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東方空想録  作者: 房松
9/9

作者の幻想郷での花子さんのイメエジ

 

 注意!!


 本作は東方Projectの二次創作です。

 本作にはオリジナル設定が含まれています。

 また、他の部分でも原作、または貴方のイメージとは違う設定があるかもしれません。

 自分の持つ東方Projectのイメージが損なわれるが嫌だと感じた場合は、速やかに読むのを中断してください。




 本作はかなり前にデスマーチに陥った作品その1ですので、やたらと間違ってるかもしれません。

 


 

「ふぁ~…」


 欠伸が一つ、伸び一つ。

 ここは人里、寺子屋の中。草木も眠る丑三つ時。

 欠伸を洩らした寺子屋の主は菜種油の灯火の中、眠たそうに目を擦る。

 蒼銀色の長髪に、何やら立派な帽子を乗せた、半神獣人の凛々しい少女。

 彼女の名前は上白沢慧音。

 子供のような見た目に違い、里一番の長生きで、この寺子屋の教師をしている頭の固いワーハクタクである。


「ふぅ、今週の分は、これで終わりだな」


 彼女はどうやらこの真夜中に、仕事を片付けてたらしい。

 硯の置かれた机の上には、子供達の習字の半紙。

 中々達者な筆遣いから、世にも下手糞な乱調字まで、選り取り見取りな仮名文字絵巻が、辺り一面に広がっている。

 それらの文字の誤りは、一つ一つ抜かり無く、朱墨の丸で囲まれて、丁寧に過ぎる補足と説明、注釈などが付けられていた。

 読んでて眠くなる程に、細かい所まで書かれている。

 それらの半紙を子供らの名で、五十音順に纏めると、慧音はやっと、布団を引く準備を始めた。


 ………


 その時、何かが聞こえたような気がして、慧音は廊下の方を見た。

 明かりの届かぬ暗がりは、ただ静か。何の音も発しない。

 気のせいだろうかと、そう思った。

 だが、今度は、音の代わりに気配が漂ってきた。

 朧気ながら妖しの気配。慧音の顔が張り詰める。

 この寺子屋の各所には、博麗神社の退魔札が、妖怪避けに貼られている。

 それらを越えて来たならば、それは相当な力を持つ者か、或いは慧音と同じ、半人半妖の類か……


 何れにしても、放って置けない。


 慧音は菜種の灯火を、燭台に立つ蝋燭に移すと、廊下の闇へと歩き出した。

 星明かり、月の光の洩れ入る廊下。その仄暗さを蝋燭の、弱く揺らめく火で照らし、気配を辿って静かに進む。

 蝋燭に踊る火の明かり。その淵に澱む夜の闇。寺子屋の闇を進む内、いよいよ濃くなる妖気の中に新たな気配が加わって、慧音の背筋に悪寒が走る。

 それは、死者から漏れる幽かな冷たさ。生きて息する慧音には、不自然過ぎる衰の気配。

 その気の流れは厠から、渡り廊下の向こうから、闇夜を伝って寺子屋へ、慧音の元へと流れてくる。


 ……、…、……、…


 声がする。

 意味も判らず呟く声が。

 それは確かに、耳元に、呻き囁く老婆の声のように、聞こえた。

