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11.依頼達成と街の秘密

本日二話目です。

 あの後、二百本近くのポーション作りを手伝い、何故か店先で呼び込みや売り子までもして夕方近くに依頼終了しました。

結構ハードですね、正面の門から怪我人が何人も出て来てポーションを買っていきました。


「今回おぬしには大変世話になったの、今日の給金じゃ受け取っておくれ」

そう言ってナルスお婆ちゃんは依頼達成書と金貨を三十枚渡して来ました。

金貨……銀貨だと三千枚分? ココちゃんを何日間モフれるの!


「これは、流石に貰い過ぎでは? 」

「なーに、腰も治して貰ったし。何より……まぁええ、色々お礼も兼ねてじゃ遠慮せんでええ」

そうですか、では貰えるならありがたく頂戴しておきましょう。こんなに貰えるとは、ナルスお婆ちゃんは良い人です。


「ナルスお婆さん今日はありがとうございました、また腰をやっちゃったら声かけてね? 」

「あぁ、その時は頼らせて貰うよ」

後は冒険者ギルドにこの紙を持って行けば終了ですね。


「お疲れ様、無事に終わったようね? 」

ギルドで依頼の終了手続きをしていたらウエイトレスな格好のステラさんが話しかけてきました。


 ステラさんが手に持っているのは飲み終わったボトルやジョッキです。

入り口周辺のテーブルで使っていた物でしょうか?

此処はお酒と簡単なツマミも提供していたのですね。でも、あの酔っ払いの為にもこのフロアを飲食禁止にした方が良いと思いますが。


 それにしても、ステラさんは何気に何時もギルドにいて、何か別の事をしていますね。


「えぇ、ポーションの作り方も教わりまして。報酬に金貨も貰えて大変に有意義な依頼でした」

「金貨?! あのがめつ……いえ、収支にとても厳しいナルスのお婆ちゃんが金貨?! 」

はて? そんな感じの人じゃ無かったと思いますが……まぁ、ポカポカと景気よく頭を叩かれた気もしますが。

人の印象というのは、受ける人によって結構違うのですね。


「ナルスお婆ちゃんに頼んでいた上級ポーション百本も無事に納品されたから、そのご祝儀かもね! 」

「上級……百本? 」

私、上級ポーションを二百本ほど手伝いで作ったのですが……


「そうよ、ギルドから上級のポーション百本を金貨三百枚で依頼してたの。しかし流石は街一番の調薬錬金術師ね、貴重な上級ポーションの材料やポーションに注ぐ魔力が良くもったわね」

いえ、私が全部作ったのですが……え? 百本で金貨三百? 貴重な材料と言っても普通の水と最下級のキューア草ですよね? 


 良い人だと思っていたのに、どうやら都合良くこき使われたみたいです。やってくれますね……まぁ、有用な話も聞けたし今回は勉強代としておきましょう。


「そう言えば、街の中心の方から怪我した冒険者さんが出てきてましたが、何かあったのですか? 」

「え? あの壁の向こう? あそこにはダンジョンが在るんだけど……その様子じゃ知らなかったのね……」

「ダンジョン……っと言うと地下迷宮ですか? あの魔物や罠やお宝があるという? 」

囁いて祈って詠唱して念じたり、石の中に飛び込む的な?


「ミウちゃんもダンジョンが目当てでメイリンに来ているのかと思ってたわ」

いえ、ダンジョンが在る事すら初めて聞きました。


「それじゃあ、あの壁は冒険者さん達がダンジョンに勝手に入らないように囲っているの? 」

「んー、それだけじゃ四十点。一番重要な目的は中から魔物が出て来ない様によ」

中から……出てくる? 魔物が?


「ダンジョンの中をどれだけ駆逐してもたまに出てくるの。だから魔物が街中に行かないように入り口周辺を囲って見張っているの」

随分と危険な事をしているんですね。


「その為と言うか……念の為に、この街では重要施設や一部の人達は自分の家を石造りにして魔物の襲来に備えているのよ」

それで石造りと木造が入り乱れてるのですか……一括で石造りにしてとかはしないのでしょうか?

