第47話:他の件も片付けておかないかい?
本日の2話目の投稿です。
この話で、投稿文字数が10万文字を越えました。何だかアッという間で実感はないですね。
本日の24時に【日常のグルメ】最新話が公開されます。
よかったら覗いてみてください。
宜しくお願い致します。
「昔の話はまた今度にしてだ。ヨシタカ君、今日の食事について話をしたい。」
「でしょうね。」
「先程のラオンの感想はもっともだ。私自身が先程の料理には大変驚かされた。醤油とは一体、どんな物なのかね?」
どんな物なのか?か…。
「以前お話したでしょう?俺の故郷では最も親しまれている調味料ですよ。大豆という豆を使って作られます。魚醤は魚を発酵させて作られますが、醤油は豆を発酵させて作ります。材料が豆なので変なクセがなく、肉や野菜、魚にだって合うのです。」
そう言って小皿に醤油を注ぎ、子爵に差し出した。
子爵はそれをひと舐めして唸った
「見た目は魚醤に似ているが、確かに魚醤の様なクセは感じられんな。それにしても、先程の料理は美味だった。全て醤油のおかげなのかい?」
「いえ、バルム様、それは違います。」
「どういう事だ?ラオン。」
「私は彼の調理を間近で見て、指南を受けましたが、醤油も然ることながら彼の調理技術が一流でした。」
そんなに褒めるなよ。テレるだろうが♪
「そうか…、確かに昨日のカレー粉を使った料理も美味かったが、ヨシタカ君の料理の腕も良かったのだな。」
「ヨシタカさんがここに来るまでに作ってくれた食事も美味かったですよ。」
「わかった。ヨシタカ君、今日の食事もありがとう。少し私の部屋で話そうか。バトラ、お茶を頼む。」
「かしこまいりました。」
「行こうかね。」
「わかりました。」
2人で子爵の執務室に入り、昼間にベルハルトと街で食べた料理について話していた時に、バトラがお茶を持ってきた。
子爵も若い頃は串焼き片手にエールを飲んでいたそうだ。(らしいね)
お茶を飲んで落ち着いた頃、バルム子爵が話し始めた。
「ベルハルトから聞いたのだが、商業ギルドにカレー粉を売るそうだね。」
子爵からいつもの圧力を感じだした。
「ええ、こっちでのカレー粉の価値を計る為にギルドに行きました。結果的にはあちらの担当者の不手際で、高値で買い取ってもらえる事になりましたね。」
「そうか。ところで、ヨシタカ君、……」
沈黙が襲う。
「私の分はあるんだろうね?」
…はい?
「子爵の分ですか?」
何の事だ?
「…私の分だ。」
子爵の分?
「…私のカレー粉だ!」
それかよ‼
「10本も売るのだろう?私に譲ってくれる分はちゃんとあるんだろうね?」
何の心配をしてんだこの人は!
「水臭いぞ、10本で金貨1000枚くらいならば私が買い取る。わざわざギルドに売らんでもいいだろう?考え直さんかね?」
そんなにカレー粉が欲しいのかよ!
っていうか、普通に考えてカレー粉10本で金貨1000枚っておかしくないか?
「落ち着いてください、バルム子爵。カレー粉はまだあります。それにさっきも言ったでしょう、価値を計る為だと。今回の取引が成功すれば、1瓶で金貨100枚程の価値があるとギルドが認める事になります。比較的、香辛料が手に入りやすいこのニードラングの街で、ですよ?」
「そ、そうか。ギルド側の利益を乗せて離れた場所で売れば、1瓶で金貨200枚はくだらんだろうな。」
「そーゆー事ですよ。見栄っ張りな貴族にでも吹っ掛ければ、ふざけた金額に化けるかもしれないですね。」
正直、こちらの金銭感覚がハッキリとはわからんし、貴族社会の事もイマイチだが、落ち度があったとはいえ、商業ギルドのギルマスが塩・コショウ・カレー粉を10本ずつで金貨1500枚を出すと言ったのだ。売り捌く算段があるハズだ。間違っても赤字覚悟ではないと思いたい。
「安心してください、バルム子爵。ちゃんと子爵に譲る分は取ってあります。」
これは本当だ。
俺の最大魔力は魔力強化のおかげで247もある。更に魔力回復強化の恩恵で、1日に回復する魔力の量は480だ。
魔力量だけ見ても、既に一流の魔法使いを越えている。それに加えての回復量だ。能力値だけなら無双も近い。
クラウちゃんに貰ったスキルが、戦闘に特化したものばかりだったと、今更ながら思う。(調教以外)
有り余る魔力が勿体なかったので、魔力に余裕がある時に、コツコツと食べ物や調味料を出す様にしていた。
勿論、明日の取引分の品も準備しているし、子爵に譲るカレー粉だって用意してある。
後は今日の昼に買った瓶に詰め替えるだけさ。
「それを聞いて安心したよ。昨日、個人的に頼んだ内容は覚えてくれているかい?」
「ええ、覚えていますよ。現に双六とオセロはお譲りしましたよね?」
「そうだね、ありがとう。この際だ…」
「他の件も片付けておかないかい?」




