第48話:あとは金額だな
本日の1話目です。
分量は多くはないですが、キリが良かったので投稿します。
宜しくお願い致します。
「他の件も片付けておかないかい?」
「他の件…ですか?」
他って確か、カレー料理を食わせろ、と、皆に内緒でお菓子くれだったよね。
「そうだ。レグナール公爵の元に発つまでには半月程あるが、これから色々と準備もある。それまでは君もここにいて欲しいし、この件は私にとっては大事な問題なのだよ。」
カレー料理やお菓子がそんなに大事か?
「わかりました。カレー粉に関しては、10本でいいですか?」
「逆に訊くが、どれだけなら融通してくれるのかね?」
難しい事を訊くな。
別に幾らでも用意することは出来るが、乱用し過ぎて制限がかかったら嫌だ。
幸い、バルム子爵は悪い人ではないので、個人的には多めに譲ってもいいと思うが…。
「15本ですね。故郷を出る時に、香辛料は金になると言われて多めに持って来ましたが、これ以上は俺の分が無くなります。」
「15本かね!」
「少ないですか?」
「いやいや、十分だよ。そうか、15本か。フフフ。」
ちょっと気持ち悪いな。
「カレー料理に関しては、こちらでお世話になっている間に料理を1、2度作ればいいでしょうか?」
「そうだね。それで十分かな。」
「そうですか。お菓子の件ですが、こちらは難しいと思います。」
「何故だ⁉」
ガバッ!!
ビックリした~。急に立ち上がらんでくれ!
「俺はアイテムボックスで保管していますが、子爵はどうやって保管するのですか?お譲りしたら、日持ちはしませんよ?」
「どれくらいならばもつのかね?」
「だいたい1日や2日ですね。それ以上は味が落ちたり、状態が悪くなります。」
ポテチやポ○キーを袋や箱ごと渡す訳にはいかないだろう?
中身だけで子爵に譲るなら、その日の内に食べきって欲しい。ちゃんと密封して保管すれば、3~4日ならばもつかもしれないが、この地でどれくらいの密封容器が手に入るのかわからない。安全マージンを考えて、1日や2日が妥当だろう。
「1日や2日か…。」
「そうですね。その場合でも、出来るだけ密封して保管すればの話です。」
「容器に関しては、明日にでも手に入れよう。それで問題無いだろう?」
「そうですね。2日以内に食べきるか、処分すると約束していただけるなら。」
「わかった、約束するとも。必ず食べきる!」
「そういえば、ポテチに関しては手作りが出来ると思うので、ラオンに作り方を教えておきますね。」
「ウチで作れるのか⁉」
「ええ。手作りなんで俺が持っているポテチと同じ味に届くかわかりませんが、ある程度の再現は可能でしょう。味は3種類ですかね。」
「そうか、そうか。ポテチは作れるのか…。」
バルム子爵は1人で深く頷いている。
実際にポテチは作れるに決まっている。
ジャガイモを薄くスライスして、油で揚げるだけだ。
塩・黒コショウ・カレー粉で味を付ければ問題も無い。(のり塩やコンソメに関西だし○ょうゆ等は難しいと思う)
ラオンに100均で買えるようなスライサーを渡せば作れるさ。
ちなみに、調理用の油は出回っているが、揚げ物料理はレパートリーが少なくて食べる機会が殆ど無いらしい。
考えてみてくれ、塩の味しかしない唐揚げなんて美味くないだろうし、フライ物だって調味料が無いのだから味気無いだろ?
だから揚げ物料理は人気が無いとラオンが教えてくれた。
「では、込み入った話をしようかな。」
これ以上、どんな話があるんだろうか?
「ヨシタカ君、単刀直入に言うが、」
何だ?次はどんなオネダリだ?
「双六とオセロの販売の許可を貰えないかね?」
えっ⁉そっち⁉
「私は思ったのだ、双六とオセロは面白い。ルールがシンプルだから万人受けするだろう。双六やオセロに比べれば、レーティングボードなんて貴族がする自己満足のゲームだよ!」
そこまで言うか。
よっぽど気に入ったのか、レーティングボードが嫌いだったのか…。まあいい、【貰えないか】と言うことは金銭が発生する。
まずは条件を聞こうか。
「バルム子爵、譲る際の条件を聞きましょうか?先ずはそれからでしょう。」
「当然だな。私が提示する条件だが、双六とオセロを製造及び販売する権利を譲って欲しい。金額は白金貨30枚だ!」
白金貨30枚?
え~っと、金貨の上が大金貨で、その上が白金貨だろ?
白金貨30枚で大金貨300枚だから~、金貨になおすと3000枚⁉
日本円で3000万円?!
マジか⁉
いや、待てよ。
日本でも大ヒットした玩具の権利を丸々譲って3000万円は高くないと思う。…寧ろ安くないかい?
しかし、著作権みたいに1個売れたら幾らか貰うよりも、手っ取り早くて良いかも知れない。
あとは金額だな。