第72話:食堂に行くか…
今晩か夜中にもう1話、投稿します。
宜しくお願い致します。
さあ、ガッツリと調理場に籠るとしようか!
バルム子爵とラオンからは調理場の使用について許可を得ている。
その代わり、ラオンには少しずつ食べさせる約束をし、子爵には夕食として食べさせる事にした。
最初に米を研ごう。浸水に1時間はかけたいからな。
今朝の朝食前に土鍋を5つ出したので、合計6つの土鍋で4升弱の米を炊く。
米はさっき20㎏も出したから、当分の間はもつだろうな。
ドンドン料理を作っていこう。
先ずはカレーだ、これを晩飯にするので大量に作ろう。
今回は市販のルウを使うよ。カレー粉で作るのではないが、カレー料理を食べさせる約束をしていたからね。
ジャガイモ・玉ねぎ・ニンジン・オークのバラ肉を使う。
バラ肉は薄切りと1㎝、2種類の厚さの肉を用意する。地味に薄切りにするのは大変だった。(スライサーが欲しい)
薄切り肉は旨味を出す為に、1㎝に切った肉は具材としての役割がある。
1㎝に切った肉は軽く下茹でして余分な脂と灰汁をとっておく。
その他の具材はパッケージ通りに調理して、カレールウを入れる前に下茹でしたバラ肉を入れる。
後はルウを入れて少し煮込んで置いておく。
本当はもう少し手を加えて作りたかったが、まだまだ料理を作る事を考えれば今日のところは妥協しておく。
カレーやおでん等の煮込み料理は料理が冷める時に味が染み込むからな。完全に冷めてからもう1度火を入れるのが俺のやり方だ。
その他の後はレトルト調味料を使って料理を作っていった。
麻婆豆腐・麻婆茄子・麻婆春雨・青椒肉絲・酢豚・回鍋肉・八宝菜、流石に具材と合わせるだけと言ってもこれだけ作れば1時間もかかった。
出来た料理は少しずつラオンに食べさせたが、どれもその美味さに衝撃を受けていた様だった。
途中でエリアスが頭の上でそわそわしていたので、シウバで買ったパンを食べさせたが俺もハラが減ったな。
作った料理は速攻でアイテムボックスに仕舞ったから出来立ての状態をキープしているが、これをおかずに昨日炊いたご飯を食べようか。
米を炊く準備をしていた土鍋を火にかけて、様子を見ながらメシにする。
大きめの皿に、さっき作った料理を盛ったらエライ事になったよ。
一言で言えば、中華バイキングで張りきり過ぎた感じかな?どれも中華料理だったね。
このレトルトタイプはハズレがないから安心だ。
「エリアス、メシにしようか。」
ぴょん!
◆◆◆◆◆
どれも美味かった~。
エリアスも喜んで食べてたのが分かった。言葉は話せなくても、動作で判別出来るからそれだけで充分だ。
ヘタに1から調味料を揃えて自分で作るよりも、簡単で美味いから良いよね。
おっと!そろそろ米が炊けたな。次の土鍋を火にかけよう。
これを含めて後2回も米を炊くから、段取り良く動かないとな。
俺はコンロを2口使わせてもらっているが、これ以上は俺のキャパを越えそうだからこれでいい。
米を炊いている間に、これから作る料理の下拵えをしておこう。
◆◆◆◆◆
土鍋6つ分の米が炊けたので、蒸らし終えた分から土鍋のままアイテムボックスで保管だ。
もう15時を過ぎている、仕込んだ分は絶対に終わらせよう!
気合いを入れて調理を再会する。
きんぴらごぼう・ひじき煮・ゴーヤチャンプルー・ウイングバードの唐揚げ・オークの唐揚げ・ありったけのモツを使ったモツ煮込み・肉じゃが・筑前煮を作った。
肉じゃがを作ろうとした際、牛肉が無いことに気付き作るのを止めようかと思ったら、ラオンがグレートホーンという牛型の魔物の肉を分けてくれたので助かった。
俺は関西出身なので、肉じゃがには牛肉しか使わない!(豚肉派の人、ごめんなさい)
揚げ物を作った後にラオンにはポテチとフライドポテトの作り方を教えておいたので、俺のいない間はラオンに子爵のお菓子を作ってもらおうか。
モツ煮込みをもう少し煮込めば終わりだな。
「ヨシタカ様、夕食の準備は如何でしょうか?旦那様が夕食を始めたいと仰っておられます。」
バトラか、もうそんな時間だったな。とっくに18時を過ぎていたわ。
「分かった、仕上げに入るから後10分くれ。それと、食堂に仕上げをする為の台を用意しておいて欲しい。」
「はい、旦那様にお伝えします。」
仕上げなんて嘘だが、今日作った料理は全てを大量にこさえたので、こっから見繕って野菜サラダを追加すれば十分だろう。
野菜サラダを急いで作ろう!
食べ慣れないカレーライスの口直しには生野菜のサラダがいいだろうね。
千切りキャベツ・レタス・きゅうり・トマト・缶詰めのコーンを皿に盛れば出来上り。サラダで5分も使ってしまった。
サラダさえ作ってしまえば後はどうにでもなる。
めんどくさいが約束は約束だ。食堂に行くか…。