ダンジョンからの帰還
私はファントムを倒しみんなと合流した。
「みんな、戻った」
「お帰り、イセリア」
一部を除き複雑そうな顔しながらみんなは私を迎え入れてくれた。そのとき部屋に音が鳴り響いた。
「また何か出てくるのか、もうこれ以上はごめんじゃぞ」
「いやこの音は・・・」
響いた音はファンファーレだった。そのとき空に文字が浮かびだした。それも日本語で。
「なんて書いてあるんだ?」
私以外は、この文字を知らないから当然のことなんだが・・・、師匠、やはりあなたたちですかこのダンジョンを作ったの。ファントムが出てきたから予想していたが・・・、なんだか~。
私はこの文字の内容を翻訳し口に出した。
「え~と、よく第一階層を突破した。おめでとう。この程度のダンジョンでは物足りないかもしれないが、ここから先がまだあるから失望しないように。君たちはまだこのダンジョンに足を踏み入れたに過ぎない。では、一ヵ月後第二階層でまた会おうと書いてある」
まだ先があるのか、あれ?たぶんここ毎年使っているよな。何で今年に限ってダンジョンが・・・、いや、後で考えればいいことか。とっとと生徒手帳を回収して戻るか。
「イセリア、読めるのですか」
「現に今読んだが」
やはり驚かれるんだろうけど、なんかユーリ、ジェイド、イセリナを除き複雑そうな顔している。
「ふう、もう伊勢理亜だからで決着を付けなければ、身も心も平穏を保てないのじゃ」
複雑そうな顔してたやつらはどうし見渡してそれで決着を付けたらしい。なんか複雑な気分だが。
また、けたたましい音が鳴り出したが、今度は壁が元に戻っていき天井がふさがれていく。これでバトルフィールドが解除されていくようだ。
「あとは生徒手帳を回収して戻るだけですね」
シリウスの一言にみんな肯き、壁と天井が完全に元に戻り次第、生徒手帳が入っていると思われる箱を取りに行くことになった。
「ユーリ、アームドシールドを返してくれ」
「イセリア、あなたにお願いがあります」
ユーリは真剣な顔を私に向けてくる。内容は簡単に予想できそうだ。
「ユーリ、そのアームドシールドはあげられない。たとえどんな手段を使ってもね」
「いえ、ちがいます」
あれ?アームドシールドがほしいわけじゃない。ならなんだ。
「わたしがお願いしたいのは神霊力についてとそれによる術について、あとアームドシールドの作成依頼です」
神霊力に関しては寮で話すとつもりだったからいいとして、まさかアームドシールドを作ってほしいと言われるとは思わなかった。アームドシールドを作るとしてパーツは・・・て、今、ファントムに使われていたアームドシールドをユーリ用に調整すればいいか、いや、いっそうのことファントムのフレームなどを排除してユーリ用の鎧にすればいいか。よし、なんか燃えてきた。
「だめですか」
「わかった。もともと神霊力に関しては寮で話すとつもりだった。アームドシールドに関してはファントムを再利用することするよ」
「ありがとうございます。これでわたしもまともに戦えます」
ユーリは泣いて喜んでいた。やはり後ろでアイテム係で戦えないことを何かと気にしてたんだろう。今思うと私はユーリに甘いな・・・
ユーリと話している内にどうやら壁と天井が元に戻り部屋の奥に台座が現れたようだ。
私たちは台座の上においてある箱をあけ、生徒手帳を手に入れた。その後、ダンジョンから出るため来た道を元に戻った。
私たちはユーリに渡しておいた自動マッピング装置に記録された地図を頼りに魔物を倒しながら元の来た道を戻っていると、前方から息を切らしながらこちらに猛然と走ってくる、コンゴウ先生とジル先生が見えた。
「おまえら無事だったか、ハァハァ」
どうやらコンゴウ先生とジル先生はわたしたちを探しに来てくれたらしい。
「ダンジョンの中が変わっていて、さらに魔物が出るようになっていて皆さんに大怪我した人がいないかと心配しましたよ。ハァハァ」
