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【やればできるこ】ん、案外できたな【YDK】

4月なのに暑くね。もうちょい抑えて日本くん

3話で収まんなくても切りの良い所までは掲示板回挟まないっスさすがに

生贄として連れ去られた妹の葵を助けるために新宿摩天楼までやってきた俺達。儀式の場所は深層1層だと言うから一気にショートカットをするつもりだったのだが……


「どうした?転移しないのか?」

「……ん、石碑機能してないかも。深層には飛べない」

「じゃあ地道に昇っていくしかないんですかね?」


:石碑機能してないってなんだよ!

:教団ってもしかして技術だけで見たら化け物レベルか?

:かもしれん……コレ本当に3人だけでどうにかできるのか…?


『む?真白、ダンジョンに着いたのかや?気配を感じたぞよ』

(うん。でも石碑が機能してないっぽい。深層には直接は飛べない)

『面倒じゃな。ともすれば地道に昇るしかないのぅ。気を付けるのじゃぞ?道中にも教団の連中はたむろしておるようじゃ』

(葵の様子は?)

『まだ、直接的には何もされておらん。しかし、薬で眠らされておるのじゃ』

(分かった。また連絡して)

『うむ』


一応本当に石碑が使えないのか確かめるだけ確かめてみるか。まずは行き先を下層で思い浮かべてみる……が反応ナシ。中層1層を思い浮かべてみる……やはり反応しないな。しょうがない。地道に昇るか。


「白狐さん、どうします?ここって不思議のダンジョンなんですよね…?」

「そう。時間掛けてられない。ちょっとずるできないか試す」

「ずる…って何する気だよ親友~?」


:ダンジョンでズル…?壁ぶち抜き?

:それ無駄な労力掛かるやんけ!

:ホウちゃんの索敵も意味ないだろうしなー?


「【眷属召喚】カイ」「は~い♡カイちゃんでーす♡主様~、このカイちゃんに一体何をさせようと言うのです~?」

「聞きたいんだけど。ここから階段まで、転移はできる?」

「転移…は無理ですね~。主様はあまり転移の方面は適性高くないですし~?で・も・~?主様の魔力量なら私を憑依すればおそらく……空間を捻じ曲げて繋げることは可能かと思いますよん♪階層跨ぎは無理ですが☆」


:オレ…今なんかやばい事実聞いた気がする……

:安心しろ俺もだ

:ダンジョンの概念壊れちゃ^~う


空間捻じ曲げて繋げる……か。まぁご先祖ならそれ出来そうだし俺もやれば案外出来そうだな。試してみるか。【眷属憑依】カイ


カイを憑依してまず初めに俺の位相を半歩ズラして亜空間に身を移す。そして目を閉じイメージする。階段部屋の様子を。……なんとなく見えた位置関係が。んー…こっからどうすればいいのか…この部屋の出口と階段部屋の入り口が綺麗に繋がるように持ってくればいいか。…こんな感じか?


パリィィィン――!


部屋に何かが割れるような音が響いた。俺が目を開けると、空間に割れ目が出来ていた。その向こうの景色に移るのは俺の見覚えのある階段部屋エレベーターが見える


「ん、できた」

「わっ!出口が…ガラスみたいに割れちゃった⁉」

「……これ、階段部屋……っぽい、な?」


:マ ジ で す か … !?

:お、俺は何を見せられているんだ…⁉夢でも見ているのかッ⁉

:白狐さんガ彷徨うトイウ真実ニ到達するコトは決シテナイ

:これがレクイエム、だ


これを繰り返すことで上層は敵に遭遇せず5層まで到達。そして上層ボスなんぞに時間かけられないので瞬殺して中層へと踊り出た。

しかしだ。この調子で深層まで行くのは……面倒だな。何よりバカみてぇな魔力持ってる俺でも流石にきつい。


中層3層に辿り着いた段階で一度休憩を挟むことにした。苦労はしてないにしても強行軍ではあるからな。


「親友大丈夫か?ほい、ハイマナポーション。これ飲めば少しは魔力量回復すんだろ?無茶すんな」

「ん。」

「白狐さん、魔力は残しておいた方が良いと思います。ここからは空間繋げるのやめましょ?」


:そうだぞ!湯水のように魔力を使って黒狐ちゃん助けられなかったらどーすんだこのすっとこどっこい!

