第23話:次は誰に聴こうか
今回と次回は残酷なシーンっぽい展開があります。苦手な方は、お気をつけ下さい。
活動報告に、お知らせと告知を書いております。
よければ覗いてみて下さい。
宜しくお願い致します。
「まずは尋問だ!」
「そうですね。まずは盗賊に話を訊いてみましょう」
「ベルハルト様、今回の襲撃が何者かの差し金として、連中が口を割るでしょうか?」
「詳しい情報を得ることは難しいでしょう。しかし、何者かが私の命を狙っている確証だけでもわかれば十分です」
「えらく暢気だな。自分の命がかかってるのに」
「フフ、こちらにも色々と事情があるのですよ。それに今回の視察は、ある程度の者なら知っている事ですしね」
「その辺には関わりたくないんで任せるよ。捕らえた盗賊はどうなるんだ?」
「貴族の馬車を襲ったのだから、死罪か重犯罪奴隷だ」
奴隷か。情報としては知っていたが、改めて日本との違いを実感する。
「そうか、尋問中に死んでも問題無いな。俺に任せてもらえるか?」
「構いませんが、あまり無茶はしないでくださいね」
「善処する」
ゴブリン等の魔物を倒し、盗賊を殺した事で、何かを吹っ切れた様な気がして尋問をかって出た。
拘束された盗賊のもとに行くと、4人が後ろ手に縛られ正座していた。(ザ・罪人)
よし、始めるか。
4人を見ると1人だけ、装備が良く40代くらいの男がいたので、そいつは後回しだ。
1番近いヤツから始める。盗賊Aと呼ぼう。
「お前らは盗賊か?」
「知るか!」
「正直に答えてくれたら命は助けてやるから、答える気になったら答えてくれ」
そう言って、俺の頭の上にいたエリアスを盗賊の頭の上に置く。盗賊Aはちょっと臭かった。(ごめん、エリアス)
盗賊Aやベルハルト達も訳がわからず、顔を見合わせる。
「エリアス、さっきゴブリンにやったみたいにするんだ、出来るだろ?」
ぴょん!
すると、だんだんと盗賊Aが苦しみだした。
「い、痛てぇ!頭が痛てぇ!」
「そのスライムは俺がテイムしたスライムだ。生きたまま脳ミソを溶かされて死んじまうから、俺の質問には生きてる内に、速やかに答えてくれ」
そう、この方法こそ非力なエリアスのパワーレベリングの為に考えた、敵を倒すやり方だ。
手順は至ってシンプル、弱らせたゴブリンの心臓や頭の上にエリアスを置き、溶かして相手を殺す。
どう考えても残酷だが、こんな方法しかなかった。
パーティーを組んでいれば、俺が魔物を倒しても仲間に経験値のおこぼれがあるが、それほど多くはない。
やはり、エリアスが止めを刺す方が効率が良かった。
痛みに苦しむ盗賊Aが、焦った様に喋り出す。
「俺達はこの辺を縄張りにしてる盗賊だ! 助けてくれ~」
「エリアス、ストップだ」
ぴょん!
「お! 頭の骨が見えてるぞ、死にたくなかったらさっさと喋れよ。どうしてこの馬車を襲ったんだ?」
「お、お頭にこの馬車を襲う様に言われただけだ! 嘘じゃねえ!」
「お頭ってのは誰だ? エリアス」
ぴょん!
「グァ! 助けて! 俺の隣にいるのがお頭だ!」
やっぱり年配のヤツが盗賊のリーダーか。ソイツに尋ねる。
「こう言ってるが、お前がリーダーか?」
「ち、違う。ソイツは助かりたいから嘘を言ってるんだ」
「お頭! 助けてくれ! 死んじまうよ!」
ずっと頭を溶かされている盗賊Aは、半狂乱になりながらリーダーに助けを求めるも、見捨てられたようだった。
暫く苦しみ、悶えていた盗賊Aが事切れて倒れた。
うわ~、変な液体が頭から漏れてら~。
「次は誰に聴こうか」