猛然と走ってくるのはいいですが息を整えてから喋って下さい。それだけ私たちの事が心配だったのかな。それに今の話を聞いた話が本当なら、先生が生徒手帳を奥に置きに行った時、中はこんなじゃなかったようだ。では何時、このダンジョンは変わったのか後で調べる必要があるな、でも先生たちが先に調べそうだからその報告待ちでもいいか。
「それにしても途中で合流できてよかったです。あとはわたしたちが奥に行きますので、あなたたちは上へ戻りなさい」
どうやら先生たちは私たちがこのダンジョンを攻略している途中と考えているみたいだ。
「先生、我々、Gクラス一同はダンジョンの奥まで行きみごと生徒手帳を手に入れましたわ」
「活躍したのは主に伊勢理亜と悠里じゃったが」
先生たちはユーリを見て驚いている。まぁ、先生のことだからわたしが冒険者ということは知っているからこれぐらいはできるだろうぐらいは考えていたかもしれないが、戦闘力皆無で取り柄といったら体力ぐらいのユーリが活躍できるとはさすがに思えなかったみたいだ。
「わたしはイセリアから借り受けた、アーむぅっ!」
私は先生に武器を持っていること知られるのはまずいと思いユーリの口を手で塞いだ。
「私が貸した、アイテムボックスに魔道具が入っており、それを使ってユーリは敵を倒していたんですよ」
私はアイテムボックスから魔道具を取り出し渡した。
「これはデストラクションボムといって相手に投げて使う道具で、上についているピンを抜いてと五秒後に爆発します。そして半径二mが消滅する代物です。危ないから使うときは投げる方向に人がいるかいないかを確認してから投げてください。爆発に巻き込まれたらエリクシルでも蘇生不可能なくらいに消し飛びますので」
先生たちは青ざめた顔でデストラクションボムを見つめている。
「なお研究資料として解体しようとした場合、解体し方によっては爆発することがありますので十分に気をつけてください」
「大丈夫です。これは解体しません、これは封印します。これの話しは、これでおしまいにしましょう。では皆さん戻りましょう」
「「「「「「「「「「はい」」」」」」」」」」
私たちはジル先生の後に続きコンゴウ先生が殿を勤める形でダンジョンを戻った。
このときコンゴウ先生は私のことを特に気にしていたようだが。やはり朝、校門で武器を渡してないうえ、それに入学式遅刻してきたのがまだ引きずっているのかな。
少しして私たちは旧校舎地下ダンジョンから旧校舎へ戻ってきた。その後、コンゴウ先生に教室まで案内され、ダンジョンの中で何が起きたかを聞かれた。私たちは中で起きた事を話した。魔物が出現したことさらに奥で出てきたガーゴイル六体とHF-001FA フルアームドファントムのことを話した。
「聞いたかぎりではなぜダンジョンの中が変わり魔物が出現するようになったのかは誰にも分からないんだな。さらに奥で出てきた魔物、ガーゴイルは消えてなくなり、ファントムと言うゴーレムの残骸はイセリアが持っている、それでいいんだな」
「はい、そうです。あと言っておきますがファントムの残骸は研究用として渡しませんから、あれの使い道はすでに決まっていますし。そもそも倒した人に素材の所有権が発生します。パーティならいざ知らず、私は三つのパーティに入ってませんので分配は起きないのですが。まぁ、下手に弄繰り回してファントムのコアを暴走させたら学園が消えてなくなりますから渡さないのですが」
コンゴウ先生以外もう驚かないみたいだ。
「じゃあ、なにかイセリアおまえはファントムとか言うやつを暴走させない方法を知っているのか」
「ええ、HF-001からHF-005までいじったことありますから、資材さえあればファントムをレストアできますよ」
「れすとあ?まぁいい暴走させないならもうお前が持ってろ」
「わかりました」
それから私たちは今年度の日程に関する書類や時間割表をもらいそれと注意事項を聞き今日は解散となった。長い入学初日だった。
ファントムはイセリアの手によって対人用自立稼動兵器から別のもになります。
次回、寮にて




