に寄ってもいい?」

 一応聞く。まあ、別に有無を言わさずに行くんだけど。そうこうしていると、運河の船着場に到着する。

 相変わらずの貴族の船が沢山停泊していた。目的は舶来品だと思うが、貴族の嗜好に興味のない船守は暇そうにアクビをして主人が帰って来るのを待っている。


 そんな暢気な空気を横目に貨客船の受付へ向かう。

「王都への船の往復チケットを3枚下さい」

「はいよ、金貨4枚と大銀貨1枚だ」


 私の1ヶ月の給料が一瞬で飛んでいったわ。やっぱり高いと思う、陸路で行けば半額以下で済むのに。

 高額チケットを受け取る。個々に渡そうとすると、2人に拒否られたので仕方なく私のカバンにしまう。


 後は教会に行ってミッション終了だ。


「久しぶりだな、ここに来るのはガキの頃以来だな」

 生まれも育ちもメダリア育ちのヨヒムが教会の中に入る。

「あらヨヒム、珍しいですね。それにクララさんもお久しぶりですね」

 私達に気づいたシスターが小走りに近づいてくる。


「マリー、相変わらず小せえなぁ」

「うふふ、ヨヒムが大きすぎるのよー」


 2人は幼馴染と聞いていたが本当だったようだ。そしてシスターがマリーという名前だったのを今日初めて知った。ちなみに教会学校の教師の仕事もヨヒムが紹介してくれた。


「あのシスター、実は少しお話がありまして」

 本来の目的を忘れるところだった。

「明日から少し王都に用事があって留守にするんです。それで帰ってこれると思うのですが、長引く可能性もあるので次の教室は休ませて欲しいのですが?」

「まあ、王都に!?あっ!すいません、休むのは大丈夫です。いつも無理をお願いしてますので」

 あらかじめ言っておけば気が楽になる。絶対に何かお土産を買って帰ろう。

「ちなみにマリーは甘い物に目がないからな」

 ヨヒムが私の考えを読んで、アドバイスをくれる。シスターは真っ赤になってヨヒムを止めようとする。

「ふふふ、分かりました。シスターには必ずお土産を買ってきますね。ついでに子供達の分もオマケで買ってきますよ」

 恥ずかしそうに遠慮しているが、内心では嬉しそうだ。

「子供達はオマケかい!」

 クララがうるさい、一人一人にちゃんと買ってたら大変だろ!私がちゃんとしたお土産を買うのは教会の皆さんと加工工場の一家だけだよ。


 こうして王都へ向けての準備は済んだ。明日は朝一番の貨客船で行けば昼には王都に着いているはずだ。


読んでいただきありがとうございました。

次話の投稿は土曜日になると思います。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。