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10.ポーション作りを教わった

本日も三話更新します。

「ポーション作りを簡単に言えば、薬草を切って煮込んで濾して瓶詰めすれば完成じゃ」

「凄く簡単に言いましたね」

「問題は、どの薬草の、どの部分を切り取って、どの位の量を、どれだけ煮込むか。じゃの」

ナルスお婆さんはキューア草やリア草をテーブルの上に並べ始める。


「この薬草達の名前位は知っておろう? キューア草にリア草グロー草じゃ、先ずキューア草はこの若葉の柔らかい部分を使う」

「若葉以外では駄目なの? 」

「駄目と言う事も無いが、その分だけ効能が落ちるから使わん方がええな。では言う通りにやってみい」


 ナルスお婆さんの教え通りに、キューア草の若葉を丁寧に毟り、まな板の上で包丁を使い微塵切りに、そして鍋に水を…

「葉から出た汁に効能があるんじゃ、まな板を鍋の上で傾けて板の上の切った時に出た汁を水で洗い流す感じで鍋に注ぐのが、僅かでも品質を上げるポイントじゃ」

なるほど、こんな感じですね?


「そしたら後は弱火で沸騰させるまで火にかける、葉と水の比率を変えると効能が落ちるからな? 濃くすればよく効くとかは無いし、沸かすのが面倒と、お湯で作っても品質が落ちるから駄目じゃぞ? 」

色んな制約があるんですね、製薬だけに!

……ナルスお婆さんに、無言で叩かれました。なぜ聞こえた?!

そのままコトコト沸くまで数分間……


「沸騰したら別の鍋に濾し布を張ってよく濾して……そう、後は冷暗所で冷ましてから瓶詰めすれば完成じゃ」

おぉ! 初めてのポーション完成です! 抹茶のような色をしたドロリとした液体です。

「今の方法が錬金術でも何でもない、どの家庭でも作っている低級の傷薬じゃ! 」


==========

気休めの傷薬(☆1)

傷口に掛けると多少治りが早くなる。お子さんが居る家庭の常備薬。

擦り傷やチョットした切り傷にどうぞ。

==========


 オイコラ、ちょっと!!

「おぬしはこんな基本の薬すらも知らなかったじゃろうが! 」

……うぅ、そう言われると言い返せない。


「では錬金術での作り方を教えるかの。薬草や水の分量は先程と変わらん、若葉を毟るのも同じじゃ」

基本の部分は変わらないのですか、まるっきり無駄では無かったのですね?


「この若葉を水を張った鍋に直接入れ、この混ぜ棒でかき混ぜながら魔力を流し込みつつ【粉砕】ほれ若葉が粉になったじゃろ? そして【抽出】これで若葉の汁が全て出尽くした…後は濾し布で濾して瓶詰めすれば完成じゃ」


==========

初級傷薬(☆2)

傷口に掛けると治りが早くなる。

無理すると傷口が開くので安静に。

==========


 おぉ、凄い! 錬金術っぽい! 抹茶な色は変わらないけど、なんかサラサラしている液体になった。

「錬金術じゃろうが! ほら、おぬしもやってみい! 」

……また叩かれました、何故でしょう?声に出してない筈なのに的確にツッコまれます。


「魔力を流し混ぜながら【粉砕】そして【抽出】……出来ました! 」

「ふん、本当に基礎はあったようだね。錬金術が上達してくると【分離】ってのが使えるようになる、布で濾すよりもっと不純物が取り除かれて効能も上がるから精進して覚えときな! 」


 なるほど、不純物が効能を下げているのですか……

「【分離】……おー、濁りが無くなって澄んだ液体に! 」

鍋の中が七色に光ったと思ったら抹茶色が綺麗な緑色の液体に変わってました。

色合い的には炭酸の入ってないメロンソーダですね。

「なっ! 」

……驚いたナルスお婆ちゃんにまた叩かれました。これは流石に理不尽です。


「ナルスお婆ちゃん、ポンポン叩かないでよ」

「おぬし! キューア草と水だけで何作り出しおった!? 」


==========

上級傷薬(☆5)