「一つは石材の高騰ね、材料の石材がほとんど手に入らないのよ、だから石造りの建物の持ち主は有事の際に街の為や人の為にしなければいけない規約や義務が色々あるの。誰でも簡単に石造りの建物に出来る訳ではないのよね」

確かにこの街の周りは森とか草原でしたね、石切り場が近くに無いなら石は高価になりますね。


「それにしてもダンジョンかぁ、面白そうだから入ってみるのも良いかな。それで、私も冒険者だからダンジョンに入れるのです? 」

「ベテラン認定された冒険者の推薦とかギルドでのダンジョン探索資格試験に合格しないといけないから、ミウちゃんはまだ入れないわね」


「資格試験ですか、どんな事をするんですか? 」

「んー、簡単に言えば戦闘力とか生存力の試験ね。でもレベルが最低でも十になってないと試験も受けれないわよ? 」

「レベル……十? 」

そう言えば、レベルとかそんな項目もボードにありましたね。


「そうよ、その位は戦闘に慣れててくれないとダンジョンでは危険だからね。ギルドカードに魔力を流せば名前と種族・年齢とレベルだけとかステータスの数値を表示して他の誰かに見せる事が出来るわよ」

ステラさんが自分のカードを取り出し、右手の指を揃えて前に出しながらそう言うと、カードから小さいウインドウが浮かび上がる。


===============

名前:ステラ・ローリー 種族 :人間

年齢:**  ***:17

===============


 何と言う事でしょう、揃えた指が年齢付近を的確に隠しています!

恐るべし匠の技! ステラさんじゅうななさい!

回り込んで覗き込もうとしたら微笑みながら表示を消されてしまいました……


「では私も……」

ギルドカードに魔力を流しながら《ステータス簡易表示》


===============

名前:ミウ 種族 :人間

年齢:13 レベル:23

===============


 思っていた以上にレベルが上ってますね。

ついでに、数値表示もしてみましょう《ステータス数値表示》


===============

名前:ミウ 種族 :人間

年齢:13 レベル:23

生命力:22 魔力:--

筋力:24 器用:38

敏捷:17 知力:55

===============


 うん、相変わらず数値を見ても平均値が判らないから何とも言えない。

「ステラさん、ステータス数値の平均ってどの位なのですか? 」

「平均ねぇ、生命力と筋力の戦士職、魔力と知力の魔法職、器用と敏捷の盗賊職。それと持っているスキルの兼ね合いがあるから一概に言えるものでもないわねぇ」



 私もステラさんの真似をして魔力の部分だけ隠して数値を見せてみると。

「その歳でレベル二十三、ステータスも人並み以上……あーうん、そうよね……此処に来た時にミウちゃんゴブリンの耳を沢山持ってきてたからねえ……やっぱりアレは自分で狩ってたんだ……」

ステラさんが少し遠い目をして黄昏はじめました……

とりあえず驚くほどでは無いけどステータスは高い方らしいですね。


「しかし、本当に十三なんだ……そのサイズで……私の時は……」

あら、どうやら別の部分が原因で黄昏ていたようです。


「魔法使いとしてのステータスや戦闘力やレベルは問題無さそうだけど……試験前に最低限の防具や道具は揃えて欲しいかな? 」

軽い黄昏から復帰したステラさんが私の不備な部分を指摘してきます。


「道具の購入ですか? 」

「探索に必要な道具を揃えるのも生存力試験の一つよ? もしダンジョンに入るなら頑張って買い揃えてね」

ステラさんから武器や防具や道具を売っているお店の場所が描かれた地図を貰いました。


「それに、ココちゃんは獣人族だから嗅覚が良いわよ。いつも同じ服を着て汚い格好していると嫌われちゃうよ? 」

確かに! 着たきり雀でココちゃんに嫌われたら大変です。

この際一通りの装備を揃えておきましょう。


此処まで読んで頂き、ありがとうございます。

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