【水中戦】歌おう騒ごう海中で【イカがかな?】
この話途中まで書いててふと友人Aの名前を考えてないことに気づいた。本来彼は配信のコメ欄だけの存在だったから……
なので39話目に友人Aの本名追記してきました。白狐さんの彼の呼び方は修正してないけど…
「じゃあお前ら。深層のボスを倒すよ。」
:深層ボスとか世界初公開じゃね?
:一応フェルミナお嬢とかが何体かは深層ボス倒してる動画上がってるから世界初ではないな
@受付お姉さん:日本初ではあるわ
俺達はボス部屋に繋がるワープゲートに入った。視界が光に包まれそして…水中に放り出された。地面もないし、泳いだ状態じゃないといけない。うん。やっぱ面倒だな。一応撥水性の高い服で来てるから僅かにましだが服が水を吸って重くなっている。
:まじで水中なんだな
:今までは風景以外はなんちゃって水中だったのに……
@バルト:これは……相手どるには厄介だな
@アッカネーん☆:どんなボスが来るのかしら……
『ボスは見えないわね』
『でも何か居る気配はするぜ……』
『……聞きづらいけど歌が聞こえる』
水中だからちょっと聞き取りづらいな。
(ふむ…ちょうどカイを憑依したままじゃし、わっちが念話を繋いでやろう。ちぃっと魔力を使うぞ真白。『繋がれ』ついでに配信にもしっかり聞こえるようにしてやろ~)
「歌……セイレーン系統ね?」
「お、なんか急に話声がクリアになったな。」
「ご先祖が念話繋いだみたい。これで意思疎通可能」
@狐のヒロイン:声がはっきり聞こえるようになった?
@おにぃLOVEちゃん:ご先祖ぱわ~だね~。さすがだぜぃ
:割と何でもアリだなご先祖…
:逆に何ならなしえないのだご先祖ぉ
「ともかくセイレーンの歌は厄介だな。【鉄壁の盾】!」
「パーティの状態異常耐性を上げるスキルね。これで動きやすくはなるわね」
「ん、でも過信は禁物。相手は深層ボス。耐性をぶち抜いてくるかも」
:セイレーンなら歌聞かなきゃ大丈夫でね?
:なら白狐さんの結界で音を防げばよくない?
@おにぃLOVEちゃん:それだとおにぃはガードできないよ!ここ水中だからホウちゃんの索敵は出来ないから耳に頼るしかない。一応カイちゃを憑依してるから精神干渉耐性は上がっているけどね☆
@アッカネーん☆:あとは攻撃の音も聞こえないのは普通にマズいのよ
:ほなしゃーないかぁ……
『~~~~♪』
変わらず相手の歌は聞きづらいが明確に聞こえた。前方か!
俺が視線を向けるとまるで自分がこの領域の王であることを誇示するかのような玉座が姿を現した。そこには偉そうにふんぞり返っているセイレーンが座っている。
:今どっから…⁉
@天音ch:突然現れた感じがしました…!
「随分壮大な出現ね。歓迎のお返しにこれはどうかしら?【雪花晶月】」
麗奈が今使ったのはスキル【雪花晶月】。氷の上級魔法。大気中の水分を凍らせて無数の氷花を生成し、そこから氷の茨で相手を凍らせる魔法だ。今回は水中なため俺たちの周り以外が凄い勢いで凍りつつセイレーンに迫っていく。麗奈の攻撃が当たる、と思った時、
「流石に素直に攻撃に当たってくれるほど優しくはないわね。」
「召喚系。あながちあの玉座も偽りなしかも」
「しかも召喚も解除も自由自在…だな。厄介極まりねぇ~」
攻撃は突如出てきた脚に叩き割られた。残念。
(ほほー、面白いのう♪)
@アッカネーん☆:今のはクラーケンの脚ね。
@バルト:おそらく空間属性に適性があるな。歌を介して配下の一部だけを召喚している…といったところかな
:バケモンがバケモン従えてる
『~~♪』
「今度はサメか⁉」
「渦潮を起こしてるわ!」
「捕まれ。界歩で抜け出す」
「うおおお!カメラは任せろォ!」
泳いでいる2匹サメが渦潮を起こしているようだ。泳いでいる一匹を目安にその外側に界歩で回避する。そのまま【眷属召喚】フウ、ライ!