 生者にすがり、障りを招く、亡霊達の囁き声。厠にひしめく数多のざわめき。

 慧音の足は真っ直ぐに、厠に向かって歩を進める。

 その足取りに恐れは無い。

 寺子屋に住む里の守り手、半人半獣の上白沢。彼女は里を守る為ならば、悪鬼にだって立ち向かう。

 とは言え、彼女は寺子屋で、子供に教えを説く教師。荒事無しで済むのなら、それに越した事は無い。

 話の通じる者であってほしいと、そんな事を思いつつ、慧音は廊下を渡り切り、厠の戸口の前へ来た。


「……ふむ……」


 ――どうしたものか……


 締め切られた厠の戸を見て、彼女は些か戸惑った。

 その目が見やる、その先には、博麗神社の退魔の御札が剥がれる事無く残っていた。

 妖魔怪異が押し入ったなら、札は焼き切れ微塵となり、彼我を隔てる結界は、その成り立ちを崩す筈。

 にも関わらず御札はあり、結界はあり、妖気は中から溢れている。

 半妖の気は感じない。中にいるのは妖怪だ。

 一体、中の妖怪は、御札が隔てた結界の内に、如何様にして入り込んだのか。


 …きゅっぽん。


 …きゅっぽん。


 …きゅっぽん。


 思索は長く、続かなかった。

 中から何やら、奇妙な音が聞こえてくる。その度に、死霊の気質は胡乱なものに変じていく。

 消える訳では無かったが、その気は生への粘性を欠き、無害なものへと変わっていった。

 一体、何が起こっているのか。

 中の変事を確かめる為、慧音は意を決すると、厠の扉に手を掛けた。

 亡霊達の囁きは、今はもう聞こえない。

 揺らめく灯火、揺れる影。慧音は木戸を、引き開けた。


 ぎぃぎぃと、軋みを上げる厠の戸。


 開かれたその先にあったのは………




 ◆◆◆◆◆ 




「………」


 言葉も無い。言葉も出ない。言葉を失う異様が広がる、厠の中の、仄暗さ。


 慧音は唖然とした。


 ただ目の前の光景を、言葉に直すだけならば、それは然したる労では無い。

 辺り一面、色んな姿の子供の霊が、薄暗く、果て無く続く厠の中で、木の棒が生えた赤茶の御椀を帽子のように頭に乗せて、水面に沈む水草のように、ゆらりゆらりと揺らめいている。


 揺らめく度に振れる木の棒。

 虚ろな眼差しの亡霊の群れ。

 最果ての見えない厠の空間。


 怪異のもたらす様々な惑わしの中でも、飛び切り面妖なその光景を前にして、さしもの慧音も思考が止まった。


 きゅっぽん。


 きゅっぽん。


 きゅっぽん。


 あの怪音がまた響き、どこかの霊の脳天に、奇妙な帽子がくっついた。


「ふぅ、これで終わり、と」


 どこからか響く呟き声に、慧音は我を取り戻し、その声の方に目を向けた。

 小さな声を洩らしたのは、少し離れた宙を舞う、おかっぱ髪の女の子。

 着古された洋服を着て、継ぎ接ぎパッチのモンペを履いて、肩には真っ赤な防災頭巾。黒い御髪を包むのは、寺子屋近くの食堂の、おばちゃんのような三角巾。彼女の小さなその手には、死霊の頭に生えているものとおんなじ棒が握られている。