傷口に掛けると瞬時に傷が塞がる。過酷な冒険のお供にどうぞ。

欠損は部位が残っていても治せません。

==========


「……上級傷薬(☆5)? 」

鑑定結果を教えたら、頭を抱えてしゃがみ込んでしまいました。

「何故キューアで上級が……」


 暫く鬱ぎ込んでたナルスお婆さんですが……

「さて次じゃが、錬金術には調合と言う技もあってな……」

全力でスルーと決めたようです、腰の具合も完璧ですね。見事な屈伸です。


「複数の薬剤を混ぜ合わせて新しい薬を作るんじゃ、ポイントとしては双方のレベルを同一に揃える事じゃな」

おぉ、新薬開発ですね? レベルと言うのは名前の横の☆の数字の事なのでしょう。


「例えば、キューア草で作った薬液にこの虫を潰して抽出した液体を入れて【調合】」


==========

初級虫毒消し(☆2)

患部に掛けると虫の毒を緩和する薬。

虫さされ痒み止めにどうぞ。

==========


「こんな感じで入れた物に関連する毒を消す薬になる、ただ薬液に混ぜただけではこうならん」

おー、毒消し草とかが有ってそれを磨り潰すんじゃなく、ワクチンとか血清みたいに対象の体液を使うんだ!


「ナルスお婆ちゃん、キューア草とリア草を調合したらどうなるの? 」

「さっきも言ったじゃろ! 双方のレベルを合わせんと調合出来ん! キューアとリアではレベルが違うから無理じゃ! 」

あぁ、そう言えばそうでしたね。

「まぁ、錬金術師の高レベル者なら出来ん事も無いがの」

出来るんですか……


「錬金術師の上位に合成と言うのがあってな、同じ物二つを合わせて素材のレベルを上げる事が可能になるんじゃ」

「つまりはキューア草(☆1)とキューア草(☆1)を合成してキューア草(☆2)を作り出すの? 」


「まぁ、そんな感じじゃの。ただし魔力を大量に使うぞ? その組み合わせでは正直に言って割に合わん、キューア草(☆1)程度でも人一人の魔力を殆ど使い切ってやっとじゃ。効能で考えたなら最初からグロー草で作った方がマシじゃな」

ついでですから色々と他の錬金の技も聞いておきましょう。


「変形とか接合はどんなやつなの? 」

「変形や接合は言葉通りじゃな、魔力を流し込んで物の形を変えたり、物と物を貼り付ける、道具作りには便利だがやはり魔力をそれなりに使うのぉ」


 素材のレベルが高くなるほど消費する魔力が高くなり、とてもじゃないが元が取れないみたい。

主に単価の高い彫金の業界で宝飾品のアクセサリーを作るのに使われているらしいです。


「付与とか融合ってのもあったよね? 」

「そんなの誰から聞いたんじゃ、付与は魔法の力を物に閉じ込める技じゃな。あたしも使えはするが調薬専門で魔法はからっきしじゃから詳しくは知らんの、そこらは魔法道具の職人の分野じゃな」

宿にも在った水道や照明器具を作る技なのですか。


「ん? そう言えばナルスお婆ちゃんも最初に言っていたけど、調薬の錬金術と魔法道具の錬金術の二種類あるの? 」

「知らんかったのか? あたしは調薬をメインに錬金をする調薬錬金術師、他にも魔法道具を作る錬金魔法技師の二系統があるんじゃ」

両方使える私はさしずめ調薬錬金魔法技師……長い。


「しかし、融合のう。あれは伝説の技じゃ使える者なんぞおらんぞ? 物凄い量の魔力が必要で何十人もの錬金術師が何日もかける技らしい。そうじゃな、合成が素材のレベルを上げる技だとすると融合は素材のランクを上げる技だと言われておるな」

伝説なのですか、普通に持ってますよ……


「魔力はともかくとして、使えるくらいに錬金術のスキルの高い人も居ないの? 」

「此処何十年かでは一人しか聞いたこと無いのぅ、国のお抱え錬金魔法技師長が使えるとの噂があるが。それ以上の情報は秘匿されておるしのぉ」

噂話ですら錬金術(☆8)のレベルに居る人は一人しか居ないのですか……


此処まで読んで頂き、ありがとうございます。

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