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第75話:あっ!エルフだ…

力強く跳んだな。


勢いよく深皿を取り込むエリアス。サイズ的には皿の方が大きいが、器用に食べている。


おっ!表面がぷるぷると震えてる。

お気に召した様だな。俺も食べようか。


ズズッ


ふ~、味噌汁の味にホッとするよ。


日本に居た頃はいつでも飲めたし、気に止める様な存在ではなかったから特に感じなかったが、こっちの世界で味噌汁を飲む度に、心が癒される思いだよ。


タナトス様にはちゃんと礼を言いたいな。


パクッ!


うん、お手軽調理のしょうが焼きも美味いね!


市販のタレを使っているから、店で食べるしょうが焼きって感じの出来栄えだ。自分で作っていたら家庭の味に仕上がっていただろう。


この違いは単純だ。手作りの場合は家庭にある普通の調味料を合わせて作るのに対し、市販のタレや一部の飲食店では企業努力と添加物の力でこの美味さを実現しているのだ。

一部の飲食店では家庭で使用する調味量よりも上質な物を使い、店主の技術のみで美味い料理を出す店もあるが、そんな店は少ないよ。


添加物と言えば悪いイメージが広がっているが、身体に好ましくない添加物以外にも、身体にとって害のない天然の添加物もあるので、一概に添加物の使用を咎めるのはどうかと思う。

現代人の食生活において添加物を完全に除外しようとすれば、食べ物の調達が困難になるよ。



しょうが焼きが口の中に残るウチに米をかき込む!


バクッバクッ!


ほー!ウメ~。

オーク肉ってやっぱり俺の知る豚肉よりも旨味が濃いわ。

幾らご飯を頬張っても肉の味が負けてないよ。


ズズッ


タレが染みた千切りキャベツはどうかな~?


シャリシャリシャリ


う~ん、安定の美味さだよ。ご飯ご飯。


久しぶりに作ったひじき煮はどうかな?


パクッ


ははっ、何でだろうな?

昔はこんなモン、大して何とも感じなかったが、美味いよ。確かに美味しい。母の作るひじき煮はもっと美味かったハズだ…。


バクッ!ガツガツ!シャリシャリ、バクッ

ズズッ、バクッ!ガツガツ!ガツガツ!バクッ!




ご飯のお代わりをして、それでも食べ足りなかったので、お茶漬けの素を出してお茶漬けで締めた。

肉料理はご飯がススムね。当然、エリアスもお茶漬けを食べたよ。(よく食べるね…)




◆◆◆◆◆




食事の後、調理場に残ってしょうが焼き・オーク肉の味噌漬け・唐揚げの仕込みをしておいた。

アイテムボックス内は時間が経過しないので、洗い物をしている間に漬け込んで、アイテムボックスで腐る心配が無いので出番が来るまで保管しておく。(思い出した時にでも外に出して味を染み込ませよう)




◆◆◆◆◆




翌朝の朝食はいつもよりも肉っ気が多かった。


いつも通りの焼きたてパン・ベーコンと野菜のスープ・ハムエッグ・蒸し野菜のトマトソースと、ここでの朝食としてはとても豪勢だった。


「おお!今日の朝食は豪華だね♪」

「あら、本当ね。」

「夕食と間違えていません?」

「本当に豪勢ですね。」


どうやら、俺がオーク退治に出発する朝なので、ラオンが激励を込めて豪勢な食事を作ってくれたそうだ。嬉しいね。


「ラオンは色々と君に感謝をしている様だな。この領地の安定の為にも、今回の討伐作戦では頑張ってもらいたい。君には大変な役目を強いるかもしれないが、期待しているよ。」

「ええ、ご期待に沿えるよう尽力させていただきます。子爵、食事の後で少しお時間をいただけますか?」

「ああ、勿論だとも♪」


これで解ってくれただろう。


この地でもそうだが、俺にとっても朝食としてはボリュームのあるメニューだったので腹一杯になった。(もう1度寝たい…)




◆◆◆◆◆




食後にバルム子爵の執務室に移動して、お茶を飲みながら話を始める。


「さっきは君に期待していると言ったが、期待はしているが本音を言えば君を行かせたくはない。」


そんなヒロインみたいな事を言わんでくれ…。


「私の意見として、今回の討伐作戦は準備不足だよ。ラノッツが急ぐ理由も解らんではない。こちらが準備に時間をかければ、向こうの数が増えて上位種の数が増える。最悪は上位種の質が上がってしまい、厄介な事になるだろう。解ってはいるが、準備にあと3日もかければこちらの人数も大幅に増やせただろう…。ギルマスの判断だから仕方あるまい。」

「そう悲観しないでください、子爵。俺が参加するんですから、オークジェネラルが出てきても瞬殺してやりますよ。」


たぶん、俺が本気を出せば可能だろう。周囲を気にしなければ…。


「これも本音だが、君にはこの屋敷から離れてほしくないのだよ…。」


それはもう聞いたよ。


なんか愚痴っぽくなってないか?


「まあまあ子爵、そう言わずに。ラオンにポテチとフライドポテトという料理の作り方を教えましたので、俺がいない間はラオンに作らせてくださいね。」

「そうか!ラオンがポテチを作れるのか♪」

「はい。それと、俺のいない間のお菓子をお渡ししますので、容器をお願いします。」


カラム○チョ・ドンタ○ス・じゃが○こ・プリ○ツ・板チョコ・ハイチ○ウ・キャラメル・色々な飴を大量に例の大きな容器に入れた。

流石に容器がいっぱいになったが、ヘタをすれば1週間以上は戻れないかもしれないので、その辺りも踏まえてこの量を子爵に渡す。飴の舐め方も説明しとかないと。



子爵にお菓子をお渡し終え、そろそろ出発の時間なので玄関に向かう事にした。

魔法士団から派遣する3人も表で待っているそうなので、紹介がてら見送りも兼ねてバルム子爵も玄関に向かった。


玄関から外に出ると馬車が待機しており、3人の人影が目に入った。


あっ!エルフだ…。

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