 不意に彼女と目が合った。


「…一体、ここで何をしている?」


 頭上に浮かぶ妖怪に、険しい調子で問う慧音。

 宙を漂うその姿は、寺子屋に通う子供のように小さく幼く愛らしいが、妖しのモノを見た目で判断するのは大変危険な事である。

 妖怪児童は宙を游ぎ、慧音の前に降り立った。


「あなたはだあれ?」


 童は問いに答える前に、慧音の名前を聞いてきた。話をしようというのなら、まず名乗るのが礼儀だろう。


 ――ふむ。


「……私の名前は上白沢。この寺子屋で教師をしている者だ」


 慧音は少し考えて、目の前の子に名字を告げた。

 霊異溢れる幻想郷で得体の知れないモノを相手に、自分で『名前』を告げるというのは呪って欲しいと言うのと同義。下手をすれば、死ぬより質の悪い事になる。

 状況から察するに、恐らくは、霊に影響を与える力を持つであろう妖怪が相手とあれば、尚更である。


「かみしらさわ…。あ、ひょっとして、あなたがけいねさん? あのね、わたしは花子っていうの。よろしくね」


 だが、目の前の子は簡単に、自身の名前を慧音に告げた。

 話し振りから察するに、慧音の事は知っているらしい。悪意や敵意も感じない。


「ふむ、花子というのか。…花子は一体、ここで何をしているんだ?」


 だからと言って易々と、警戒を解く慧音では無い。

 相変わらず、その声には疑念が滲んでいたのだが、花子と名乗った妖怪は、そんな事など気にもせず、にっこり笑顔を浮かべて答えた。


「おしごとをしてるの」

「お仕事?」

「そう、おしごと」


 花子がそう言い振り向くと、厠の個室の扉が全て、勢いよく、音を立て、叩きつけるような勢いで開いた。

 巻き起こる風、消える灯火。何をする気か、慧音が尋ねる暇も無く、亡霊達は動き出す。


 ぞろぞろと、個室へ進む亡霊達。


 頭につけた、奇妙な棒付き赤茶の帽子をゆらりゆらりと揺らめかせ、順繰り順繰り個室へ入る。慧音が唯々見つめる中で、亡霊達は次々と、個室の中へと入ってゆく。


 ぞろぞろと、ぞろぞろと。


 個室はとうに満杯だろうに、何故か溢れる事も無く、亡霊達は個室に進む。

 あっという間に亡霊達は、個室の中へと姿を消した。

 無限に続く厠の中で、開いた全ての個室の扉が、木の軋む音を立て、一矢乱れずバタンと閉まる。


 後には只の伽藍堂。


 いつの間にか、厠はいつもの姿に戻っていた。

 虫の音が響く闇の中、花子と慧音、ただ二人。花子は無邪気ににこにこと、笑みを浮かべて慧音を見る。

 慧音には、何が起こったのか判らなかった。


「…一体、何をしたんだ?」


 困惑気味に尋ねる慧音。花子は何故か嬉しげに、慧音の問いに答え始めた。


「うんとね、あの子達は迷子だからね、はくぎょくろう、て所に送ってあげたの」


 白玉楼。それは冥界の中にあるという、亡霊の姫が住まう屋敷である。冥界にいる霊魂達は、浮き世の障りにならないように彼の屋敷の姫によって管理されているという。


「ほんとは、あの子達は迷わずあの世に行くはずなんだけど、このげんそうきょうの、あの世とこの世のさかいがあいまいになったせいでね、迷ってしまうの。だから、わたしもおしごとに引っ張ってこられたのよ」


 目の前に立つ子の妖怪は、見た目通りに幼いようで、その話し振りは要領を得ないが、子供に慣れてる慧音にとって、それは然したる苦ではない。


「ふむ、白玉楼か…」


 それはおかしいと、慧音は思った。

 冥界に行くのは、閻魔の沙汰を受けた後の、次なる輪廻を待つ霊魂。裁きを受ていない、いまだに妄執を引きずる亡霊達を白玉楼へ送るのは、明らかな筋違いである。

 先の彼らを送るのは、先ずは彼岸であるべきだ。


 では、何故この妖怪は、彼らを白玉楼へと送ったなどと言ったのか?


 もしや、嘘を吐いているのだろうか?


 そうは、慧音には思えなかった。

 見た目や話し振りに惑わされた訳では無いが、彼女は確かに、本当の事を話しているように感じた。

 幾多の妖怪を相手にし、錬磨してきたその直感は、滅多に外れる事が無い。


 他に、可能性として考えられるのは………


「花子」

「なあに?」

「さっきお前は、霊を送る事を『おしごと』と言ったな」

「うん」

「その仕事は、一体誰から頼まれたんだ?」


 霊を操る花子を使い、誰かがよからぬ事を企てているのではないか。

 そう考えて、慧音は尋ねた。

 白玉楼に送ると言うのは花子を騙す方便で、実際は、別の所に送られているのではないか?

