早、一ヵ月!!
遅くなりました。
(8/16、10/13)更新しました。
押忍!! 男の中の漢。名は学。この世界の目標はハーレムを作る事と国を作る事だ!!国の建設の目途は全くありません!!ごめんなさい!!
この世界に来て早一か月が経った。そう、一ヵ月が経った。つまり、スマホの中身が増えるのだ!!
俺は毎朝、チェックしていた。異世界に来て何日経ったかなんて実際覚えてなかったし、一ヵ月が三十日か三十一日か分からない時点で諦めた。
そんなこんながあったが、無事に一ヵ月。俺、良く生き残ったな~。アレ?目から汗が……
スマホ画面には、
【メモ一】
・条件をクリア
・アプリケーションの進化条件が整いました
・メモ一
まずはメモ一のメモ一を読むか。もはや慣れたな。
え~と何々。
・おめでとうございます。条件をクリアしました。第00一番、異世界に一ヵ月(三十二日)生き残る。の条件をクリアしましたので、アプリケーションの進化条件が提示されます。この提示された条件をクリアすることでこの第00一番はクリアとなります。お題は三つあります。
一番、一か月生き残る(済)
二番、イメージ操作でスマホを変える(済)
三番、一つのスキルレベルを三十以上にする(未)
クリアした後の事は書いてないのか。ま、いいか。
それよりも、俺が後やらないといけないのはスキルをレベル三十にすることか。俺のスキルでレベル三十に近いのは<地図スキルLv二十六>か、最近は育てて無かったからな~。
<速度スキルlv二十三>を育てようかな?こっちの方が今の所、需要があるしな~。
三lv差のこの状態は微妙だな~。四lv差なら間違いなく地図なんだけど、地図スキルは実際には洞窟とかダンジョンとかの方が需要あるしな~。
三lvって実際には三lvと経験値って事だろう?この差をどう見るかだよな~。手早く条件をクリアするか、時間は掛かっても需要を取るか。
よし。俺は……。
「スミスさん。スナーチャさん。マス。ちょっと修行を空けたいんですけど良いですか?」
「ん?なぜだ?」
「スマホの進化で一つのスキルのレベルを三十以上しろって条件があって、ちょっと街を散策したいんですよね」
「理由は分かったが何故、散策なんだ?」
「今の俺のスキルで一番レベルが高いのが地図だから」
「「「……」」」
「なんでそこでそんな目を俺に向けるんだ!!」
何だよ。三人して「何でそんなスキルが一番レベル高いんだよ。ハァ~~~」みたいな目で俺を見るんだよ!!
俺は〈地図スキル〉を見捨てないからな!!
そんな訳で俺は地図のレベルを上げる事にしました!!何でかって?いつかこいつが俺の予想もしない強さになると思ったからだ!!
後は早く条件をクリアしたいからだな。こっちが本当の理由じゃないぞ?本当だぞ?
では、さっそく出発しますか!!
「ガクさんとお出かけは二回目ですね!」
「そうだね。サラがいるだけで俺のレベル上げがメチャクチャ捗るよ!!」
「そんな……。ガクさんの力になれるなら私、何でもしますよ?」
そんな事を言いながら顔を赤らめて、下から見上げる形で俺の顔を見るなんて、理性が持たない!!
「サラ……」
「あぁ。ガクさん……」
「小僧。さっさと行けよ。玄関でおっ始じめんな。バカが」
マスの言葉で現実に帰って来た俺は恥ずかしさで家に引き返しそうだった。
サラも耳まで真っ赤だ。顔は仮面をしているが、恥ずかしいのは顔を見なくても分かる。
「オイ。ガク。買い物リストだ。これを見てついでに買い物を済ませろ」
「分かった。ありがとう。スミスさん」
スミスさんから旅に必要な物一覧をもらい旅に備えてついでに準備をすることになった。
サラは最初の頃は俺の後ろを付いてくるばかりで話しても「はい」とか「そうですね」しか返さなかったけど、買い物が始まる頃には普通に話してくれるようになった。良かった~
「サラは旅とかって初めて?」
「初めてではないですね。私が売られそうになった所はこことは違う場所でしたから、スミスさんとこの街に来るまでに旅というか泊りがけでの移動はしましたね」
「ごめん!!そんな事を聞いちゃって」
「いえ。大丈夫です。ガクさんは無いんですか?」
「まったく。これまで一回もないな」
「そうですか。では長旅では食料と水は必須ですね。そうなると馬車も必要になりますが」
「あ~荷物は俺が持つから大丈夫だよ?」
「大荷物ですよ?一人ではとても持てませんよ?」
「アレ?サラ忘れちゃった?俺のスマホアプリで別種のアイテムが三十種、同種のアイテムが六十種までなら入るよ?」
「……忘れてました」
一瞬サラの目から光が消えたのは気のせいではないだろうな。多分、余りの衝撃で忘れようとしたんだろうな。俺でもそうなりそうだったからな。
「後、新鮮さはそのまま!!」
自分で言いながらどこの冷蔵庫だ!!っとツッコミを入れてしまいそうだった。
「なら、果物や生物も大丈夫ですね!!」
「そうだね!!」
急にサラが元気になった。良かった元気になって。
さて、買い物を進めながらスマホをちょっと確認。周辺に人がいない裏道に移動したのでサラに周囲を確認してもらいレベル確認。
変わって無かった。ちょっと残念。
スマホをペンダントに変えて<地図スキル>を起動。頭の中に今まで歩いた所が分かるようになる。
やはりこの<地図スキル>は面白いな。自分と他人が分かる。詳しい特定は出来ないがレベルが上がればそのうちできそうな気もする。
買い物を進めながら俺とサラは移動をする。主に裏道と俺の通っていない道を選んで歩いた。
「よう!!生きてたか!!」
「……サラの知り合い?」
「え!?えぇっと多分、ガクさんをスミスさんの所に連れてきた方だと思うのですが……」
「俺を忘れたのか!?まぁアレから1ヵ月も経ってるからな~。あの時は夜だったし、しょうがねーか」
この声、この感じ。……あ。
「俺をダマした警備の人!!」
「誰がダマしたか!!人聞きの悪い事言うな!!俺はちゃんといいのか? って確認したぞ!!」
「あれ? そうだっけ?」
「そうだよ!! まぁこうして元気にやってるって事は無事にクリアできたんだろ? ならよかったぜ」
「いろいろあったし、何故クリアできたのか今になっても分からないけど俺もよかったよ」
「なんか色々あったんだな。がんばれよ。え~と名前何だったか?」
「そういえば名前言って無かったっけ。俺はガク」
「ガクか。俺はイースってんだ。よろしくな。ガク」
「よろしく。イース」
その後、少しばかり話しをして別れたが、そういえばこの街で最初に会った人はあの人なんだよな。……ま、いいか。
サラと話しながら街を散策。……コレ、デートじゃね?
