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称号・久久能智神の能力

 押忍!!男の中の漢。名は学。夢はハーレムを作る事。只今、絶賛混乱中だぜ!!


《オイ、テメェ~だから何見てんだよ!! 俺が動けねーからって見てんじゃねーよ。すり潰すぞ!!》


 あっれ~?気のせいじゃない?

 よし。ここは冷静になろう。フ~~~~。


 まず、木が喋ってる。やっべ~ここから分からん!!

 混乱するな、俺。時系列的に考えよう。


 俺が退屈になって「鑑定スキル」を付けて木を鑑定したんだよな。そしたらこのタワーがダンジョンだり、この木って魔物だりでそこも驚きだったけど、一番驚いたのが追記の部分だよな。


 追記なんて初めて見たし、内容が音声付きの言葉だもんな~。どういうこっちゃ。


 「鑑定スキル」のレベルが上がったからこうなったのか? 多分、違うよな。今まで無かった機能がいきなり現れるって事はそれなりの事があったって事だよな?


 今の「鑑定スキル」のレベルは二十四だがこんな半端な数字で機能が大幅に上がるってのはおかしい。となると何で木とお話しが出来るようになったのか。


 俺自身に何か起こったのか?……起こったな~。そういう事だったのか、アレは。


 以前、称号・久久能智神の能力の中に木の神の加護があった。その効果がイマイチ理解できなかったからスルーしてたけどその効果が木との親和性が高まり、木に慕われやすくなるだった。


 木との親和性が高くなると話せるようになるとは、流石は壊れた性能の称号だ。「鑑定スキル」に追記が増えたのもこの称号の所為かな?


 でも、木に慕われやすくなる。ってあるけど……


「……チラ」

《このガキィ!!完璧に喧嘩売っとんなぁ?おっしゃ!!買ってやっからかかってこいや!!》


 うん。メッチャ嫌われてるな。


 見ただけでかなりの挑発行動になってるぞ?どうしてだ?


「すいません。喧嘩とか売ってないんで、少し話を聞いてもらえない?」

《あぁ!!んだとガキィ!!》

「ごめんなさい!!」


 この木メッチャ怖いんですけど!!


《おい!!……俺の言葉が分かるんかい?》

「あ、はい。分かります」

《……話ってなんだ。ガキィ。聞いてやる》

「おぉ!!ありがとう!!」

《で?なんだ》

「ちょっとアレなんだけど。何で俺に喧嘩を売ってくるのか知りたくて」

《……ゴモゴモゴモ》

「え?ごめん。ちょっと聞こえなかった」

《聞いてねぇーと思ってたからだよ!! 文句aあんのか!! あぁ?! こっちは動けねーし、ぶっちゃけ暇なんだよ!!》

「すいません!!」

《イヤ、すまねー。話をするなんて久しぶりでよ》

「そ、そうなだ……」

《あぁ。で? 他に知りたい事はあるのか?》

「あ~。実は、木との親和性が高くなって、木に慕われやすくなるって称号をもらって、実際の所はどうなのかな~?と思って」

《ほ~う。ちっと待っとれ》

「あ、はい」

《……》


 長げーな。おい。

 

 それにしても、この木は暇で人に喧嘩売って暇つぶしするって、どんだけ暇なんだよ。


 まぁ、こうやって木との意思疎通が可能な時点で称号がちゃんと機能してるって事だよな?

 しかも、なんか協力的だし、うまく働いてんのかな?


 ちょっと、MPが心配なんだよな~。

 常時鑑定状態だろう?多分。


 スマホ確認~。変化なし!!……謎だな。


 会話は鑑定じゃないのかな? でも、鑑定を常に発動してないと会話できないと思うし、一回の鑑定で消費してそれ以降は消費しないのかな?


《待たせた》

「いえいえ。大丈夫だよ? 何をやってたの?」

《中枢にアクセスして知識を得ていた》

「すいません。意味が分かりません」

《仕方ないな。……ゴホン。このダンジョンの木々は元々一つなのだ。私は枝のようなモノだな》

「え?このたくさんある木が枝だなんて」

《だが、それぞれに意思があり感情もあるぞ》

「鑑定で魔物って見たけど、魔物って意思があるんだね~」

《まぁな。しかも鑑定も持っているのか、久久能智神を持っているし中々将来が楽しみだな》

「な!!」


 え?俺、久久能智神の事、喋ったっけ?


