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第79話:森の様子を見てくるわ

コイツ、誰?


「さっきから無視しやがって良い気になってんじゃねぇ!」


ずっと聞こえてきた大きな声はコイツの声だったのか。


で、誰だコイツ?


「誰だお前?」

「ふん!火剣のイースと言えば分かるだろ?」


火拳のエース⁉ワンピ○スのアイツか⁉


「火拳のエ○ス⁉」

「違う!火剣のイースだ!」


何だ、聞き間違いかよ…。


「知らん、人違いだろ?じゃあな。」


イースの手を振り払って移動しようとしたら、またも腕を掴まれた。


「人違いなんかじゃない、お前に用があったんだよ!」

「分かったから、取り敢えず手を放せよ。」


強引に振りほどく!


「クッ!」


なんだ、簡単に放してくれたよ。


「で、何の用だ?」

「お前だろ?最近、調子に乗ってる期待のルーキーってのは。」

「調子に乗ってないし、期待されてもないから人違いだ。じゃあな。」

「ちょ、ちょっと待てって!」


うるせーなー!ボコッ!


「クヘェ…。」


軽く、本当に軽く顔面を1発殴ったら、イースとやらは伸びてしまった。


「イース‼」×2

「ソイツの仲間か?お前らも俺に用があるのか?」

「ウチのイースがスンマセン!」

「このバカがご迷惑をおかけしました!」


仲間らしき3人が近付いてきて、いきなり頭を下げた。


「いきなり来て、しつこかったんで殴ったが単に気絶しているだけだと思う。コイツは何なんだ?」

「ハッハッハ!ソイツは火剣のイースって通り名が付いてる若手冒険者さ!」


横からオッサンが現れて喋りだしたよ。


「一応、ニードラング周辺じゃあ火剣のイースってのは若手の中では最強って言われてるんだぜ?」


へぇー、そうなのか。


「本当にすまねえ。イースのヤツ、自分よりも若いのが先にBランクになったって聞いて、どんなヤツか確認するって聞かなくて…。」

「このバカにはよく言っときますんで、本当にごめんなさい。」

「…。」


1人無口なのがいるが、今回はイースってのが仲間の意見を聞かずに俺の所に来たみたいだね。


「こっちも殴って悪かったが、次は骨ぐらいでは済まさんと伝えてくれるか?」

「分かりました!失礼します!」


3人に引き摺られてイースは消えていった。

イースのステータスを確認したが、火魔法の初級を持っていたので、その辺が通り名の由来だろう。


「しかし兄ちゃんにかかればイースのヤツも1発かよ、流石はBランクだな!」


馴れ馴れしいと思ったら、この間ギルドで酒を奢った冒険者だ!


「もう酔ってるのか?」

「こんな早い時間に街道のど真ん中で飯を食い終わったら、することなんてこれしか無いだろう?」


気持ちは解らんでもないな。


「兄ちゃんにはあの時の礼がまだだからな、今度は俺が1杯奢らせてもらうぜ!」


この冒険者の流儀とやらは嫌いではないが、飲み慣れないエールは勘弁して欲しいな…。




◆◆◆◆◆




結局、俺にご馳走になったという連中から合わせて、3杯のエールを飲む事になった。

4杯目の代わりにエリアスに腸詰めもご馳走になったぐらいだ。

あのまま、あの場所に留まれば、まだまだ飲まされる事になったハズ…。


エールは苦手だ…。


馬車の近くの焚き火に戻ると、レイライン達は食事を終え、お茶を飲んでいた。


もうすぐ20時になるぐらいだから、周囲の冒険者達もとっくに食事を終わらせている。


「飲んでたの?」

「顔見知りに捕まって少しな。」

「エリアスちゃんが腸詰め食べてる~。」


ああ、ウチのエリアスは食欲旺盛なんだよ。

この小さな身体の何処に吸収した栄養がいってるのか不思議で堪らない。


「エリアス、腸詰めを2本も食べたけど、飯は食えるか?」


ぴょん!


うん、食えるらしいね。


何を食べようか悩むが、最近は肉料理が多く、魚が食べたくなったが準備してないので諦めた。



今夜のメニューはご飯・青椒肉絲・オークの唐揚げ・筑前煮だ。


青椒肉絲を食べたエリアスの反応が良くなかったので、ピーマンが苦かったのだろう。(でも、残さずに食べていた)


飯を食べながらビールを飲みつつ、夜を過ごした。




◆◆◆◆◆




2日目の移動は街道から離れて、森への最短ルートで進む事になったらしい。


そのおかげか、日も高いうちにオークが異常繁殖した森が見える距離に着く事が出来た。


もう少し近付いた辺りをベースキャンプにするとレグが教えてくれた。


森の中にはどれだけのオークの集落があるか分からないし、全ての集落を潰してある程度のオークを間引く為には、腰を据えて取り掛かる為の拠点が必要との事だった。


森の一部を脳内マップで確認すると、オークの集落が8つ確認できた。


ゲッ!やっぱり予想よりも多いな…。


もっと奥には更に集落がある可能性が高い事を考えれば、今回の討伐作戦はなかなか厳しく感じるな。


この程度は俺には関係ないが。




新人冒険者達がベースキャンプの準備を始めているのを確認したレグが、斥候を担当する数名の冒険者を集めて話し合いをしていた。



話し合いが終わり、斥候役が森に向かった後、レグに話しかけた。


「ちょっと俺も森の様子を見てくるわ。」


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