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【魔物の】スタンピードか、めんどうな【饗宴⁉】

風繰さん……ああ、天音ちゃんって呼ばなきゃいけないんだっけ。当人の望みだしなるべく名前で呼ぶように心がけようか。

(殊勝な心掛けじゃのうおなごの願いを無碍にすると後がこわいぞよ?)

うんそうだね。


コラボの目的も果たしたし今日はもう帰ろうと上層まで戻ってきた。そして配信を終わろうと思った時のこと。俺のスマホに緊急通知が来た。なになに……上野モフの楽園ダンジョンでスタンピード発生……ね。実にアンラッキーだ。


「え!スタンピード⁉しかもここで⁉」

「うわ~タイミングわるわるじゃー」

「まずいわね。今このダンジョンには非探索者の観光客もいるわ。一般人の避難もやらなければならないし面倒な状況ね。」


@受付お姉さん:現在の推定スタンピードの規模は中層4層からです!皆さんも気を付けて!今上野モフの楽園ダンジョン近辺で戦える探索者達も招集しているわ!

:上野モフの楽園ダンジョン近くに住んでるワイ出撃を決意。避難誘導は任せロリ

:勇敢なる有志がいるのか

@狐のヒロイン:私も出る。でも現場までは時間かかる


現状探協が探知できたスタンピードの範囲が中層4層ってだけで下層からもモンスターが登ってこないとは限らないのがネックだな。俺たちが今日行った範囲は下層の1層だけ。下層2層以降は今日は行っていないからな。


(ま、考えてもしょーがないじゃろ。もう上層まで戻ってきてしまったんじゃ。どーせ全部外に出ようと上層に集まるのじゃしここで一網打尽にすれば関係ないわい!)


「とりあえずスピードアップ。1層までもうちょいだから。」


道中で見かけた魔物は出来る限り倒しておく。まぁ、上層の魔物の群れをいくつか潰しただけじゃほとんど焼け石に水だろうけど。

***


上層1層に戻って来たけど、様子が変だ。なんで一般人の避難がされてないんだ?しかも一か所にぎゅうぎゅうに集まっているな?……ちょっと聞き耳を立ててみるか。


「何が起きてるんでしょう…?」

「分からないわ。でも只事ではないのは確かね。」

「おにぃ…私あんまり良い予感しないなーって。」

「同感。あの人ごみの位置は……ダンジョンの入り口があった場所な気がするし。」


@受付お姉さん:たった今入った情報によると上野モフの楽園ダンジョンの入り口が消失したらしいの!!気を付けて頂戴!これはただのスタンピードではないわ!

:救援行こうにも入り口がなくちゃどうにもできないぞ⁉

@友人A:スタンピード速報があった数分の内に辿り着いた探索者たちは入れたっぽいけどな…

:今から行くやつはダンジョン内には入れないってことだ

:とりあえず出来ることを探すか


あーあー。一般人たちが大混乱だ……なんとか探索者が宥めているけど……発狂も近いかな。急いで魔物を対処しないとな。

(普通の人類からすれば魔物なんぞ恐怖の対象じゃからのう……ここの上層1層の魔物は飼いならされておるから無問題じゃったじゃろうが……)


俺たちが観衆のもとへ近づくとこっちにも騒ぎ立てられた。

「あ、あなたも探索者なんでしょう⁉なんとかしてちょうだいよ⁉」とか、「ダンジョンは探索者の領域だろ⁉俺たちを助けてくれよ!」とかなんとか言われている。でも別に俺らも戦えるだけの一般人だからな……

(騒がないと正気でいられんのじゃ。そういうものと諦めるしかないのぅ)

そーだね。


:うーん、どうにかできないか…?

:そもそもなんで入り口が消えるんだ?

@受付お姉さん:ダンジョンが成長しようとしているのかもしれません。ダンジョンは稀に成長することがあります。今体内に居るすべてを栄養として成長するつもりなのでしょう

:じゃどーすんだ⁉皆出れないのか⁉

@受付お姉さん:いいえ、対処法自体は普通のスタンピードと同様です。迫りくるモンスターをすべて撃破することさえできれば……

:流石にSSランクの白狐さんとAランクの白雪さんとかがいても人数少なすぎだろ…!


