40、ギジーのブートキャンプ
あああ予約投稿忘れてたぁ!
本日もよろしくお願いします。
メイリン名物、夏の泥かけ祭り。ポロリもあるよ(肉体から魂が的な意味で)!
思わず讃えられている本人(神)にそれで良いのかと問い合わせたくもなりましたが、また神殿の人が騒ぎそうなので自粛するとして……
街中泥だらけですと、食べ物の屋台は出せそうに無いですね……
そもそも店を開けていたら店内が泥だらけになりそうです。
そうなると私が出来そうな事は……
冒険者ギルドに行き仕事の依頼を出します。
受付の方と内容を詰めていると、冒険者に成り立ての子供を薦められました。私は構わないのですが大丈夫ですかね?
ギルドからもサポートを出す等と嫌な予感しかしない事を言われましたが、それで依頼を出しておきます。
依頼内容は新製品の宣伝と夏祭り中の実演です。祭りに参加すると言う一風変わった依頼と何故か高額な報酬に男女混じった十人の子供が集まりました。
私の店の前に集まった子供達は私と同い年か少し若い位ですね。
「この店って開店した時に甘いフワフワしたお菓子を配っていた所だろ? あれもう一度くれよ! 」
依頼主が同じ位の女の子と言う事でちょっと態度が舐めてますね。
「依頼主が誰であれ、依頼を受けたのならその態度は感心出来ないな! 」
店の中からギルドが派遣した嫌な予感のサポート、変態さんが顔を出し子供達に注意をします。
今日の一輪車のタイヤはオフロード用の凸凹が大きい物で、ピンクで花柄のレインコートと、大人し目な格好をしています……これを大人しいと思うなんて、随時と私も毒されてきた様ですね……
「変態教官ギジー……」
流石の子供達もギジーさんの登場に驚いてますね。
「年上の先輩には『さん』を付けんか! 」
ギジーさんが一喝しますが、変態の部分は注意しないんだ……
「皆にはお祭り迄の間、実演販売する為の体力と技術を養って貰います」
「身体を鍛えて金が貰えるとは、羨ましい依頼だよな! はっはっは! 」
「今回売り出すのはこの水鉄砲です」
街の外の森近くまで移動してから私が取り出したのは、背負いタンク式の泥水対応フィルター付き水鉄砲。
強力なポンプと付与した魔法陣で威力と収束率を上げて遠距離射撃を可能にしたタイプです。
「水……てっぽう? 」
「簡単に言えば、泥水を飛ばす道具ですね」
背中のタンクから泥水給水しつつ、手元のポンプアクションで加圧して対象を撃ち抜きます。
先ずは手本として私が背負い、加圧して木の根元に向けて引き金を……バシュ!
「こんな感じですね」
「いやいやいや、木の葉が吹き飛んでるし! 枝まで折れてるし! 」
「茂みの後ろに居たウサギが! ウサギが! 」
細かな泥の粒子が対象を削り、水だけよりも威力が上がっているようです。
「些細な問題です」
まだ息のあるウサギにトドメの一撃を……ゴメンね。
「……おまえら、死なないように鍛えてやるから……何とか生き残れよ? 」
「死にたくねえええ! 」
ギジーブートキャンプの開始です。
子供達が茂みに身を隠し、木を登り降りし森の中を駆け巡る。
かなりハードで子供にやらせる訓練メニューじゃないですよ?
「安全な海洋型ダンジョンで稼げる様になったから、実戦経験の乏しい子供冒険者が増えて来てギルドで問題になっててな。今回の依頼は丁度良かった、協力ありがとうな」
稼げるようにしたのは私ですからね、子供達が無駄に命を散らすのは私も心苦しいですよ。
「にしても、初めにあんな馬鹿げた威力の玩具でビビらすとは中々やるじゃねぇか! 」
カチャカチャ……
「おい、目を逸らすな! 何で全部の玩具の魔法陣を書き換えてる? おい! 」
実害が無ければ、些細な問題です。
皆が訓練をしている間に周囲の木を切り倒して寝床の確保です。
小屋を建てようとしましたが、野営の訓練もするので却下されました。
子供達は水タンクを背負い、森の中を走り回って水をかけあう……
晩御飯は温かいシチューでも作りますかね。
「出来れば野営の支度からやらせたかったのだが……」
既に子供達はへとへとで倒れて込んでます、とても支度どころでは無さそうですね。
「で、あの小屋は何だ? 」
「お風呂ですよ」
汗かいて泥だらけですから洗い流しませんとね。
「野営だから必要無い! 」
「ギジーさん、汚れたままで居ろとか、年頃の女の子に嫌われますよ? もう少し気を使わないとね? 」
水魔法で顔や手を洗わせ、皆でご飯です。
「このパン凄く柔らかい! 」
「こっちのシチューも美味いよ! 」
うんうん、子供が美味しい物を食べて笑顔になるのはとても良いですね。
「ほんと美味いな、この肉は何を使ったんだ? 」
「ちょうど良いウサギ肉があったのでそれを使いましたが? 」
ギジーさんの問いに答えると子供達が固まって……
「ウサギ……肉」「……ちょうど良い……肉」「ウサギさああああん」
「お前、今さっき俺に気を使えとか言ってたよな? 」
冒険者なのにそれはどうかと? 命在るものを食べるのが供養ですよ。
ご飯も食べたので先に女子がお風呂です。
バス、ゴゴゴ、ドギャ! 外が随時と賑やかですが…
……良い湯加減でした、その内に入浴剤とか作りましょうかね? 薬の範疇で無ければうちの店でも売れますよね?
さて、女子は上がりましたので男子の皆さんお風呂どうぞ?
おや? お風呂前に訓練の続きをしていたのですか?
まるでセンちゃんのノゾキ撃退モードの斉撃を受けたかの様に、全身が泥まみれですよ?
「なあ、もしかして周囲にゴーレム配置してる? 」
「当然じゃないですか、子供達をさり気なく守り危険を排除するのが大人の嗜みですよ」
「そ、そうだよな。大人は子供を守らないとな」
そうですとも! 子供の敵は強制排除です!
「まあ、センちゃんの撃退モードで追い払えないなら、弓子さんmarkⅡの実弾射撃が対象を殺す気で撃ちますけどね」
「殺す気で行くか……」
ええ、退かぬ敵にはガッツリ行きます。
「所でギジーさん、訓練が激し過ぎません? そのコートずいぶんと泥だらけ・穴だらけじゃないですか……お風呂している間に洗って縫っておきましょうか? 」
まるで何百何十もの矢の雨を掻い潜ったみたいにボロボロですよ?
「じ、自分で縫う練習をしているから……大丈夫だ! ……です」
「そうですか、折角の可愛いコート……大切に使いましょうね? 可愛いコートすら着れない生活とか嫌ですもんね? 」
「ハイ、ソウデスネ……」
野営は交代で起きて警戒します。
一晩で一本燃えて無くなるよう油や長さを調整された棒を半分に折り、その火が消える頃に寝ている仲間を起こし交代です。
クジの結果、私は最初に起きているグループになりました。
……正直かなり暇ですね。寝ている人をおこさない様に雑談も出来ません。
しかも、焚き火を見ていると暗闇が見えなくなるので、起きている人は皆さん焚き火を背に暗闇を睨みつけて警戒します。
実際は暗闇の中で私のゴーレム達が監視しているので、不意に何かが出てくる事は無いのですが……
まぁ、あえて教える事では無いですね。
警戒しているふりをして、玩具創りの内職でもして時間を潰しますかね……
此処まで読んで頂き、ありがとうございます。




