【ダンジョンものの】罠踏んじゃった☆【ど定番】
コレ3話縛りで行くともう一部必要になるのでは?作者は訝しんだ。
ダンジョン内で転移の罠を踏んだことで未踏破階層へ飛んだ場合、通常起こる帰りのボスのスキップはどうなるのか。答えは簡単だ。出口からボス部屋に入ってちゃんとボスと戦うことになる。
新宿摩天楼で上層から(推定)深層に飛ばされた俺は中層を目指して深層2層から1層へあがった。
「メカのドラゴンか。」
新宿摩天楼深層1層のボスはメカのドラゴンだった。ドラゴンと言っても東洋の龍の方だが。
(厄介じゃな。機械の体を持った龍なぞ。)
「GRUUUUUUUUU!!」
気付かれた。…ッ⁉ ドゴォン…
:⁉
:白狐さん⁉
:い、今何が…
***
(風繰天音視点)
今日は白狐さんのランクアップしてから初の配信ということで白狐さんの古参ファンだという弟と一緒に白狐さんの新宿摩天楼攻略配信を見ている。個室とはいえ病室だからあまり大きな声は出さないようにしないといけないけれど。
「白狐さんが転移の罠踏んじゃった…!」
「落ち着いてよ姉ちゃん。白狐さんなら大丈夫だって!」
「そ、そうだよね…でも心配なものは心配なんだよ」
「……惚れた男に何かあったら大変だから~?」
「なっ!何を言ってるのかな~?お、お姉ちゃん分かんないな~。こら晴翔にやにやしないの!」
どこでこんなこと覚えてきたのだろう。まったく下世話なんだから。っと。今はやんや言ってる場合じゃない。白狐さんの配信に集中しないと。配信画面に戻ると丁度白狐さんが深層1層のボスと向き合ってる所だった。
『メカのドラゴンか。』
白狐さんがその一言を放った直後。白狐さんが配信画面から姿を消し、同時にドゴォンという大きな音が響いた。
「え?」
「姉ちゃん…い、今何があったの…?」
分からない。目を離したつもりはないけど、気づけば白狐さんは消えていた。ただ一つ分かるのは。あのボスモンスターが白狐さんに対して何か攻撃をして、それが白狐さんに当たったということだけだ。
カメラもワンテンポ遅れて白狐さんの方に追従したようで、壁にもたれ掛かっている白狐さんの姿が映った。
『GRUUUUUUUUU!!』
ボスの攻撃はこれだけでは終わらなかった。白狐さんが動き出す前に一鳴きし周囲に氷の柱を生み出し追撃した。それも容赦なく、氷の雨を一点に注ぎ続けている。メカだからきっと油断がないからだ。だから徹底的な攻撃をボスはしているんだ…
「白狐さんが攻撃喰らってる…俺…白狐さんが死んじゃうなんて嫌だよ…!」
「私もだよ。でも…」
その後の言葉は口には出せなかった。だってそれを口にしたら否応なしに私の無力さをまた突きつけられてしまうから。前回は白狐さんが助けてくれた。でも今回はそうじゃない。私じゃ白狐さんの所へ行くことすらも出来ない。こうして画面の前で自分の無力に打ち震えるしか……ない。
ボスの攻撃が止んで煙も晴れた。そこにはぼろぼろの白狐さんの姿が……なかった。そして白狐さんの姿を探しているうちにボスのドラゴンが地面に墜落した。いや、というよりも…叩きつけられた?