「フウさんじょー。ライのために道を作るのだー【風穿】」
「ライのでばーん。大人しくふかひれスープになれー【雷切】」
フウが渦の流れに穴をあけてライがサメを攻撃する。
雷属性中級魔法【雷切】。ライの力で強化されているので取り巻きのサメなら気を失わせるくらいはできる。そのまま【武器召喚】フウ、ライ。これで2丁拳銃を取り出す。
:ファッ⁉サメの大きさ一瞬だったから正確にゃ分かんねぇけどかなりでけぇぞ⁉
:中級魔法の威力じゃねぇよ……
@アッカネーん☆:極めればこんくらいだれでも行ける領域よ。もちろん、白狐さんの眷属が凄いのはそうなんだけど……
「ふっふー。強くなって出直せー」
「次なんてなーい。敗者にふさわしいエンディーング。バーン」
フウの銃で弾の回転を大げさにして撃つ。弾は魔力の塊。だから水中でも弾速は落ちずに回転し続ける。そして次第に弾丸の周りに開店に合わせた渦が出来始める。今度はこちらが横向きの渦を作りだす。
「白雪、頼む」
「なるほどね。任せなさい。凍り付け!」
麗奈が凍らせた渦はセイレーン直通の氷のトンネルとなった。しかもいい感じに窪みが所々に存在している。
(なるほどなるほど。ライの銃弾を当てに行くんじゃな?)
そうそう。ライの銃弾は雷属性だからね。普通に痺れさせる効果もついてくるおまけつき。
『~~~♪』
今度はバカでかいタコ。おそらく体色を変えて水中に潜んでいたな。8本のタコ足で俺達と今作った氷の渦のトンネルを破壊しに来る。
「親友ッ!アシスト頼むぜッ!【庇う】!」
「片手間で許せ」
「構わねぇッ!来い俺の盾ッ!唸れ鉄壁ィ!!【仁王立ち】!」
友人Aの足元に急ごしらえの結界を貼ることであいつが踏ん張れる足場を作る。そして今あいつが発動したのはタンクスキル【庇う】【仁王立ち】。【庇う】はその名の通り、見方を庇う。そのために対象のすぐ近くまですぐに移動できるスキルだ。そして【仁王立ち】は瞬間的にではあるが一定範囲の全ての攻撃を引き受けるスキル。これのやばいところは範囲内のあらゆる攻撃の軌道を自分の方に強制的に誘導する点だ。もちろんその身一つでは受けないが。自身の魔力で盾を形成している。
「水中でもなァッ!タンクは活躍ッ!できんだよォッ!!」
:タコの攻撃が全部友人Aの方に逸れたぞ!
:いやでも水中だぞ⁉踏ん張り効かないのにどうすんだ!
@バルト:いや!結界を足元に張っている!
友人Aが攻撃防いだこの瞬間にライの銃をさっきの氷のトンネルに連続で様々な角度で撃つ。一発じゃ防がれかねないからな。
(下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる、というやつじゃな)
「よく攻撃を逸らしたわ!【氷海斬】!」
「――ッ!!!!」
:タコ足が切り落とされた!
@おにぃLOVEちゃん:ヒューッ!雪姉さっすがー♪友人Aもカッコ良かったぜ☆
:馬鹿デケェ氷の斬撃…マジでこわ
:でもカッコいい!
@受付お姉さん:分かる
@狐のヒロイン:それは私の常套句。取られた。悔しい
俺がセイレーンに攻撃してる間に麗奈が健吾に迫るタコ足を魔法で切り落としていた。こっちの攻撃もただでさえ速い弾速が氷で滑ることでより速くなっていることとこっちは弾切れ、リロード気にせずに撃ち続けられることも相まってセイレーンは何体も配下を召喚しているが悉くが銃弾で麻痺って使い物にならなくなっている。
そして配下を呼ぶにも何するにも「歌う」というプロセスを挟まなければいけない都合上行動が追い付かなくなり、銃弾が当たり、歌唱キャンセルに成功した。
『――ッ⁉』
:こっちはこっちでけっこうえげつない攻めしてる……
@狐のヒロイン:弾切れしない無法武器…うらやま
(無力化はできんじゃろうが……隙を作る程度は出来たな!)
流石に深層ボスは耐性高いからね。でも無効じゃない限りは一瞬でも痺れる!召喚した武器は解除してこの隙に攻撃する。
「フウ!ライ!」
「はーい」「おっまかせー」
「そんで界歩」
結界を右手回しに張り、さらにその上にフウとライそれぞれの魔力を纏わせる。界歩でセイレーンの元に到達したときセイレーンの痺れも収まったようだ。再び配下を呼ぼうとしているのだろう。歌の構えを取ったが遅い。遮音結界を相手のセイレーンの体にぴったり張り歌を聞こえなくする。
『――♪……?――♪!――♪!』
:お?配下現れないぞ!