「皆さん落ち着いてください。私はAランク探索者の白雪。そしてここにはSSランクの白狐さんという探索者も居ます。我々が皆様の事を確実に生還させます。不安なのも分かりますがここは我々探索者を信じて、指示に従っていただけますか。」


麗奈の一言でパニックだった民衆は静かになった。大声で叫ぶでもなく凛とした声で民を落ち着ける。その姿はまさしく

(かりすま、じゃのう)

「雪姉かっこいいよね~。」


:氷結姫…パネェな

:圧倒的カリスマ


民衆への指示は麗奈に任せれば問題はないか。でも、民衆を守るのになにもないといささか心細いな。俺は結界を貼ることは出来るが……その分リソースは使う。自分に対する結界ならまだしもそれなりの範囲に強度を保って貼るとなるとなるとカイを召喚した状態であっても魔力喰うんだよな…もう一人くらい結界張れる人員いないかな……


「戦える奴挙手!」


思い付きで探索者に声かけてみたけど手を挙げたパーティがそれなりにいるな。ひーふーみー……

(3組。ざっと数えて12人じゃな。)

12人戦力がいるだけでも負担は違うが……


「じゃその中で結界張れるよって人挙手してちょーだい!」


:一人もいない…

:まぁ空間適性って貴重だからな……

@友人A:他の属性でも結界は上級相当だからな……習得済みのやつは滅多にいないだろうな~

@受付お姉さん:そうなると白狐さん一人に結界を貼ってもらうことに…?その場合、白狐さんが戦力として期待できなくなるわね?

@狐のヒロイン:ここに、結界使いいる。そしてうちのリーダーなら無理やりダンジョン内に侵入できる


「おっけおっけ。じゃ俺が結界張るから戦える奴は一体でも多くのモンスターを倒して。隊列は…天音ちゃんに任せる。俺も妹も指示だし無理。」

「え!わ、分かりました!皆さん、力を貸してください!」

「「「おう!」」」「「「任せて!」」」


良かった。逃げる奴はひとまずいない。(自分らの命もかかっとるしの。)

それにしても狐のヒロイン…つまり青銀の羽のイーシャさんはどうするつもりだろ。エッケバルトさんなら侵入出来るって……


「ね、ね、おにぃ。青銀の羽も来るの?」

「らしいけど。どう侵入するんだ?」

「空間切り裂いてくるんじゃない?エッケバルトさん勇者だしできそーじゃん?」


葵と話していると、ダンジョンの本来の入り口から少し右にずれた位置の空間が割れる音と共にエッケバルトさん率いる青銀の羽がダンジョンに入ってきた。


「すなまい!到着が遅れた。たった今SSランクパーティ【青銀の羽】、救援に来た!」


マジで空間切り裂いて入ってきた。でも無理やり侵入した影響か、エッケバルトさんの開けた穴はすぐさま閉じてしまった。


「やはりスタンピードを収めなければ民衆は逃せないようだ。Aランクの白雪さんだね?我々も協力を。」

「助かりますわ。いくら私と白狐さんがいるとはいえ、スタンピードを民草を守りながら捌き切るのは非常に骨の折れる作業ですから。」


:エッケバルトさんなら確かに空間斬るくらいできるよな

:腐っても白狐さんと同じSSランク認定受けたパーティだからな

:この人たちも日本最前線担ってるだけはあるんだよな


マーレさん、ジャンさん、そしてイーシャさんはこっちに来た。


「白狐さん、1週間ぶりだな!加勢に来たぜ!」

「わ、私は空間魔法扱えますから結界、張れます。カイちゃんの結界に上乗せと言う形なら強度と維持は私が担当できます!…その場合カイちゃんは召喚しておいてもらわないといけないんですが。」

「リアルで会うのは1週間ぶり。緊急事態だから心の準備とか言ってられない。あとお面、取って♡」


前回のイベントの最後で俺が皆さんに心配かけたお詫びつって深層食材でもてなしたから、当然挨拶の時にはいなかったイーシャさんとも顔なじみである。ちなみにイーシャさんはなんでも管狐の半妖らしい。俺も知らなかったけど、同じ狐系の妖怪でもちゃんと種類分かれてたんだな。

(当然じゃ。わっちは九尾じゃが、妖怪なんぞ動物と同じじゃ、種類は存在しとるぞ)


:うおおおお!一気に希望湧いてきたんじゃないかコレェ!

:イーシャさんぶれへんなぁ……

:この状況じゃむしろいつも通りなのは過度な緊張をほぐせるしおっけーじゃね


「来てくれて嬉しい。けどお面は取らない。そしてマーレさんが結界維持できるならその分俺は闘いにリソース割ける。だからカイを預けます」

「任せてください!カイちゃん一緒に人々を守りましょう!」「こん!」


カイをマーレさんに預ける。そして話し合いをして俺が中央で眷属たちを使って蹴散らす。青銀の羽は左翼側。天音ちゃんと葵率いるCランク連合が右翼側。そして麗奈はマーレさん含めた民衆の最終防衛ラインとして立っている。陣形は戦えない民衆を中心に、ダンジョンの壁を背後にした円形である。


魔物の大群が襲ってくるまでに陣形は整えられた。でも数が分からないしもしかしたらご先祖の力借りるかもね。

(ふふ、その時は任せるのじゃ。精々ド派手に暴れてやるぞよ?)

ほんと、頼もしい。けど、そうなったら憑依可能時間中に全部蹴散らしてね?その後の俺は使い物にならないから。

(分かっておるとも!)

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