俺の幼馴染み4
弘人視点です。
俺は伊吹の幼馴染みの弘人だ。何故、互いに依存するようになったのか、伊吹はトラウマで言うことが出来ないから、俺が話そうと思う。まあ、互いに依存していると言っても、俺の方がより強く依存していることは確かだと思う。
そう全ての始まりは、今から四年ほど前の俺達が小学校三年生の時だった。
蜘蛛を逃がす際、伊吹を任せたあの友人は白戸朝陽と言うのだが、当時陸上部に所属していた伊吹とは帰る時間が合わず、朝陽と一緒に帰っていることが多かった。勿論、時間が合うときには三人で帰っていたけどね。
いつも通り、宿題を終わらせた後、いつもの日課で伊吹の部屋で待っていたが、いつもなら帰って来ても良いはずの時間帯になっても帰って来なくて、幼いながらも嫌な予感がして。
まるで転がるように、階段を駆け降りれば、パニック状態の伊吹の母親。
そんな様子を見て、理解した。……ああ、伊吹の身に何かあったんだって。
急いで自分の携帯から、朝陽に電話を掛け、悪あがきだって本当はわかっていながらもどうか彼の家に居て欲しいと願いながら、「伊吹が朝陽の家に来ていないか?」と尋ねれば、来ていないとそう言われ、事態の深刻さを感じ取った。
伊吹が見つかったのは、それから三日後。第一発見したのは朝陽だった。
傷だらけになった伊吹を包み込むように抱きしめ、涙を流していた。
「生きててくれて良かった」と、譫言のように何度も繰り返しながら。
傷は癒えても伊吹は一ヶ月の間、まるで死んだように眠っていた。
それから目が覚めても、一年間はポーカーフェイスのように表情は変えず、それまで平気だった蜘蛛を見るたびに、過呼吸になりかけてあともう少しで救急車を呼ばなければならない状態までなったことも、数え切れない。
その頃から、伊吹は一人称を僕から俺に変え、体育の授業を受けるものの、あれだけ楽しそうに走っていたのに今では苦痛そうな表情を浮かべて走ってる。
伊吹を傷つけた犯人は、伊吹の大切なものを奪っていったのだ。
だから、俺は伊吹が生きていることを、伊吹の部屋に毎日居座ることで確認をしなければ、またいなくなっちゃうんじゃないかと、不安で不安でたまらないのだ。
俺は伊吹に依存している。……このまま、伊吹に依存したままではいけないことはわかっている。けど、好きだって思えるような女の子が居なくて。だから、それまでは伊吹第一に行動していきたいと思う。
伊吹、ただ君の幸せを祈っているよ。




