表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
44/125

第43話:ありがとう万物創造!

本日の1話目です。


このペースで執筆をすると、20時には間に合わないと思うので、時間は確約出来ませんが本日中にもう1話投稿します。


宜しくお願い致します。

3本の瓶を出した。


中身は塩・白コショウ・カレー粉だ。瓶は子爵邸で使ってなかったのを貰った。


「塩と香辛料ですか…。味と香りを確認しても宜しいですか?」

「どうぞ。」

「失礼します……………」

「ヨシタカさん、香辛料はわかりますが、塩をこんな場所で売るのですか?」


ベルハルトの疑問は当然だな。


ニードラングの街は海に近く、近隣の町や村では塩田が盛んだし、塩はニードラング領の特産品だ。

ニードラング領内では塩は安価で手に入る。ほかの領地に比べればとても安いらしい。

そんな物を敢えて商業ギルドで査定する事に意味があるのか、と問うているのだ。


勿論意味はある。


いくら塩田が盛んで塩の値段が安くとも、その製造法は日本のモノに比べれば原始的だし、精製の精度が違う。

ミネラルの含有量はこちらの塩の方が多いかもしれないが、だからこそ日本の一般的な塩の価値が知りたかった。


ヨーゼスは瓶の蓋を外して、中身を紙の上に移して香りを確かめる。

その後、それぞれを一舐めすると真剣な面持ちになり 、考え込んだ。


「少しお持ちいただけますか?」

「わかった。」


暫くお茶を飲みながら待つと、ヨーゼスと身なりの良い初老の男性が部屋に入ってきた。


「お待たせして申し訳ありません。こちらは当ギルドのギルドマスターです。」

「失礼します。はじめまして、ヨシタカ様。ギルドマスターをしております、ナフスと申します。ベルハルト様もご無沙汰しております。」

「ナフス殿、こちらこそご無沙汰しております。突然の訪問ですし、今日は唯の付添いですので、お気遣いなく。」

「はい、承知致しました。」


この世界の貴族やギルマスってのは、俺の想像よりも善人や大人しいのが多いのか?それとも唯のタヌキか?


「ギルマスに取り次ぐよう頼んだ覚えは無いが、どうしました?」

「はい、こちらの品を確認したところ、私1人の判断では決めかねるのでギルドマスターに同席をお願いしてまいりました。」


ふーん、直感のスキルを持つヨーゼスが判断出来ないってどーゆー事だ?


「こちらがヨシタカ様がお持ちになられた品ですね。失礼します。」


ナフスもヨーゼスと同じ様に3品を確認していく。


確認が終わると、2人は渋い表情で相談を始めた。


「いかがでしたか?」

「君の言う通りだね。この場は取り敢えず君に任せる。」

「わかりました。」


どうやら話がついたみたいだ。


「皆様、お見苦しいところをお見せして、申し訳ございません。ヨシタカ様、いくつかお訊きしてもよろしいでしょうか?」

「答えられる範囲なら。」

「では、こちらの品々はもっと多くの量をご用意していただく事は可能ですか?」

「物と量によるな。」

「そうですか。次の質問ですが、当ギルド以外にこちらの品を譲られた先はありますか?」

「訊かなくてもわかるだろ?この黄色いカレー粉を子爵家に譲った。金額は…ベルハルト、幾ら出した?」

「金貨100枚ですね。」


よくもヌケヌケと言いやがる。

コイツの内ではこれぐらいの価値があると思っているのか、俺への援護射撃のつもりか…。両方かな?


「父もそうですが、家族皆が気に入りましてね。もっと譲ってくれるようにお願いしているんですよ。」


その辺でいいぞベルハルト。もういい!


「そうですか、ありがとうございます。買取りに関しては条件があります。」

「条件?」

「はい、条件と言っても簡単です。この3品をすべて最低でも5倍の量をご用意してください。出来たら10倍は欲しいところですね。」


成程、ヨーゼスの言い分は正しいな。


どんなに素晴らしい調味料であっても、量が少なければ商品として扱えないという事か。それ以外にも単純に、品質を認めたからもっと欲しいという感じかな?


「わかった、それぞれを10本用意しよう。全部で幾らになる?」

「それは全ての品質を確認し「ならいい、帰るぞ、ベルハルト。」

「金貨1000枚出しましょう。」

「1500枚だ。人をバカにするなよ。」


ヨーゼスが金額の判断を引き延ばしにかかり、俺が席を立とうとしたら、ギルマスが介入した。


「1500枚は多くないですかな?」

「そっちがふざけた事をぬかすからだろうが、買取りの条件を飲んだのに、金額を示さないのは客を舐めてるんだろう?ああ、冒険者を舐めてるのか。」


ヨーゼスは俯いて震えているが、ギルマスのナフスは真剣な面持ちになっている。

大方ヨーゼスは時間を稼いで、買取り金額を相談しようと考えたのだろう。(直感持ちなのにガッガリだ)


確かに金貨1000枚は高いと思うが、正直なところで言うと、ギルドで売却しなくても良いのだ。吹っ掛けるさ。


「今回の件はこちらの落ち度ですな。金貨1500枚でお譲りください。」

「わかった。明日の午前中に持ってくる。」

「わかりました。宜しくお願い致します。」


金貨1500枚か、日本円で1500万円。



ありがとう万物創造!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