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【わたくしもさすがに】こうなりゃやけ食いしてやりますわ!【疲れましたの】

ご先祖の警告にされたときには一手遅れていた。俺はついゾンビの出所を考えたせいで敵の蔦に腕を噛まれた。


「へぇ……俺の魔力吸おうって…?こほん。……いいですわ。我慢比べしてやりますわよ!貴方が容量限界を迎えるの先か、私が!限界を迎えるのが先か!勝負ですわ!」


俺が作った土の丸舞台での春虫秋草変異種との戦闘も佳境かと思われた時、なんとやつは俺の右腕に蔦の口で噛みつき、俺の魔力を吸い始めた。もちろんこのまま吸われ続ければ俺は弱り、こいつは逆に馬鹿みたいに強くなってしまうことだろう。


(真白!わっちを憑依するのじゃ!さすればこんなやつには絶対に負けん!)


無理無理。まだ、この階層からの魔力供給が完全に途絶えたわけではなさそうだもん。見てみご先祖。俺との斬り合いに唯一参加してない根っこがあんの。しかも先端はご丁寧に土ン中に潜ってるのが見えてるでしょ。


んでもって多分だけど、下ではこっちと同じようにマンドラゾンビが襲い掛かってきてるんじゃねぇの?ライが今人型になって魔法使ってるっぽい。そんな状況でご先祖憑依したら途端に葵の方が不利になるわ。心配してくれんのはありがたいけどね。ちょいと冷静になんなよご先祖。


(確かに真白の言う通りじゃな。わっちとしたことがいささか焦ってしまったわい)


「おーおー……私の魔力、美味でしょう?しかし……微々たる量しか吸いませんわね?蔦1本程度じゃ吸える量も速度も大したことないのかしら?それでは何時間かかっても私は倒せませんわよ?」


言葉が理解できるかはともかく、煽られてることは理解できるんだなー(他人事)再生の終わった蔦も俺の方に伸ばしてきている。が、流石に見えている攻撃に命中してやるほど俺は甘くはないんだな。


「【眷属召喚】モエ」「お守り致します主殿!【炎壁】」


モエの炎壁によって迫ってきていた蔦は再び再生しなければいけない状態に陥った。ここで俺を倒すことに集中するならば、ワンチャンあったかも?でも、こいつは所詮他者に寄生することでしか生きられず本能以外の判断基準は存在していない。だから俺という脅威の排除よりも自身のボディの再生を優先する。


「モエ、アレの背後に太い根っこが見えますわね?あれを燃やしてほしいですわ。そうすれば……チェックメイト、ですわ。」

「分かりました!このモエ、すぐさま主殿の命を実行しに……主殿!見てください!対象が……燃えています!」

「モエがやった……のではないですわね。なら、葵たちですわね。……バトン、しかと受け取りましたわ。あとは私にお任せなさいな!」


***

(葵side)

「うおおおお⁉倒しても倒してもすぐ補充される~……どーしよっか~……」

「う~ん。それなら……私の結界に光属性を付与できません?そしたらこのおゾンビちゃんズは結界内に入る前に浄化できるはずですよん。そうすれば……妹様なら最後の1本を落とせますよね?」

「んえ?ライちゃんで突破できるんじゃないん?」


:ライちゃんなら根っこくらい簡単に燃やせるっしょ?

:なんかあるんじゃない?火力不足…とか?


「いえ、実は今……主様の魔力が垂れ流しになっているんですよ~」

「戻った~主多分魔力吸われてる~下手に魔力使えな~い」

「え!はぁ!?んのやろ~…!おにぃの魔力を喰いもんにするだと~???ぶっ殺してやる!!」


:白狐さんが寄生されたってことか?

:マジでやばいだろそれ!

@友人A:多分だけど、根っこの最後の一本を消せればあいつは勝負を決めるはずだぞ

:何を根拠にそんなこと……


おにぃが寄生されている……?なら私がッ!おにぃを助けるんだよォッ!フー……結構バンバンバンバン魔法使ったから残り魔力量は……あと3割ってところ。3割どころか1割もあれば十分じゃい!


「まずは結界に光属性付与ォ!【光霧】!」

「ありがとうございま~す!これで……広域円陣結界!」


:おお……光属性の結界ってキレイだな…

:今回の配信急に綺麗な魔法多くなったな。映え狙っちゃったりしちゃってるぅ~?

