第57話:めっちゃ計画的やん!
皆様、いつも【いわゆる異世界転生】をお読みいただき、誠にありがとうございます。
この作品の投稿を初めて1ヶ月が経ちました。
皆様の感想やブックマークを励みに1ヶ月の間、投稿を続けてこれましたが、今後も皆様に少しでも楽しんでもらえる様に、そして私自身が楽しんで執筆できる様に頑張っていきたいと思っております。
この第57話は20時の投稿に間に合わせる為に短い内容となりましたので、明日の朝までにもう1話投稿したいと思っています。
今後とも皆様、宜しくお願い致します。
「貴族の屋敷ってスゲー!」
「これぐらいの事でいちいち驚いてどーするんだ。」
「でもよーアニキィ~、やっぱ貴族の屋敷ってスゲーよ。」
「まあ、普通の庶民からしたら仕方ないのか。」
「そーそー。このあとどんな飯を食わしてくれるんだろー?」
「普通の飯だよ。」
「そんな訳ないじゃんかよー。子爵様だぜ?楽しみだな~。アニキに付いてきて良かったよ♪」
「お前への試験は明日からだから、今日は腹一杯食ってユックリ休めよ。」
「わかったよ‼」
風呂に入ってサッパリしたからか、カルロは気合いに満ちていた。
◆◆◆◆◆
食堂に行くと、ニードラング家の人々はもうすぐ食事を終えようかというタイミングだった。
席につくと料理が運ばれてくるが、先ずは風呂上がりの喉を潤したい。
瓶ビールを出して、グラスに注ごうとしたらバルム子爵が大きな声を上げた。
「ヨシタカ君!それはビールか⁉」
「そうですよ。風呂上がりに先ずは1杯、と思いましてね。」
トクトクトクトク
ゴクッゴクッゴクッ!
「かはぁーーーーー!」
「ゴクッ。す、すまないが、私にも1杯貰えないかな?」
「ヨシタカさん!私にもください!」
「構いませんよ、どうぞ。」
トクトクトクトク
「「はーーーー!」」
「なあアニキ、何を飲んでるんだい?」
「ビールって言う俺の故郷の酒さ。飲んでみるか?」
「飲んでみるよ、1杯おくれ。」
夫人達も飲みたそうだな…。
「夫人達もいかがですか?」
「ええ、いただきます。」
「はい。」
おっ、今日のメニューはミネストローネっぽいスープにチーズが載ったカボチャの蒸し料理か。
これはワインが欲しくなる。
「げぇ!これエールじゃんか!」
「カルロ君これはエールよりも、ずっと上質なビールと言う酒だよ。」
「オイラには酒の良さが解らねーよ。」
「勿体ないですね、この美味しさが解らないのは。」
「まあその内、飲める様になるだろう。こっちを飲んでみな。」
ビールの代わりにサイダーを注いでやる。一緒に女の子2人にもね。
「ゴクッ!甘え~。これはウメエよ!」
この大陸では成人、つまり15才から飲酒が認められる。
やはり15才で成人と言っても、地球では中3か高1の学生だ。酒よりもジュースの方が良いのだろう。
カボチャの甘味とチーズのコクが美味い。組み合わせが上手いな。
「このスープ、具が沢山でウメエ。」
「チーズがトロトロじゃんか!」
カルロは随分と食事に興奮していた。
結局、俺とカルロが飯を食べていた横で、子爵達はビールやジュースを飲んでいた。
そうそう、今日のメイン料理の1品でソーセージが出たのだが、ラオンの手作りだそうだ。
ファンタジーのイメージ的にはソーセージや腸詰めはポピュラーかと思うが、こっちでは贅沢品に分類される。理由はソーセージ作りにはコショウやクミン、ナツメグといった香辛料を使用するからだ。
今日のソーセージは燻製をしないタイプだったので、肉を食べている感じが強くて、とても良かった。
食事をしながら、カルロが冒険者になってからの半年間の出来事を、俺と子爵家の人達は楽しげに聞いていた。
Gランク冒険者は新米どころか、見習い冒険者という扱いらしく、Gランクの間に文字の読み書きや戦闘訓練、魔物の解体を始め冒険者としての知識を教わりながら、街中の雑用的な依頼をこなしていたらしい。
Fランクに上がる為には最低限の戦闘技能が必要らしいが、カルロは今後の人生の為にも読み書きを始め様々な講習を受けれるだけ受けて終えて、昨日Fランクになったそうだ。
(カルロって、めっちゃ計画的やん!)