第76話:スライムが欲しい!
申し訳ありません、冒険者ギルドのギルマスの名前が一部でラノッツ以外の記載になっておりました。
修正は済ませましたので、今後とも宜しくお願い致します。
あっ!エルフだ…。
たぶんエルフだと思う。
長く尖った耳に薄い金髪、そしてスレンダーな体形をした女性。
THEエルフだな。
?、向こうは俺を見て驚いている。(俺を?なんでだ?)
俺が何かしたかと思ったが、答えは直ぐに解った。
その答えは彼女のステータスにあった。
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名前:レイライン
性別:女
年齢:162才
種族:エルフ
LV:39
体力:162/162
魔力:241/241
攻撃力:131
防御力:138
俊敏性:173
<スキル>
[武器]
杖術(初級)
[魔法]
風魔法(中級)・聖魔法(中級)
[技術]
魔力感知
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彼女のステータス値は魔法使いのステータスのセオリー通り、魔力が突出して高く、レベルの割に体力・攻撃力・防御力が低い。
ちなみに、体力とはゲームでいうHPではない。
純粋に体を動かす際の耐久値、スタミナの事である。
問題は技術系スキルの【魔力感知】だ。
このスキルの効果は、自身が魔法を使用する際に魔力の調整がスムーズになる。
また、感覚的ではあるものの、周囲にいる魔法使いの魔力量や魔法を発動するのを感知する事が出来るというものだ。
魔法使いとしてこのスキルを持つ者は勝ち組と言っていいだろう。
あれば役立つ便利なスキルだ。(俺も貰おうか迷ったけど諦めた)
大方、俺の魔力量を感覚的ではあるが感知してビックリしたのだろう。
他の2人は特に目ぼしいスキルも無い、普通の二十歳前の人族の男女だった。
年齢的には若くとも、2人は聖魔法以外にもそれぞれが土魔法、風魔法のスキルを持ち、2属性を扱える事を考えれば確実に優秀な魔法使いと言えるだろう。
「待たせたかな?レイライン。」
「ええ、待ったわよ、バルム。後ろにいる化け物を紹介してくれるかしら?」
「お祖母ちゃん!初めて会う人に化け物は失礼だよ!」
「ユインは黙ってなさい。」
「レイライン様、化け物ですか…。」
エッ?!お祖母ちゃん⁉
「レイライン、カレはヨシタカ君だ。先日、ベルハルト達を救ってくれてね、そのお礼も兼ねてここ最近はウチに滞在してもらっていた冒険者だよ。説明していただろ?」
「それは聞いていたけど、こんな化け物だなんて聞いてなかったわよ。」
「化け物とは穏やかではないね。どうしたんだい?」
「貴方達には解らないかもしれないけど、一言で言えば彼は化け物よ。魔力量だけなら私のよりも上だわ。貴方、何者なの?」
おぅ、そこまでゆーか?
「俺はヨシタカ、日本と言う島国出身の冒険者だ。化け物とは酷くないか?」
「そうだよお祖母ちゃん!」
「最近、屋敷からちょくちょく魔力を感じると思ったら貴方だったのね?」
あ~、万物創造での魔力の発動を感じ取っていたのか…。
たぶん、1度に大量に食料を出した時にでも彼女の魔力感知が反応していたのだろう。
仕方ない…。
「俺に敵対するなら容赦しないぞ?アンタに俺は倒せないだろう?」
ちょっと殺気を込めてみる。
「クッ!確かにね…。」
「レイライン!そこまでだ!彼は私の客人だ。彼は敵ではないし、我々に危害を加えたりはしないぞ。私が保証する。」
「分かったわ、バルム。ここは貴方の顔を立てるとするわ。」
「ありがとう、レイライン。ヨシタカ君、彼女はレイラインだ。見ての通りエルフでね。私の曾祖父の代から魔法士団で副団長をしている。」
ほえ~、ひいじいちゃんの代って事は何十年間副団長をやってるんだ⁉
「実力的にも人望的にも、団長で構わないと思うのだが、レイライン自身が拒むのだよ。」
「当たり前よ、私がこの国を離れる事にでもなったらどうするのよ?」
まあ、レイラインの考えの方が正しいよ。
何十年も団長をやっていれば、確実にレイラインが子爵領の象徴的な存在として君臨する事になるだろうし、周囲もレイラインの存在をアテにしてしまうだろう。
副団長ってのが折り合いとしてはベターかと思う。
実力的には魔力量も多い部類に入るし、風魔法と聖魔法の両方が中級の熟練度である事を考えれば結構な実力者だな。
エルフを含め、長寿種族は成長が緩やかで若い時期が長いが、レベルが上がりにくい欠点がある様だ。(上手いこと帳尻を合わせているね)
そのハンデがありながらのレイラインのレベルは39なのだから、数々の戦闘を経験してきたのだろう。
たぶんだが、団長の方が弱いんじゃないか?
「それと、後ろにいるのが魔法士団のシュウとユインだ。この3人は聖魔法を得意にしているので、今回の派遣に選んだ。そうそう、ユインはレイラインのひ孫だよ。」
「孫じゃないんですか?」
「ひ孫です!お祖母ちゃんったら、ひいお祖母ちゃんって呼ばれるのが嫌なんですよ~。」
まあ、レイラインは162才とはいえエルフだ。
エルフの寿命は300~400年らしいので、レイラインの見た目は人族で考えれば30代前半といったところだろう。
エルフとしてはまだ若いのに、ひいお祖母ちゃんと呼ばれるのは女性として受け入れられないモノがあるのかもしれない。
「あの~、ヨシタカさん、その頭の上にいるのって…。」
ぴょん
「キャア‼」
「スライムか!」
「スライムなんか連れて!やっぱり危険なヤツじゃないの‼」
レイラインとシュウが構える!
「カ、カワイ~!」
「「えっ⁉」」
「ちっちゃくて可愛い~♪テイムしたんですか?」
ユインは背伸びをしてエリアスを間近で見ようとしてくる。
俺との身長差は20㎝程かな?近くで見上げても見えないようだ。
エリアスをユインの手に乗せてやる。
「エリアスっていうんだ。ちゃんと言葉を理解してる賢いスライムだよ。」
ぴょん!
「可愛い~!スライムって賢いんですか?」
「さあ?俺はテイマーじゃないから詳しい事は解らないけど、エリアスはその辺のスライムよりも賢いスライムだよ。な?」
ぴょん
「ほらね。」
「ホントだ~!」
「どうやら本当みたいね。」
「子爵様、レイライン様、そろそろギルドに向かいませんと…。」
「おお、そうだった!それでは皆、無事に戻ってくるんだよ?それとレイライン、ヨシタカ君と仲良くやってくれたまえ。」
「彼次第ね。」
「よろしく。」
その後、4人で子爵家の馬車に乗り込み、ギルドへ向かった。
馬車での移動中、ユインはエリアスを放さなかった。
「ねえ、お祖母ちゃん。」
「何、ユイン?」
「私もスライムが欲しい!」




