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【人の青春は】イベント開始前から疲れたって【蜜の味】

「……である訳でしてつまるところわたくしが言いたいのはですねぇ……っておや?白狐さんさんが見当たりませんねぇ。そういえば副将カボスも。一体いずこに?おかしいですねぇ。今一度語りなおせば姿を現すでしょうか。では……」


……まだ喋ってたんだ不知火さん。

(語りたがりは末恐ろしいのぅ…)


「それでは白狐さん、改めまして本日はよろしくお願いしますね。」

「は、はぁ。…大変そうですね。」

「……ええ、まぁ。それでは私は我らが主将様を連れ帰らなくては。このまま放っておくと何時間でもしゃべり続けてイベントに遅れてしまいますから。では失礼いたします。」


カボスさんが喋り続ける不知火さんを引きずって去っていった。…ご先祖、俺このあとの流れが見えたよ

(奇遇じゃのうわっちもじゃ。)


:中々キャラ濃い人だったにぇ~

:でも、どうせすぐに「あおはる遊戯」の人たちも来るんでしょ。俺は詳しいんだ

:まぁ、ここまでの流れを見てたら誰だってそう思うわなw


モフっとラバーズと入れ替わりにまた人が来た。うん。だろうね


「あなたが白狐さんって探索者ね!!私を差し置いてCランクから一気にSSランクだなんて一体どんな手を使ったのかしら…!私は絶対にあなたなんて認めてあげないんだからー!」


またなんか来た…もう良いって。こう…さらっと挨拶して終わりにしよう?疲れる。


「どうも…?」

「……反応薄い⁉もっとこう…なにかあるでしょうほら!疑うなら証明してやる!とか!」

「???」


俺が戸惑っているとまたひとり青年が走って来た。…でかいハリセン持って。


「お前は~…アホかー!」

「きゃん⁉いった~…なにするのよケンジ!」

「身内ノリに赤の他人を巻き込むなァ⁉ましてや年下だぞ⁉」

「年下と言っても3つでしょ!同年代よ!!それに、突如頭角を現した新人にその界隈の先輩が食って掛かる。こういうのお約束でしょー⁉バカケンジ!」

「お前は大人のお姉さんなんだろ~?年下相手に大人げないとか思わなかったのかバカネ!」


:夫婦漫才かな?

:あおはる遊戯ってそういやこの二人の夫婦漫才を見るものでしたね(存在しない記憶)

:リア充爆発しろ~

@青春仲介人:すいませんすいません!うちの猪突猛進独断専行系リーダーが本当にすみません!


俺は本当に今何見せられてるの。この人たちはアレなの?喧嘩するほど仲が良いというタイプの…

「バカップル?」

「「はぁ!?」」

やべ。心の声が漏れた。(今のはだいぶ意図的なものじゃったじゃろーに)


「べべべ別にそんなんじゃななないわよ?」

「そそそ、そうだぞ。こんなのが好きなわけないだだだろー?」


青銀の羽に次いでまともな気がしてきた。

(ま、そうじゃろうて。見た目も普通の一般人って感じじゃし。言動も…さっきまでのが濃かったからの)

そんで反応が初いね。まさしくラノベとかの…学園青春物の一コマ感

(あくまでらぶこめとは言わんのじゃな)

ラブコメはもっとこう…甘酸っぱいアレでしょ?

(随分らぶこめに幻想持っておるな…)


「こほん!とにかく!私はあなたを認めないわ!だから今日はこの目で観察させてもらうわよ!覚悟しておくことね!」

「ん。お姉さん。好きなだけ観察してもらっていい。」

「お姉さん…!あっ。ふ、ふん!帰るわよバカケンジ!……っと、自己紹介がまだだったわ!私は《あおはる遊戯》のリーダーのアカネ。物語のテンプレをなぞるとか演じるのが好きな青春探究者よ!」


@友人A:ちょっと素が出たよな今

@青春仲介人:この子弟とか妹とかにあこがれてる一人っ子なんです…!