@受付お姉さん:歌が響かなければ何もできはしないのね
@バルト:なるほど、さっきまでの攻撃はこの結果を導くためだったわけか。
@アッカネーん☆:これまた随分大がかりな前振りだったわね!
予想通り、歌による配下の召喚は歌が空間に響かなければいけないようだ。必死に歌っているようだが配下が現れる気配はない。
(彼奴は自身の身に何が起こったのか理解できないようじゃな。今の内じゃぞ~!)
そうだね。では麗しの歌姫様には本日のライブは終了してもらわないと、ね。
「これが歌姫様に送る俺の鎮魂歌。受け取ってほしい」
セイレーンを攻撃するその瞬間に俺は拳に纏った結界をフウ、ライの魔力ごと弾けさせる。衝撃開放だ。彼女に張った結界ごと幕引きだ。
『~~~~~~!!!♪』
(最後の悪あがき、じゃな…!)
遮音結界も一緒に弾けたか。でも、ボスのセイレーンは倒れた。……ドロップ品が落ちないな…?
「親友ッ!やばいぞ!」
「なるほど、ね。最後まで配下頼りなのね?」
「おお、人望…いや魚望めっちゃあったんだな。とんでもない置き土産していった。」
:バカでかいウツボォ⁉
:デカいにもほどがあるだろ⁉クラーケンとかタコとかよりでけぇぞ⁉
:体長何百mだよコイツ⁉
:DSマリオでのトラウマががが
最後にボスが呼び出したのは……バカでかいウツボだ。この空間一帯を余裕で飲み込めそうなほどの大口を開けて俺たちを完全に飲み込む気だな。
(これはわっちの出番じゃぞ♪ほれほれぃ♪)
ま、ボス倒して実質攻略したようなもんだしな。頼むわご先祖。あ、変身バンクは短縮版でね
(任されよう!最初以外は短縮版になるのは特撮の定めじゃからな!心得ておるぞ!)
俺はすぐさまカイの憑依及び、フウライの召喚を解除した。
「どーする⁉逃げ場ねぇぞ⁉」
「……まぁ、ダーリンと死ぬならまだいいかしら」
「白雪さーん???なんでそんな覚悟決めんの早いのかなー???」
「ま、問題ない。突破するよ。【憑依】玉藻の前」
@おにぃLOVEちゃん:お姉さまモードキター!ひゃっほーう!
:白狐さんが切り札きるほどなんだな⁉
@アッカネーん☆:これが噂の……
「ふっ。妾の出番じゃな。安心せい、坊主、小娘。無事に家に帰してやるぞよ?『止まれ』そして『切り下せ』」
ご先祖の言霊でウツボは内部から大規模な斬撃に見舞われ見事な3枚おろしに早変わりした。相も変わらず無茶苦茶だ。言葉に力を乗せて本来起こり得ない事象を手繰り寄せるんだから。
:何度見てもすげぇな……
:神の所業でしょコレ……
@おにぃLOVEちゃん:FOOOOOOOO!ご先祖サイッコー!!
@天音ch:黒狐ちゃんのそのテンションの高さ何なの……?
「さぁ出口も出たし帰るぞよ!…っと忘れるとこじゃったわ。『わが手の中に』」
ご先祖ナイス!ボスのドロップ品(魔石とすんごい透き通った球体)をちゃんと回収してくれて嬉しい!
(妾もアレが何を落としたのか気になるからの~)
出現したワープゲートを通ることで深層4層へ出た。4層の石碑を登録しあとは帰るだけだ。
「ふむ。特別サービスじゃ。『繋げ』。これでここと上層1層を繋げたぞ。」
「まっじで出鱈目だなぁ……」
「ご先祖さん憑依時限定の帰り道ね」
:え!
:ダンジョンの常識壊れる
@受付お姉さん:流石に今のは見なかったことにしたいわー……
ご先祖が繋げた穴を通って海底朝霞ダンジョンの上層1層に戻ってきた。しかし思いのほかご先祖憑依で魔力を持ってかれたな。体が重い。
「…………じゃ、配信終わり」
:乙!
@バルト:今回も楽しませてもらったよ
@アッカネーん☆:参考になる……かは分からないけど希望は持てた気がするわありがとう白狐さん
@おにぃLOVEちゃん:おいしいごはん用意して待ってるよおにぃ!!あ、雪姉と友人Aの分もあるんだぜ~
「ふぅ。それじゃご相伴にあずかろうかしらね」
「ごちになります!」