 そう、考えたのだ。


「ムラサキおばさん。こっちじゃヤクモユカリって呼ばれてるはずよ」


 花子は無邪気にそう言った。


「………ふむ、成る程な」


 慧音は即座に判断した。花子は何者かに利用されている。

 ヤクモユカリ、八雲紫とは、幻想郷に住む大妖怪の名前である。

 慧音も以前、出会った事があるのだが、彼女の容姿はフランス人形のように綺麗なもので、見た目の歳も、慧音よりかは僅かに年上程度のものなのだ。

 もし、花子が彼女を見たのなら、間違ってもおばさんなどと呼ばないだろう。


「…よし、ならば、そのヤクモユカリという者に会わせてくれないか? 少し聞きたい事がある」


 断固とした口調で慧音は言った。その瞳には、義憤の火。

 何処の木っ端かしらないが、大妖怪の名を騙り、無知で幼い妖怪に、悪事の片棒担がせようなど、そんな輩を慧音は許しておけはしない。

 今の慧音の頭には、相手が強かったらとか、厄介な罠があったらとか、友に力を借りようだとか、そんな考えはまるで無い。

 一度頭に血が上ると細かい所が見えなくなるのが、この先生の悪い所。


「………」


 たがしかし、厳のような慧音の声に、花子は何も返さない。

 花子の瞳のその先は、厠の奥にある個室、つまりは、3番目へと向かっていた。


「……花子…?」


 急に空気が重くなる。比喩などではなく、霊的に。


「…けいね先生」


 花子の顔から、子供らしさが消えていく。


「な、何だ?」


 慧音が訊ねるその間に、花子は仮面を取り出した。


 無機質な、白いだけの面。


「少し荒っぽいおしごとをするので、怪我をしないよう気をつけてください」


 そう言うと、花子は仮面を身につけた。


 次の瞬間。


 爆音と共に、3番目の個室が爆ぜた。


 木材金具が吹き飛び跳ねて、そこらかしこにぶつかる音。沸き立つ埃の煙に紛れ、そこから現れ出てきたモノは、ブツブツと、全身の皮膚を泡立たせながら這い進む、醜悪酸鼻な人顔戯画。

