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ロボ人おれごん未来の第6作執筆もよう悶々エッセイ  作者: おれごん未来


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第38話 いつかの覚書

 大昔はエンタメといえば劇場まで足を運ばねばならなかったじゃないですか。音楽は生歌、欲しいものは現地で直接購入を。

 やがてテレビが発明され、カセットデッキ、ビデオデッキが出てきて家に居ながらにして音楽や動画が楽しめるように。

 そこから派生してテレビゲームという新しい遊びが。

 やがて動画も音楽もゲームも配信で楽しめるようになって。欲しいものは通販、あるいはサブスクで。

 ずいぶんと急速に時代が変化したものです。


 物語そのものも変わりましたよね。

 木簡が紙に。

 手書きが印刷になって。

 本屋さんで買うものが、クリックすれば配達してもらえるようになって。

 ついには紙から電子へ。お金を出して大切に扱うものから、より気軽な存在へと。


 おれごんは幼少期、学校などの社会からだけでなく、映画やアニメなど物語世界からも学びを得ていました。あの当時の作品には、生き抜く意志や教訓やらがふんだんに散りばめられていたように思います。戦争を生き抜いた人たちが作った、新しい世代への羅針盤たる作品の奔流でした。


 それから月日は流れ、そのような堅苦しいテーマを掲げない気楽な作品が多く登場します。それらは本流に対立する作品として新たな潮流を生みましたが、それらが多数派になってしまうと色々と問題が。

 野党であったからこそ主流反対派としての存在意義があったわけで、自らが与党になってしまうと社会として不都合が生じます。


 もちろん癒しだけを与える物語だってあっていいはずなんです。しかし市場全体がそればかりでは。ガンダムまでが決闘をはじめ、まじめに戦争しなくなる始末。

 ひとつひとつの作品がどうあれ、業界全体でみれば未成年を未来へと導く作品群であってほしい。それは小説であっても映画であってもアニメであっても。


 かつての作品はどうでしたか。

 主人公は強くあろうとし、世界を守っていました。

 今はどうですか。

 主人公は強くあろうとし、自分の身の回りを豊かにすることに粉骨します。それで世界が救われればヨイショでわっしょい。


 もちろんそのような作品だってあっていいのです。むしろあって然るべき。しかし全体がそればかりであってはなりません。

 そもそもがんばれない日には栄養剤を補給して臨むような社会です。そのような場所で日々戦い続けるには癒しが必須。でもね、それ以外に必要なものだってたっくさんありますよ。


 グリッドマンで魂の救済の後には現実へ還るのが必要だったように。


 逆襲のシャアでは、人は分かり合えないけれど、わかり合おうとすることはできると。


 ガオガイガーにはどんな困難にもくじけない姿勢を。


 マップスは、ビメイダー(Be mader。つまりロボですが作中では出自の違う人間)に対する差別を克明に。


 ポケットの中の戦争からは憎しみの連鎖を断ち切る勇気を。


 とどのつまりおれごんが何を言いたいのかというと、ロボを観なさいよと。

 ロボ作品で描かれているのは、日常では描きにくい人間の本性と理性の葛藤。それらを重火器や現実の車輌で描くと過激に過ぎるため、方法論としてのロボなんです。

 本性ってこのばあい本能とも言いかえられますね。生存のため自らに課せられた呪いです。人類以外の生命を奪い、自らの体へ取り込み糧とする。それを制御して初めて人類は人間たるのです。


 自身の周囲の人類は、自らと領域を共にする共同体の位置づけ。石垣であり、家であり、鏡です。これが慈しみや愛の正体ですが、これが弱いと、あるいは強すぎると外側にいる人類のことに関しては庇護すべき範疇から外れてしまう。その局地が戦争です。

 そうして起こる人類同士の諍いをロボの戦いで擬似的に体感させ、そこでどんな学びが得られるかを各作品は私たちに問いかけています。


 癒しは欠かせないんですよ。でもそれ以上に学びも必要です。明日を生き抜く糧を、力を、ヒントを得る。

 東欧のさらに東では実際に争いが起こっています。人類の歴史上、争いが止んだ時代なんてほとんどないんですよ。黒歴史。人類は本質的に分かり合えないから。でもわかり合おうとする努力は有史以前から絶えず続けられています。反発してしまうのが人類なら、和解できるのもまた人類なんです。


 ダラダラと述べましたが、お伝えしたいことはただひとつ。みんなでロボを観ましょうよ。

 伝道師たるおれごんは日々、こう言うのです。


「いや〜、この主役機交代はしびれますなぁ〜」


 2023年3月6日 日本にて  おれごん未来

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