@天音ch:白狐さんって…誰にでもお姉さんって言って口説いてるんですね…(* ̄- ̄)ふ~ん


「どうせなら最後までキャラ貫き通せよ…俺はケンジだ。もう一人ハルトマンってやつ含めて幼馴染3人でダンジョンに潜ってるんだ。アカネの奴今日はなんか高飛車お嬢様みたいなキャラにしようとしてるみたいでな、ダンジョン内でもこんな感じかもしれんが、生暖かい目で聞き流してほしい。」

「ちょっとー!『生』暖かい目って何よー!そこは普通暖かい目で、でしょー⁉というか聞き流すなぁ!」

「あーはいはい。これ以上は白狐さんの邪魔にしかならんから帰るぞお姉さん。それじゃあ白狐さん、お邪魔しました。」


「末永くお幸せに?」

「「ゴホッゴホッ⁉」」


:盛大な最後っ屁かましたなw

:白狐さんって…恋愛とか分からないタイプじゃなかったんだ…

:びっくりだよな。好きなタイプ聞かれて首傾げてたのに

:でもちょっと考えて黒髪ロングスキーって答え出してたし身近な女性を浮かべたのでは。ボブは訝しんだ。


……もう終わりかな。参加グループって俺含め5組だし。

(終わりじゃろうな。お疲れ様じゃ)

***

怒涛の挨拶ラッシュから20分くらいは視聴者と雑談していた。が、とうとうダンジョンに潜る時が来た。


新宿摩天楼…外見は真っ黒な壁に窓から漏れる光は赤い。見上げてもてっぺんは見えやしない建造物だ。そして俺にとっては珍しい初見のダンジョンでもある。


:wktk

:はえー、すっごい。

:白狐さん、今の心境をどうぞ?

「ほどほどに頑張る。」

@友人A:ほどほどいただきましたー!


摩天楼内に続々と参加者が入っていく。俺は俺のペースで行きたいので最後尾だ。タイム計測自体は探協でやるようだ。入ってすぐのエレベーターに乗り、降りたタイミングで計測開始。計測終了は中層ボスを倒した瞬間あるいはダンジョンから撤退した瞬間だって。


(気を付けるのじゃぞ?探協の情報では上層の時点で他のダンジョンの中層級の魔物が出るようじゃからのぅ。)

新宿摩天楼はダンジョンの敵の強さは他のダンジョンの一個分階層ずらした強さと認識しておけば大丈夫ってことだね。


@天音ch:白狐さん!頑張ってください!

:白狐さんはどんな攻略するかな楽しみ

:俺も楽しみだ。

:俺は白狐さんに賭けてるからな!勝ってほしいところさんだぜ


そして新宿摩天楼に入り、エレベーターに乗っかる。すると何も押さずとも自動で扉が閉まり動き出した。そしてすぐに目的のフロアに着いたようだ。降りてみると外観と同じ感じの無機質な空間が広がっている。四隅には水が流れてはいるが。そしてこの部屋には何もなくあるのは3方向へつながる入り口のみ。


@探協公式:白狐さんこれより計測開始です!今回の白狐さんの担当は受付お姉さんこと高崎がお送りいたしまーす

:キタ――(゜∀゜)――!!

:キタ――(゜∀゜)――!!

@友人A:キタ――(゜∀゜)――!!

:最近配信に姿を現さなかった受付ネキ!受付ネキじゃないか!


ここに入ったことのある青銀の羽のエッケバルトさんに聞いたけどここは不思議なダンジョン形式らしい。入り口は固定だけどそこから先は空間が捻じれ歪んで適当な繋がりになっていると。つまり地図は意味を為さない。


「お前らどこから行きたい?」

:右!

:いやいやここは左!

:どーせなら正面行こうぜェ!

@友人A:右にしようや

:左ね!

:右だ右だ右だァ!


コメント見た感じ右が一番多いな。そして正面が一番少ないか。じゃ正面だな。

(逆張り精神の塊じゃな)

気分だよ。今回は視聴者に逆張りしたかっただけ。…俺の行動ダービーでもしようか。俺の心理を読めた奴が優勝で。

(緊張感ないの~。しかし面白そうじゃ!)

決まりだね。


「今から俺の行動ダービーするよ。このダンジョン攻略中にどの部屋に移動するかお前ら頑張って当ててみろ。」

:ほうほう。白狐さん検定というわけですな!

:白狐さん検定1級所持者の私に死角はないわ!

:正答数多い奴は白狐さんをモフっても良いのか⁉


「俺はモフらせない。でも眷属ちゃん達ならモフってもいい。」

@探協公式:つまり優勝者は実際に白狐さんに会える、ということになりますねw

:燃えてきたァ!

:で、今回は?

「正面」

:ダニィ⁉

:おいおいおい。今回は無効だよな?な?

:ふふ。逆張り…というわけね。負けたわ。


まぁ今回は後だしだし。可哀そうだからチュートリアルってことで無効にしてやるか。

(お~、優しいの~。わっちなら容赦なく有効試合にするぞよ?)


「ま、今回は宣言してないし無効でいい。次から有効。」

:しゃあっ!

:次からは白狐さんの心を読み切って見せるわ!

@天音ch:眷属ちゃんをモフるモフるモフる

:天音ちゃんがおかしくなっちゃった


かくして探協主催新宿摩天楼攻略作戦が始まった。

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