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俺の幼なじみ【完結】

 弘人が図書委員の先輩に出会ってから、ちょうど一年が過ぎたある日

「好きな人が出来た」

 弘人はそう言った。

 恐らく、あの“先輩”だろうと思う。ただの幼馴染み関係だと言うのに、焼きもちを妬いてしまうのだから、的確なアドバイスとして言えることは一つ。


「告白すれば?」

「他人事だからそう言えるんだよ、どうするんだ。実は貴方のことが嫌いなんですって静音さんにそう言われたら、俺ショックで立ち直れなくなっちゃう」

 と、肝心なところでヘタレになる弘人に対して、僕はニヤリと笑ってこう言う。


「そしたら一緒に振られたことを悲しんで、自分のことのように泣いてやる」

 と、そう言えば、

「それは悪くないな」

 安堵したように笑って、柔らかく穏やかな声で弘人はそう言った後、読み途中だった少女漫画に栞を挟んで、携帯片手に外に出て行ってしまった。

 弘人のことだから、言われた本人じゃないのに聞いている周りが恥ずかしくなるような甘い告白をするのは、幼馴染みな僕は簡単に想像が出来てしまって。

 それが可笑しくなった僕は、思わず携帯を手にとって泉堂さんにメールを送る。


 ただ一言。

『幼馴染みが好きな人に告白するようです、例の図書委員の先輩に』

 と、そうメールを送った数分後、直ぐに泉堂さんから返信がきた。


『やっとだねぇ。まあ、傍観していた俺達には告白の答えはわかりきってるけど』

 そう綴られていたメールに思わず、僕は微笑みながらそのメールの返信をした。


『そうですね。静音先輩は弘人のことが大好きですから、断る訳がありません』


 と、泉堂さんにそう返信した後、幸せそうな表情を浮かべてOKだってと喜ぶ弘人につられるように僕も微笑んだ。



これで「十人十色の恋模様」は完結です。ありがとうございました。

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