『ん、ちょっと油断した』
地面に着地した白狐さんには傷一つ見られなくて。
「「やったー!」」
私は弟と手を取り合って白狐さんが無事だったことに歓喜した。その時丁度来た看護師さんには騒ぎすぎないようにと怒られてしまった。
***
(白狐さん視点)
ボスが鳴いたと思ったら壁に吹っ飛ばされてた。つまり鳴き声で何かをしたということだ。衝撃的に物理的な攻撃だった。カイを憑依しててかろうじて結界は間に合った。だからダメージはないけど…正体不明の攻撃に警戒することを決定づけられた時点で択的に不利が生じたな。
(真白、生きておるな~。おそらくこやつ、空間魔法が使えるのじゃ。しっぽの先をお主に叩きつけたようじゃの~。)
なるほど。龍らしく魔法も司ると。そして攻撃の手も緩めちゃくれないと。おもっくそ氷属性の魔法で攻撃する気満々だ。生体反応でも検知してんのかな。でも、攻撃してくるのなら好都合。いくら龍でもメカでも魔法発動中から発動直後にすぐさま別の動きは難しいだろう。
俺は界歩で龍の頭上に移動する。気付いている様子はない。それはそうだろう。いくら高性能なロボであったとしても。高感度なセンサーを持っていたとしても。360°全方位を瞬時に検知することは不可能だ。特に今は攻撃にリソースを割いているのだから余計に警戒に回すリソースは減っているだろう。……まぁ、自動防御、自動反撃あたりが備わっているなら撃ち落されるだろうが。
【召喚】フウ、ジジ。
召喚した二匹を肩に乗せて攻撃に移る。魔法が終了したその直後が一番攻撃を通しやすいからな。フウは召喚することで俺の身体能力を向上させる。原理はフウが触れている部分から魔力の循環速度を速めて強化しているだけだからあくまでも3割増しが限度だけど。
普通の身体強化魔法は最低でも1.5倍。2~3倍くらいは平然と能力上げるから劣化版…の様に見えてフウのそれはフウが存在していれば魔力消費なしで恒常的に強化できる。そしてジジに堅い岩石の塊を生み出してもらう。あとはそれを踵落としの要領で上から蹴り落とす。もちろん高度を増すために結界を足に纏っている。
踵落としでこのメカドラを地面に叩きつける。そして俺も地面に着地する。あ、視聴者に心配かけたか?一応弁明しておくか…
「ん、ちょっと油断した。」
:良かった。よ゛か゛っ゛た゛~゛(´;ω;`)
@天音ch:白狐さん無事でよかったです…
@友人A:ま、まぁ?俺はこのくらいじゃお前は死なないって知ってたし~?
@探協公式:ものすごく心配しましたよ…
:推しが死ぬかと思ったでござるよ~(´・ω・`)
@狐のヒロイン:やばいと聞いて状況確認に来た。白狐さん、無事?
「無事。じゃ、仕上げ。」
地面に叩きつけられてボスが顔をあげられていない今の内にさっきと同じようにジジにバカでかいグローブを生み出してもらい、結界で覆い、そしてフウに風を纏わせてもらい全力で、ぶん殴るっ!
「GRAAAAAA⁉」
今の全力の殴りでボスの体は消滅していく。無事に鋼鉄の体であっても体力を100パー削れたようで何より。
(お疲れ様じゃ。どうじゃ?久々に一発もらった気分は?)
懐かしい。そして久々に全力で殴った気がする。
(おー!そうじゃな。腰の入った良いパンチじゃったぞ!)
「久々に攻撃喰らった。じゃ急ぐ。」
:深層ボスの攻撃喰らったんだよな…?
:なんでいつも通りのテンションなんだぁ~w
:でもいつも通りの白狐さんで安心できたわ。
@天音ch:分かります。白狐さんがちゃんと生きてたんだって思えます!
ボス部屋を出て、深層1層の探索へ向かった。外に出ると廃墟から出てきた。ふむ。ここの深層は廃墟都市がモデルになっているのか。
(えすえふ的なあれかもしれんのぅ。人類に反旗を翻したろぼっとにより文明は滅んだ世界観かもしれんのぅ)
そうかも?敵も形が違っても結局ロボットしかいないし。建物の壊れ方も自然災害な感じはしないし。文明が荒廃して幾星霜もの時が経ったのかもね。空は灰色に覆われてるし。
閉じられた空間でないのならば、飛んでいけば一気にショートカットが可能だ。上空から今いる位置の真反対の方向を探す。2層の入り口はちらっとしか見てないが確かデカいというか元は高いのが分かり、斜めの斜塔に近しい形だったかな。
(そうじゃな。とにかく入り口と出口は分かりやすく大きくなっておると見てよいじゃろう。)
「飛んでる間暇だし、お前ら雑談しよう」
:緊張感ない。なくない?