と思った俺にサラが突如、話を振った。
「ガクさん。少しガクさんの話をしていただけませんか?」
「え?ど、どうして?つまらないよ?」
「私はガクさんを深く知りません。知りたいのです。ダメですか?」
だからなんで下から上目遣いで見るかな? ダメって言えないじゃん!!
「う~ん。多分がっかりするよ?」
「大丈夫です!!」
その自信はどっからくるのかな?
「俺は日本ってところに住んでたんだ」
「ニホン。ですか?」
「そう。その日本って国は識字率って言って読み書きが出来る割合がほぼ百%って国なんだよね」
「ほぼ百%って全員が読み書き出来るって事ですか?」
「そうだよ。それでその国っていうか世界はこっちと違ってモンスターは出ないんだ」
「モンスターが出ない世界。平和そうですね」
「そうとも言い難いかな?俺たちの世界は人同士で争ってるから」
「……こっちの世界と変わらないところもあるんですね」
「空が青いとかね」
「そうなんですか?」
「そうだよ?こっちもあっちも同じ空だよ?」
「そうなんですね。フフ」
「どうしたの?」
「少しだけガクさんに近づいた気がしました」
「それはよかった。……俺はその世界で、何もしないただの落ちこぼれでダラダラと時間を浪費して、親のお金で生きて、親のが悪いって思いながら生きてたんだ」
「それは……」
「本当さ」
俺はサラの目を見て喋った。サラの目が大きく開き驚いてるのが仮面越しでも分かった。嘘をついていないって分かったのだろう。
「俺は、勉強が苦手でね。覚えも悪かった。人よりも頑張らないと人並にもなれなかった。そんな俺は両親と上二人の兄たちの重圧に耐えながら勉強の日々、そして大事なところで結果が残せず、挫折。そのまま何もしない俺が生まれた。それから二十年以上も時間を無駄にして、親に八つ当たりして、勘違いをしたまま死んだ。それが向こうで俺がやってしまった事だよ」
「すいません。一つ良いですか?」
「何?」
「ガクさんの年齢はいくつですか?」
「聞くとこそこなの!?」
「気になったので」
「そ、そうか。俺は向こうで三十六歳で死んだな。この体の年齢は十五歳だ。神様が若い体にしてくれたからな。体の年齢は十五歳だから今は十五歳って言ってるけど、精神年齢は三十六だな」
「あ、マスさんをさん付けで呼ばないのはそのためですか?」
「よく分かったね~。マスって三十四歳じゃん?自分より年下にさん付けはなんだか変な感じがするし、マスもお前にさん付けされるのは嫌だって言ってたし、これで良いかな~って思って」
「フフフ」
「どうしたの?」
「私はマスさんより年上の方を好きになってしまったんですね?」
「うっ!!そう言われるとなんか傷つくな~。俺はあんな老け顔じゃないし、あんな怖い顔してないからね?それに今は十五歳だから!!」
「分かりました。フフ、老け顔ですか」
「あ!!マスに言わないでね!!稽古が厳しくなる!!」
「どうしましょうか?」
「お願いします!!この通り!!」
もちろん全力の土下座だぜ?
「ガクさん!!冗談ですから!!頭を上げてください!!」
「どうか!!マスの稽古が厳しくなると俺の命がガチでヤバイ!!」
「わかりましたから!!お願いですから頭を上げてください!!」
「フ~~良かった。これで臨死を経験しなくて済む」
「どれだけの稽古ですか、それ」
「地獄?イヤ、拷問に近いかな?もはや一種のイジメだよね。あれは」
「さらっと怖いこと言ってますよ?」
「とにかくよかった。ありがとうサラ!!」
「お礼を言われることはしてないのですが……」
「それにしてもサラが俺の話をして聞きたいのが年だなんて」
「ガクさんがどんな人物でも私はあなたを軽蔑も蔑みもしませんよ。ありのままのあなたを受け入れます。あなたが私にしてくれたように」
「なんか照れくさいな~。でもありがとう」
「いえ。私こそありがとうございます!!」
やっぱりサラの笑顔は癒されるな~。
俺の過去を受け入れてくれる人がいる。とても安心するんだな~