 自我が擦り切れ境を無くし、妄念のみが縒り合わさった亡霊達の集合体。

 厠の底から這い出るように、体積を増して膨れるそれは、慧音が知る中ではもっとも巨大な霊障だった。

 慧音は視線を花子に戻す。その眼差しに、再び疑いの影が浮かぶ。

 先程見た亡霊の群。それを自在に操る花子。ならば、このおぞましき亡霊の集まりも、花子の仕業なのではないか? そんな疑念が過ぎったからだ。

 だが花子は、そんな疑念を踏みつぶすように確と慧音の前に立ち、右手に持った奇妙な棒、プランジャーと呼ばれる器具のその先を、眼前の、うぞろと蠢く奇塊へ向けた。

「あの子たちは、あなたの仲間になりません。あなたの餌食になりません。あなたの飴にもなりません」

 呟く花子。

 仮面から洩れる幼い声は、冬の清水のように冷たくて、水面に伝わる波紋のように、静かに厠の中に響く。

 花子の言葉の、その静けさに、慧音は彼女を理解した。


 あの怪物は、仲間を求めて亡霊達を喰らうモノであり、花子はそれを許さない。


「……私も、手伝おう」

 このままアレを放って置けば、何処かの誰かが犠牲になる。そんな事はさせやしないと、慧音も花子の隣に並んだ。

 ものの通じぬ妄の悪意にスペルカードは必要無しと、慧音は本気で構えをとる。


 だが…


「だめ」


 花子はプランジャーを、慧音の腹に目掛けて振った。


「う、おぉっ!?」


 途端に、慧音の身体は真後ろへ、入り口近くへ吹っ飛んだ。

 殴られたという感触ではなく、ただ勢いだけつけられて、無理矢理後ろへ飛ばされたような、摩訶不可思議な浮遊感。

 おかげで慧音は身を崩し、尻餅ついて床に落ちた。


「…これは、わたしのおしごとなの」


 幼い声には似つかわしくない責任感を感じさせ、花子は怪異に立ち向かう。

 プランジャーを腰だめに構え、亡霊の塊を見据える花子。プランジャーの先に、透明な玉が現れる。

 厠を包む闇の中でも半人神獣の慧音の目には、その玉が示す霊威がはっきりと見えていた。


 流れる水。あらゆる穢れを押し流し、一つ所に留めぬ躍動。


 それが見えた、その瞬間。

 水が、圧倒的な圧力を備えた膨大な水量が、花子の前に溢れ出た。

 水の流れは厠の中を渦巻き流れ、阿とも言えぬ瞬く間に、怪異と花子を包みこみ、慧音を戸口へ押し流す。

 姿勢を崩した慧音はそのまま、水の流れに抗う事もままならず、厠の外へと流された。


 水に呑まれて朧気に、全ての境が曖昧になる。


 辺りは暗く、視界は暗く、意識までもが暗くなり、その中で、最後に花子の姿を見て、彼女はそのまま………




「慧音」

 名を呼ばれ、はっと目を覚ます。

 ここは寺子屋、慧音の住まい。雀も鳴き止むお昼時。

 寝汗にまみれた襟元に、不快な心地で起き上がり、自分を呼んだ誰かを探す。

 その人は、すぐそばにいた。

「慧音、大丈夫?」

「…ええ、大丈夫」

 目の前にいたのは、白髪の少女。私の友、藤原妹紅。

 彼女は私の顔を、覗き込むように眺めていた。心配している、というよりは、気分はどうかと様子をうかがうような表情。

 どうにも疲れていたらしい。私は昨晩、子供達のテストを採点し終えた後、そのまま居間で横になり、布団もひかずに寝てしまったみたいだ。

 きっと、酷い顔をしているんだろうな。

「慧音、酷い顔してるわよ。ちゃんと布団はひかないと」

「ああ、そうだな。心配をかけたみたいで、すまない」

「そんな事はないけど……あ、そうだ」

 妹紅ははっとしたように、懐から何かを取り出した。

「これ、さっき、あの胡散臭いスキマ妖怪から預かったんだけど」

 それは、手紙らしかった。

「なんか、アレに似合わない優しそうな笑顔でさ、慧音に渡すまで、開けてはダメよ。なんて言って、私がそんな非常識に見えるのかしらねえ」

「はは、まあ八雲殿は、そういうモノだからな」

 そう言い慧音は手紙を開く。そこに書かれていたものは…

「…花子、か…」

「慧音? どうかしたの?」

「いや、何でもない。八雲殿が、新しい『人の子』を連れてくるらしい。よろしくとの事だ」

「へえ、アレが直々に?」

「ああ、おそらく人里の人の数でも調節しようという考えなのだろう」

 慧音はそっと手紙を畳み、机の上へと置く。そしてそのまま、ゆっくりと立ち上がり、寺子屋の奥の物置へと足を向けた。

「新しい子の机運び? 私も手伝うわよ」

「ああ、頼む」

 二人はそのまま、廊下の向こうへ歩いていく。

 後には一枚、手紙だけが残された。


 花子の事。顕界と冥界の境の事。境の不安定さにより引き起こされた、冥界の側の神隠し。

 厠は、あの世とこの世を繋ぐ道筋の一つであり、故に花子はここに来た。

 閻魔の裁きを経てもなお、学舎の記憶に惑う子供達の霊を連れ戻す為に。


 不意に、虚空がひび割れた。

 ひび割れたスキマから伸びるムラサキの袖、白い腕。

 その手は机の手紙を掴み、後には何も残らなかった。





 完





 

 この度は、本作を読んで頂き、本当にありがとうございます!


 本作は、あの世とこの世の境の一つと言われるトイレに住む妖怪は、どんな存在だろうかと思ったのが始まりでした。

 あの世とこの世の境界線。そこに住んでる花子さんは、きっと八雲の紫さんと関係が深いにちがいないとか、紫さんは見方によって姿形が変わるんじゃないかとか、そんな妄想が詰まってます。

 書き始めたのは約3年前なんですが、遅筆でスランプ、やる気減退のデスマーチという状態で、深秘録に花子が出るかもしれないという情報でやっとこ尻に火がついて、なんとかかんとか完成させる事ができました。

 もしも、この作品を読んで、何か感じるものがあったと思ってもらえたなら。幸いです。


 本作を読んで頂き、本当にありがとうございました!



 

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