《驚くな。中枢の話の途中だったな。それぞれの意思を統括する中枢って言う部分があって、その中枢は記憶の管理などもしていてな、そこには色々な情報が保管され統括されてんだ。その中にお前が言った事に対する答えを少しばかり持ってきた》

「ダンジョンの中枢ってダンジョンコア?」

《惜しいな。ダンジョンコアは中枢の中枢って感じだな。俺らの中枢の心臓部だが心臓部からしたら俺らは指の一本って所だ》

「うわ~生々しい現実。でも、あれだけでよく久久能智神の事が分かったね」

《俺らはただの木じゃない。お前も言ったが魔物の一種だ。俺と言葉を交わす事が出来るのは、スキルではなく称号や加護だ》

「へ~~。そうなんだ~。」

《うむ。その中で人間が俺と話す事の出来る単体の加護は知識には無かった。だとしたら称号しか可能性はないだろう?中枢の知識で該当したのが久久能智神だったのだ。》

「中枢スゲー!!」

《では、お前の質問に答えよう》

「……あれ?俺ってどんな質問したっけ?」

《……お前》

「え?! 結構待ったて時間経ったし、中枢とか久久能智神の事知ってたりして驚いたり、色々あって忘れちゃったんだよ~!!」

《ハァ~~~。……お前は自身の称号と加護が正常に働いているか知りたいと言ったのだ》

「……そうだった」

《その質問の答えなんだがな……》

「どうしたの?」

《ある場所にお前を連れて来てほしいと言われてな?》

「誰に?」

《……ダンジョンコア》

「……ハァ?!」


 え?ダンジョンコアが俺を呼んでんの?完璧、罠じゃん。死ぬじゃん!!

 てか、ダンジョンコアに意思ってあんのかよ!!


《勘違いしないで欲しいのだが、お前に危害を加えようとは思っていないのだ》

「イヤイヤ。絶対ウソだって」

《何も一人来いとは言っていなかった。仲間を連れて行っても問題なかろう》

「罠にハメるとか?」

《ダンジョンコアの言葉をそのままお前に伝るぞ。聞いた後で考えても良かろう》

「……分かった」

《ゴホン『少年よ、すまない。私は動くことが出来ないのだ。ダンジョンコアとは身動きが出来ない不自由なものでね。動く事が出来たら私から向かうのだが、君にこちらに来て欲しいと頼む事しか出来ない。なぜ私が君に来て欲しいかと言うと、君が持っている久久能智神の能力が必要なのだ。都合が良すぎるのは十分に理解しているし、不躾で礼儀を欠いているのも分かっている。そして、警戒をするのも当然だ。だが、私には時間があまり残されていないのだ。お願いだ、少年よ。力を……貸してください』……以上だ。》

「わざわざ声まで変える必要性は?」

《私の特技を披露したかった》

「あっそ。ダンジョンコアに伝えといて」

《やはり、行かんのか?》

「それはまだ何とも言えないけど……」

《うむ?》

「俺は子供じゃない!!弱い大人だ!!って伝えといて」

《分かった。どこに行くのだ?》

「え? 仲間を呼ぶに決まってるでしょ? またな、おっさんみたいな木」

《お前、名前は?》

「ガク。おっさんは?」

《無いよ。名など》

「んじゃ~モックってのは?」

《……モック……良い名前じゃないか》

「またな。モック」

《あぁ。またな、ガクよ》


 来た道を引き返し、ダッシュでスミス家に急ぐ。


 ダンジョンコアは声の通った落ち着いた男の声だった。別にダンジョンコアに同情とかしたんじゃない。

 ただ、ダンジョンコアの寿命は知らないけど、このダンジョンがこの街にどれだけ重要な物なのかは分かるし、もし無くなってしまったらこの街が終わる。

 つまり、サラが悲しむ結果になる可能性がある。


 その可能性が少しでもあるのなら俺が動かない訳がない!!


 サラを悲しませるような事はしない。俺はそう決めたからな!!


 ここに来て毎朝のランニングで鍛えた「速度上昇スキル」に感謝だな。猛ダッシュすれば背景がどんどん後ろに流れていく。


 これなら、すぐに到着するだろう。


 ダンジョンからスミス家まではかなり離れているって訳ではないので全力ならすぐに到着する。時間はお昼だ。皆いるだろう!!


