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第120話:誰にって、わかるだろ?

皆様、一昨年から投稿させていただき、誠に有難う御座います。


宣言通り、今年最後の投稿となりますが、年明け以降は週2ペースでの投稿を頑張りますので、宜しくお願い致します。

「また答え難い事を訊きますねー」


「だから訊いたんだろ? ここまで俺1人で何体のオークや上位種を倒したと思ってる? 新人冒険者として興味を持ってもおかしくないだろ?」

「新人冒険者としての疑問にしては、答え難い内容ですよ」


まあ確かに今回手に入れたオークは冒険者から買い取ったものではなく、オレ達冒険者が倒したオークを一旦ギルドが総取りする分、通常のルートよりも儲けが出る事だろう。


「ヨシタカさん、通常ギルドが払うオークの討伐報酬はこの国の全ギルド共通で銀貨1枚、オークリーダーで金貨1枚、オークジェネラルで金貨20枚、オークキングは金貨50枚となっています。討伐報酬は魔石との交換が必要ですから、討伐報酬イコール魔石の価値になります。この魔石からギルドは1割から3割の利益を得ます」

「それで?」

「オーク系の魔物は美味しく食べれる部位が多いので、オークを討伐して食用部位や活用出来る部位をギルドが買い取る事で冒険者の収入になりますし、そこから更にギルドは2割程の利益を得ます」

「ここまでの内容だけならボロい商売だな?」

「ええ、今話した内容だけならそう聞こえるでしょうね。ギルドを運営するにあたり、職員の給料や運営費に冒険者の年金や遺族年金の積立金にあてられます」

「え! 冒険者って年金出んの?」

「知りませんでしたか? Cランクからですが、ギルドを通しての活動中に大怪我で冒険者を続けられなくなったり、死亡した場合に限り本人又は残された家族に一時金が支払われます。あくまでも一時金としての金額ですが、贅沢しなければ1年は生活出来る金額です。」


体1つで飛び込んで実力で成り上がる世界にしては手厚いな!


「ここからが本題ですが、今回討伐しているオークを原価がかかっていないと考えて、今後ウチの利益としてはオーク1体で金貨10枚、オークリーダーで金貨25枚、オークジェネラルに関してはそもそも討伐の機会が少なくて幾らで捌けるのか想像が出来ません。商業ギルド側も貴重なオークジェネラルがこれ程良い状態で複数体手に入るので気合いが入っている様です」

「やっぱりオークリーダーやオークジェネラルって美味いのか?」

「私は食べた事がないですが、オークリーダーでさえ通常のオークよりも格段に美味と聞きます。オークジェネラルならどれ程美味しいんでしょうかね? 私の様な庶民には関係ない事ですし、領都であるニードラングとその周辺は治安が良くて、お金持ちも多いと言われています。商業ギルド側も高値で売り捌く算段をつけてるんじゃないですか?」

「分の悪い賭けをする連中じゃないだろうな」

「でしょうね。商人は一応のところ商業ギルドに所属していますが一枚岩ではありません。個人があっての商会で、商会運営をスムーズに行う為にギルドという体をなしているだけの集団です」


身も蓋もなぇな。


商業ギルドのギルマスであるナフスと肩透かしを食らったヨーゼスにそんな感じはなかったが、彼等はあくまでもギルドを運営する側の人間だったという事なのかな。


「そう考えればヨシタカさんに裏でオークジェネラルを確保してもらう話も納得ですよ」

「心配するな。そんな話には乗らないし、俺がチョロまかすとしたら、この討伐戦に参加した全員で食う為だ。それでもチョロまかすなんてセコいことはしないさ。マジで全員が無事に揃って討伐戦を終えたらジェネラル食おうぜ!」

「私の一存で決められる事じゃないですよ」

「ならレグに相談するさ」

「お任せします。……当初想定していた以上の数のオークと上位種が確認されていますが、初日とはいえ100体以上のオークを倒して全員が無事に帰ってきました。レグさんみたいに前線で戦えない私からしても、さっきの火魔法を見ればヨシタカさんの凄さはわかります。貴方の冒険者デビューがニードラング支部である事を私は誇りに思います。その器は私が片ずけておきますので後はお休みください。明日もよろしくお願いしますね」


はにかむ様な笑みを浮かべてニクスが立ち去る。


昨日と今日の戦闘に関して言えば、俺の自分勝手な行動が許されただけだし、エリアリフレッシュヒールや大怪我をした女性冒険者に使った回復魔法だって自己満でしかない。


俺は何でも熟すスーパーマンではないが、それを演じる事でここに居る連中の役に立てるなら演じてみせるさ。


調子に乗ってドジらない様にしないとな…。




◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆




変なオッサンに捕まり、ニクスとの会話で思っていたよりもテントに戻るのが遅くなってしまった。


(小腹を満たすの忘れてたな)


「エリアス〜腹減ってないか? 俺はちょっと小腹がす「ちょっと遅いじゃないの!」


テントの入り口を開けるなり怒鳴られた…。



誰にって、わかるだろ?

皆さま、良いお年を。

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