:映え狙いとかいう白狐さんの配信で一番無縁な要素草


私の光霧が乗っかったカイちゃんの結界の力でここら一帯に湧いて出てきていたマンドラゾンビーズは一斉に浄化されて消えた。そして続々と集まってきていた残りも結界の内側へ入ることはできず、結界に触れると浄化されていっている。これでゾンビーズは気にしないでヨシ!


「そしてェ!セン!もっかい力貸してね!!光属性上級魔法ォ!【光龍彗星】」


光属性上級魔法【光龍彗星】。魔力をかなり消費している今の私に撃てる最大級の魔法だ。光属性の魔力が一匹の龍へと姿を変え(メチャカッコいい!!)敵を飲み込み、天へと還るのだ!喰らった相手は死ぬ!


フー……渾身の勢いで放ったんだぞ~?盛大に!根っこ燃やしておにぃを助けろ~


「おっとと…」

「大丈夫ですか?妹様。魔力の使い過ぎですね。今は主様を信じて待ちましょ♪」

「ナ~イスガッツ~。ライとグータッチ~プリーズミ―」

「へへへ…イエーイ!」


:どんだけ魔力込めたんだこれ……

:白狐さんが打ち上げたこの円柱の太さかなりのもんだぞ?それを平然とグルグル螺旋を描きながら昇ってるんですけど……

:まるですべてが終わったかのふいんきである


***

(白狐さんside)


最後まで残った根っこをモエに燃やしてもらおうと思ったら既に燃えていたでござるの巻。光の龍が咆哮を上げ、根っこを燃やし、ゾンビどもを浄化させながら天へ昇っていく。実に神秘的光景だな(感涙)


葵たちの頑張りに俺も報いないとな。まずは体内の魔力をどんどん循環させて流れる魔力の濃度をあげていく。あえて吸わせる魔力の濃度を濃くするのだ。今までのは薄めたカルピスだったのが急に原液まんま飲ませるイメージになる。

(なんてことするのじゃ~余計にカルピスがうまくなってしまうぞ~)

……そうだった。ご先祖は原液ままのカルピスがぶがぶ飲める人だったね。そういや母さんも。なんだ?大人の女性は皆そうなのか?ま、そんな話はどーでもいいわ。


「――⁉」

「大量に魔力が欲しかったのでしょう?ではどうぞ?原液のまま頂いてくださる?」


咽るかのように急に体を揺らし、俺の腕に噛ませた蔦も撤退しようとする、がしかし!そんなこと許すわけないだろうが。俺は逃げようとする蔦を左手で掴み、さらに魔力を流す。


「もう十分かしら?じゃあ【憑依転換】ホウ」


(ほほう!こやつの水分を抜くんじゃな?)

そそ。水分を含んだ植物は燃えにくいのならば。相手が下手に現実的な生態を押し付けてくるのであれば。その水分を奪って同じく現実的な知識で対抗してしまえばいいじゃない。ってわけだな


水球をいくつも生み出し、こいつの体表に全体的に纏わせる。付着したものの水分を奪うように生成してあるのでどんどんと水分が抜けていく。

(みるみるうちに萎れてきたのぅ)


そして。とうとう元の色つやを失った。これなら存分に燃やせるよなご先祖?

(うむ!ここまで萎れているならばもはや耐火性を発揮することはないじゃろうて)


「ではモエ、燃やして差し上げて?」「了解です!主殿!ハァッ!」


モエの一言と共に蔦から順番に燃えていった。水分を奪っただけあって盛大に燃えているな。そして燃え尽きてドロップ品が落ちるのを見届けてから俺は下に戻った。


「おにぃ!大丈夫⁉寄生されてない⁉どっか怪我とかしてない⁉」

「ええ、してませんわ。まぁ…寄生されかけましたけれど…それを逆に利用させてもらいましたわ」


@ジャッジですの!:先ほどまでは言える雰囲気ではなかったので自重しておりましたが、お嬢様精神を一旦お忘れになりましたわね?途中でかろうじて思い出したのでまだセーフでしたけれど。

:厳しいw

:ひ~ん……

:待て……白狐さんが上に行っている間何の音声も聞こえなかったぞ?出鱈目だろ流石に?


え…なんでお嬢様言葉忘れてたのバレてんの。流石に聞こえないだろと思ったから一旦やめてたけどさぁ


「おにぃ、お嬢様言葉忘れたの?」

「ん……黙秘ですわ」


@ジャッジですの!:私、地獄耳ですので、今の距離なら聞こえますわよ

:なんでカメラすら捉えていない音声を捉えているんですかねぇ?(恐怖)


なんか色々疲れたわ。BBQの日はもう盛大にやけ食いしてやるわ!

(わっちの分まで食べるでないぞ~?)

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