 家に着いた俺は駆け足でみんなのいるダイニングへ。


「ガクさん!!おかえりなさい。随分と慌ててるようですが、お昼はまだできてませんよ?」

「ごめん、サラ。俺が嘘を付いてないのをみんなに証明してほしい」

「えっと。構いませんが……急にどうしたんですか?」

「時間がないからみんなに喋りながら答えるよ」

「……分かりました」


 俺がいつもになく真剣だったのか、サラは真面目な顔つきになってみんなを集めてくれた。

 全員いるようだった。よかった。


「どうしたんだ、ガク。急に話なんて」

「スミスさん。……タワーがもし無くなったらこの街はどうなりますか?」

「ん?終わりだろうな。この街はあのタワーがあってこその街だ。無くなったら終わりだ」

「サラ。俺が今から言うことに嘘が無いか確認よろしく」

「わかりました」

「まず、あのタワーですが、正式にはダンジョンです。そして、あそこに生えている木は魔物です」

「バカな!!」

「お前、それが本当なら一大事だぞ!!」

「サラ。どうだい?」

「マーナ姉さん。……ガクさんの言っている事に……嘘はありません」


 みんなが信じられないと言う顔をしている。俺はそこまで何が一大事なのか実際分からないけど、空気を読んで険しい顔をしている。


「ここからが本題なんだけど……」

「この件はついでか?」

「ぶっちゃけなんでみんながそんな険しい顔をしているのかが不思議なくらいだよ」

「……まぁい。で?本題は?」

「順を追って説明するけど。今日、俺は「地図スキル」のレベル上げのためにタワーに入ったんだ。その時はまだ、ダンジョンってことを知らなかったけど、中をしばらく散策したら飽きて適当に「鑑定スキル」を木に使ったんだ。レベル上げに支障がないように。」

「そこで知ったんだな?」

「うん。鑑定結果が第21ダンジョン(森)で木が魔物って出たんだ。」

「第21か……」

「続けるね。木を鑑定したら追記ってのがあって、その内容が俺を挑発してる内容で、音声付きで俺に届いたんだ」

「サラク」

「嘘はありません」

「お前……」

「いや、本当だから!!原因は久久能智神の能力って言えば納得するでしょ?」

「「「「納得した(しました)」」」」

「で、そのまま木と話して、能力が正常に機能してるか聞いたんだけど、帰ってきた答えがダンジョンコアがお前を呼んでいるって言われて」

「「サラク」」

「う、嘘はありません」

「……何か食べた?」

「食べてませんよ!!」

「嘘はついてません」

「本当だから!!……で、ダンジョンコアの話によると俺の久久能智神の能力が必要なんだけど、ダンジョンコアは身動きができないらしい。で、時間がないから来て欲しいって言ってた。」

「罠だな」

「罠だろう」

「……罠」

「嘘はついてないですね」

「そこで、スミスさんに質問があるんだけど」

「なんだ?」

「ダンジョンに寿命ってある?」

「正直な所、分からんな」

「なら、もしこの話が本当でダンジョンが消える可能性があると思う?」

「ない……とは言えないのが現実だな」

「だよね。……だから俺は行こうと思ってる」

「……死ぬぞ?」

「だからみんなに話したんだ」

「俺たちに護衛をお願いしたいってことか?」

「そう。……お願いします」


 俺は頭を下げた九十度に腰を折ってお願いした。


「イヤ、別にお前にお願いされることでもねーよ」

「そうだな」

「……なぜにお願い?」

「え?……危ないし、下手したら死ぬ可能性もあるし?」

「この街の危機にこの街の住人が動かなくてどうする」


 ヤベ~。マーナ、マジで男前だわ。


「準備完了しました」

「私も行く~~」


 準備早くね?シャスとパッチちゃん。


「各自準備しダンジョンに向かうぞ!!」

「「「「「おぉーー!!」」」

称号・久久能智神の能力

<植木スキル><成長スキル><木属性付与スキル><木属性耐性スキル><木属性攻撃スキル>

を常に装備した状態になる。(初期LVは一の状態)

木の神の加護

木との親和性が高まり、木に慕われやすくなる。

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