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【相も変わらず】次なるモフは【モフを求めて】

今更だけどこの物語はフィクションです。仮に本文に実在の地名、団体、人名、作品名が飛び出してもなんら関係はございません。なので全然これからも実在する作品名等は出ますね。流石に人名は一応伏字しますが

極上のモフを求めて三千里。ジンライタイガーとの交流を経て俺たちは今モフの楽園ダンジョン下層3層に降りてきている。2層は…良きモフとの出会いはなかったので割愛する。


「黒狐ちゃん、どう?フェンリルは居そう?」

「う~ん…?分かんな~い。でもでも何か良いモフの気配はする気がする!」

「ん。じゃあそいつ探すか。」

「りょーかいっ!」

:良いモフの気配かぁ~。さっきは居なかったもんね

:白狐さん達の理想が高すぎるだけじゃねぇかな…

@受付お姉さん:モフは襲って来てはいたものね襲っては。

:理想は追い求めてこそ!でござる


葵の勘に従って探すこと数分。歩いていたら水の音が聞こえてきた。水場かぁ…水場なぁ…流石に生命の営みの礎たる水場でモフを待ち伏せはなぁ…外道戦法な気がする。


「兄者兄者!硫黄の匂いがする~!」

(ふむ…確かに微かにじゃが硫黄のような匂いが風に乗ってきている気がするのう)

「…温泉?」

:ガタッ!

:ガタタッ!

:まさかの白狐さんのサービスシーン⁉

:なぜそこで黒狐ちゃんのではなく白狐さんのを思い浮かべるのか…

@友人A:知らんのか?黒狐女史に邪な目線を向けると白狐さんに粛清!粛清!粛清だぁ!されるんだぞ

:なんかCVを丹〇さんがやってそう

:今は違うぞ


良く分かってるな。俺は妹の恋愛に口出しする気はない。だが、妹に近づく悪い虫はすべからく払うぞ。ま、アレだ。妹と結婚したけりゃ妹を全力で堕としてみせろという話だ。

(できるものなら、じゃがの~。わっちは全然邪魔するのじゃ)

「ご~せ~ん~ぞ~!私ともお話しましょーよ!」

(うむ?すまんの~葵を放置してたわけではないのじゃ!)


ご先祖も大変だなぁ(他人事)

しかし温泉か…こんな森の中に?風情…なくない?まぁいいや。何が入ってるのかだけ見てみよう。濡れモフは…嫌いじゃないけど求めるモフではないからな。

***

葵の鼻と俺の耳を頼りに推定温泉の方へ向かう。道中で毒の鱗粉ばらまく蛾とか、ばかでかい立派な角を携えた鹿とかと接敵したけどまぁまぁ。大概はちょっと雷を足元近くとかに落としてやればビビッて逃げるので普通のダンジョンより楽だ。普通のダンジョンはなぁ…脅しても逃げねぇから…あ、蛾はキモいから丸焦げにした。


そして温泉?に着いた。

「着いたー!さてさて…どんな森の住民が使用しているのカナ?」

:くっそ!謎の湯煙で前が見えねぇ…

:なぜだ!我々は美女の裸を除こうとしているのではないのだぞッ!

:こんなところまで規制するとか頭思春期か?

:ダンチューブ貴様ッ!温泉というワードに反応したなッ⁉


この階層の水はどうやら温水であるらしい。川から普通に湯気が上っている。…生育的にどうなの?とか突っ込んではいけない。ここはダンジョンだからだ。地上の常識で物事を測ってはいけないのである。


そこに居たのは……カピバラ…ではなく。パンダだった。上野だもんな。そりゃいるわ。ちなみに、モフの楽園ダンジョンにはパンダは出現しないというのが今の常識だ。だがそんなことはない。下層以降じゃないと出ないだけだ。ここにパンダが居るのは知っていた。でも、だ。パンダが温水に浸かっているのは初めて見た。


「うわぁ…普段はフワッフワでモッフモフなパンダが…パンダちゃんがぁ…」

「ん、萎んでいる。全体的に丸いシルエットが影も形もない……」

@天音ch:やっと白狐さんの配信見に……ってナニコレェ⁉何も見えない…

:ここでまさかの天音ちゃんキタ――(゜∀゜)――!!

@天音ch:これどういう状況か教えてもらえませんか

:これはね…俺たちにも分からん!

@友人A:温泉に浸かっているパンダを目撃している…らしい(何も見えない)

:パンダはフワモフであるべきだろ…⁉パンダが萎んでいるなんて信じられねぇよ!