:実際今白狐さんちょっと疲弊してるじゃない。これ以上の消耗は避けるべきだわ


「ん、理解はする。でも下層までは駆け抜ける」

「じゃああと最低でも2回はやるってのか。」

「もち。妹は寂しさで泣いてるかも」


:そんなタマかなァ…黒狐ちゃん

:流石にこの状況だし泣いてるじゃないか?


実際今はまだ葵は眠っているだろうけど。ご先祖から連絡来ないし。あとちょい休憩してから出発を……と思ったがお客様がいらっしゃったようで。


「随分泣かせる兄妹愛じゃねぇかッ!カカッ!安心しろやッ!おめぇもおめぇの妹も、誰もかれもみーんなッ!同じとこにッ!送ってやっからなァ!」

「白フード!敵ですね!白狐さんはまだ休んでてくださいね!」

「天音ちゃん、俺よか前に出んといてな。守り切れなくなるからさ!」


やってきたのは大剣担いだ白フードの筋肉ダルマ(大男)一人だけだった。白フードの所々に赤色の刺繍が見える。今まで見てきたやつにそういうのはいなかったから幹部格ってやつか。


:いかにも幹部っぽいぞ!

:で、幹部何人いるんスか?それ次第で呼称変わるんすけど


「まァそういきり立つなや取り巻きどもッ!テメェらにもサプラーイズッ!ってなもんがあんだからよォッ!」


男がそう言うと結晶のようなものを取り出し砕いた。すると壁や床が赤く光り始めどんどん魔物が召喚され始めた。元々このダンジョンに出現していたマシン系の魔物だけじゃなく、動物系、植物系も混ざって出現している。


:おいおい!ここは階層の入り口!こういう場合はここは安全地帯だろ⁉

:この感じ…モンスターハウスだ!意図的に引き起こせているのか⁉


「すげぇ技術だよなァッ⁉ダンジョンのどこでもッ!たちまちモンスターハウスに変えられちまうんだからよッ!」


ここは天音ちゃんに任せるか。フウを召喚して風属性のサポートはするけど。


「【眷属召喚】フウ」「イッツミ~、フーウ~!れっつぁごー」

「フウ、天音先輩を援護して」「名誉サポーターフウの活躍ごらんあれ~」

「ってなわけで、先輩。ここの戦闘、任せてい?」

「!…分かりました!やってみます」


「おいおいお~いッ?狐野郎、オメェが俺様の相手をッ!すんだよなァ~?」

「しない。お前は天音ちゃんが倒す」

「ハッ!舐めんじゃねぇよッ!そんなメス如きにッ!何が出来るッ⁉オラァッ!【大地爆牙】」


男が剣を一振りすれば土の狼の咢がいくつも生成される。……確かに強い。普段の天音ちゃんなら敵わないかもな。でも今はフウのサポートもついている。何よりも……天音ちゃんもまた、葵が生贄にされかけていることに怒りを抱いている。


:天音ちゃん、怪我しないで!

:勝てないと思ったら白狐さんにバトンタッチ!だよ!