@友人A:んじゃ、なんか質問コーナーでもするか?
:急にいつもの配信に戻ったなw
「別に焦ることじゃないし」
:でも今TA中ですよね?
@探協公式:本当に救援要請は要らなかったみたいですかね…
「ま、俺はもう最下位だね。じゃ焦ってもしょーがない」
:いやいやいや⁉
@天音ch:黒狐ちゃんに心配かけちゃいますよ?
「それはいけない。じゃ、なるべく急ぐ。」
:今でも十分速いでしょw
:これ以上早くするんか?ドローン追えなくなっちゃうねw
(雑談しておらんのぅ?)
そうだね。あ、メカ鳥だ。
:あ~、ただ飛んでただけの鳥が…
:白狐さんにすれ違いざま撃ち落されている…w
:フウちゃんの力使ってきっちりドロップ品も回収してるの抜け目ないな。
「まぁ高崎さんに怒られたし。代わりのお土産必要でしょ」
@探協公式:代わりどころかさらに性能アップしてそうなんですけど…ちゃんと買い取りますけどね⁉
空飛べるっていいな。結局雑談する前に深層抜けられた。
:本当に無法だなw
:なんで通常スキル使えないのに普通の探索者より快適な探索してるんだw
下層(上層)10層ボスはメカマンドラゴラ。地面から引っこ抜くと人を気絶させる叫びをするのは一緒。そして火属性弱点なのも一緒だった。なのでモエの力でさくっと撃破。まぁ、マンドラゴラが脅威なのはその叫び声だけだからそれさえ凌げば脅威足り得ない。
下層の様子は…また無機質な部屋に出た。やっぱり深層でダンジョンの外観がガラッと変わるのは確定みたい。
(深層は異世界なのかもしれんの~。それか、コアに近いからこそ…)
どっちでもいーよ。ダンジョンの秘密とか興味ない。そういうのは学者がやればいい。
(それもそーじゃな!)
:一般通過ボスクン
:下層10層ボス=深層の入り口の筈なのに…w
:なんか…普通に他のグループと大差ない時間でクリアしそうだな?
:そんなん伝説やろw
「じゃ、ダービー再開する。」
:おっし分かった!やってやんよこらぁ!
:また燃え上がってきたわ!
:雑談しないのでござるか?
「するよ。ダービーは継続。そのまま雑談。じゃ先に予想どーぞ」
:正面!
@天音ch:右です!
:左ね
:正面でござる!
予想集まってきたし答え合わせかな。
「こっからの答えはお前ら勝手に纏めて。さてじゃあ雑談だけど。んー…質問ある?」
:くそっ、右だったかー。
:ゲームとかやるん?
「やる。ポケ〇ンとか、ペル〇ナとか…あとア〇リエシリーズ」
:ア〇リエ!まさか錬金術師の同胞だったとは
:良いよなアト〇エ。死ぬほど時間が溶けていくのを除けばおもろいの多い。ちなみに俺はロ〇ナ先生好き
:っぱラ〇ザよ!俺のアト〇エ入門だからな!
@友人A:リ〇ィーかな。
(個性的じゃな~。ま、お主の推しとは被りが見えないの~)
「お前ら何言ってる。ソ〇ィー一択。声、性格、見た目。どれを取っても最高だぞ」
:いや~、CV相〇さんは販促よw
:販促してるぞwいや気持ちは分かる。
雑談していても平気で雑魚敵は襲ってくるがボスでもない限りは脅威になるものが居ない。ので立ち止まることは特になかった。そして順調に上層を下っていっている。このままいけばすぐに戻れそうだ。…終わった後に高崎さんに何言われるか分からんけど。
(まぁ、心配かけた罰じゃろ。致し方あるまい)
そうだね。