あ、カメラのレンズ曇ってる。なるほど、視聴者がうるさかったのは何も見えなかったからか。そして風繰さんがこんな配信に来てくれたようだ。


「ん、風繰さんいらっしゃい。今日の目的は上野でフェンリルを探すこと。そして今は……ショッキングな光景見てた。」

:ああ!白狐さんも黒狐ちゃんもお耳がへなぁっとなってる!!

:余程ショッキングだったのか。…⁉

@天音ch:あっ…

@受付お姉さん:ぱ、パンダが…私たちの知る愛くるしい白黒のモフじゃない…

@友人A:こんなのもはやけむくじゃらおばけだよ!!こんなんじゃ誰もグッズ買わねぇよォ~!


「おにぃ。行こう。この階層には良いモフなんていなかったんだ……」

「そうだな。今俺たちは何も見てない。」

:いや~、結局何もなかったでござるな!

:俺たち…何か忘れてる…?

:なんのことだ?まるで意味が分からんぞ!

:アーウ!


(ここの視聴者ノリがいいの~。)


ショッキングな光景を忘れるかのように俺たちはその場を後にした。(この配信後改めて上野ZOOへパンダを見に行った。)

***

下層3層にあのまま滞在して葵の言う良いモフの予感を改めて探してもよかったがずっといたら一生あのパンダもどきが脳裏に焼き付きそうだったのでさっさと4層へ降りた。


「黒狐ちゃんや、この階層はどーなの」

「む?むむむむむむ……むむっ!感じたことのないモフの気配を感じるよおにぃ!私のヨキモフレーダーにビンビンに来てるよ!」

:これは期待大か?

:まさかフェンリルを見れるなんて…

:もちつけ。まだフェンリルとは確定していないぞ。


アオーーーーーーン!!


「…今の聞いた?」

「聞いた。今のは狼系の遠吠え!」

:あまりにもタイミングが良すぎる

:これは…警戒している遠吠えですね俺は詳しいんだ

:えー?ほんとにござるかぁ?


一気にフェンリルの可能性が急上昇してきた。もちろん、ただの狼系の魔物である可能性も捨てきれない。だが、観測しないことにはフェンリルの可能性もそうでない可能性も存在する。アレだ。シュレディンガーのフェンリルだ。


とにかく声のした方へ俺たちは急いだ。無論、モフるためには力を示す必要があるだろうからいつ接敵しても問題ないように構えている。


「アレ、おにぃ、急に止まってどしたの。」

:おん?白狐さんどした?

:フェンリルは目の前かもだぞー?


……?争っているような声が聞こえる。しかも金属音も聞こえた。これは急いだほうが良いのかも?ご先祖、葵を頼む。先駆者が居る可能性が高い。

(任されようぞ!)


「ん、争いの音。それも金属音する。ヤバいかも。」

「え?それって探索者が居るってコト…?」

「かも。嫌な予感する」

:まさかの探索者に遭遇か⁉

:コレフェンリル狩ってるんじゃないの?

:漁夫って言われかねないぞ?


もちろん、ただ狩っているだけならそれでもいい。その時は大人しく引く。でも急激に嫌な予感がしてきた。


「【憑依転換】カイ。黒狐ちゃん、俺に捕まって。」

「りょーかい!」


カイを憑依させて木の上に移動する。

@天音ch:一瞬で木の上に移動してる?

:瞬間移動か⁉


「そう。瞬間移動。瞬歩にならって界歩って呼んでる」


現在地点と目視できる範囲の空間をつなげて圧縮することで移動の過程をカットしているともいえる。これならフウで移動するよりも早く目的地に着く。普段使わないのはあくまで俺の目的はダンジョン散歩だから。


そして木の上を移動して声のする方に着いた。そこでは手負いフェンリルと恐らくその子供。そして数人の怪しい白フードの集団がなにやらやっている。まだ、分からない。だから会話を盗み聞く。相手からは気取られない位置だから普通なら声は聞こえないけど、そこは俺の耳の出番。


「ふむ。まだ抗うかね。出力が弱いか。これも記録しておけ。」

「はっ」

「ではそうだな…おい、あの子フェンリルを痛めつけてやれ。」


……もういい。完全に黒。アレはフェンリルに何かの実験をしている。……何が目的かは分からんけども。介入して問題なさそうだ。


「お前ら。配信から目ェ逸らすな。」

:御意!

:方時たりとも離れないわ!


俺は界歩で一気に奴らの背後に赴いた。

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