「私、これでも怒ってるんですよ。白狐さん程じゃないですけど。友達が目の届かないところで大変なことに巻き込まれて!生贄にされかかっていて!貴方たちのような大人の陰謀に勝手に彼女を巻き込んで!!その怒り、全力でぶつけますからね!中級魔法【風爆陣】」


天音ちゃんを中心に風を凝縮した爆弾が円環を成して浮かび上がり、それらが土の狼にぶつかるたびに狼の方を打ち消して召喚された魔物を巻き込んで爆発していく。風爆陣って本来はこんな円環軌道を描いたりしないんだけどな。フウの影響でまず魔力効率が上がっている。そこに彼女の怒りと呼応して威力が上昇しているのだ。


「白狐さん!フウちゃんすごいです。いつもよりも魔法の行使がスムーズに行けます!」

「ハッ!ちったァやるじゃねぇかッ!けど遅ェッ!これでしまいだぜッ!」

「!」


:天音ちゃん、逃げてー!

:でぇじょぶだ!白狐さんと友人Aニキを信じろ!


男は目にも止まらぬ速さで天音ちゃんに肉薄し、大剣を振るう。刃が揺らぎ、砂が零れている。質量で押し切るつもりだろうな。


「誰か忘れちゃいませんかっての。【仁王立ち】!お前の攻撃はすべて俺の方へ向かうの術、だぜ!」

「友人Aさん!助かりまず!フウちゃん!」「りょーかーい。まほーしんかー」

「上級【風神の吐息・華】!」


攻撃の軌道が無理やりズラされ男が態勢崩したその一瞬の隙をついて天音ちゃんはフウによってさらに強化された【風神の吐息】を放った。


ただ巨大な竜巻を引き起こす風神の吐息がこの場においては花開くように多角的に同時に男を襲う。通常の者よりも攻撃範囲が拡大している。その上で大本が同じであるために威力の減衰がなされていないのだろう。雑魚ごと圧倒的な風の暴力の中に閉じ込めた。


:なんだこれ⁉風神の吐息だよな?

:魔法って…進化するのか…?

:魔法は術者の感情に呼応するらしいぞ。威力に関してはな


魔法が解けると男は地面に叩きつけられた。魔物の残骸の雨と共に。それでも男はぼろぼろになりながらもまだ立ち上がってきた。


「グッ…!クハハッ!やるじゃねぇかッ!舐めてた。舐めてたぜィ……ここまでやるとはなァ!だがッ!今のは上級魔法だろッ!そう何発も連発ゥ…できねぇよなァ⁉」

「舐めてるのは…どっちですか!【風神の吐息】!」

「なにッ…⁉」


男が一歩踏み出すよりも、反応するよりも、何よりも速く、天音ちゃんは【風神の吐息】を放ってみせた。それはさっきよりかは細く、頼りなく見える。けど油断した男をノックアウトするのには十分すぎる一撃だった。腹部に直撃したその竜巻は再び男を巻き上げ…そして地面にたたきつけた。


「ハァ…ハァ…。ふう……勝った~……ありがとうフウちゃん。白狐さんも友人Aさんも。」


:勝った…?

:天音ちゃんが!敵を倒したぞー!

:うおおおー!祭りじゃー!


「ん、俺はなにもしてない。見てただけ。」

「俺も一回攻撃を逸らしただけだけだよ」


:ガチで白狐さんは休憩しつつ見てただけなの草生えるw

:ま、まぁ白狐さんさっきまで散々働いてたし、多少はね?


「でも、お二人がいなかったら私は確実に負けてました。近づかれたとき、目で追うことはできてもそれに体が付いていきませんでしたから。フウちゃんのアシストがなかったら上級魔法連発も出来なかっただろうし……」

「そんなことーな~い。フウは魔力の効率上げただけ~、ほとんどあまねの力~。存分にほこるがい~。いつかあまねも同じことできるよ~になるよ~。風神がほしょ~しよ~」

「フフ!ありがとう!風神様に保証されたんなら、私ももっともっと頑張らないとね!」


:これなら天音ちゃん、最上級魔法使えるようになるんじゃないか?

:そうなったら……天音ちゃんもSランクの仲間入りかもな!

:なんでもいーよ!天音ちゃんが無事だったんだから!


休憩もほどほどに、俺達は葵救出への道のりを再び歩き始める。待ってろすぐ行くからな

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