0-60話 第一次降魔事変 その26 円卓の騎士 3
はい。お待たせしました。1か月ぶりの更新です。仕事が忙しくなってきて思うように書く時間が取れません。そして何よりこの話を書くのがもう辛いwww自分の弱点は間違いなくバトルがgdgdになることですね。克服しなければなりません。一応前にも言いましたが、対応策として一度全部書いてみて後で編集でバッサリカットして展開をスピーディにすることをしてみようかなと思っています。悪魔戦もいよいよ後半戦!!あと20話以内で終わらせて早くEP2に行きたい!!頑張りましょう!!
あ、そうです!!初めて感想をいただきました。涙が出るほど嬉しかったです!!ありがとうございます!!これからもよろしくお願い致します。なんとか更新頻度を上げたいところですね。
オルファンは思案する。絶望的なこの状況を切り抜ける方法を。
勝利を確信した悪魔は得意気な顔で、にじり寄って来る。
オルファンは唇を噛みしめる。
「野郎……!!嬲り殺しにする気だ……!!」
オルファンの脳裏にひとつ策が浮かぶ。もう悪魔と正面切って闘うだけの魔力は残されていない。そもそもの話、精霊王の力こそ使えずじまいだが、自身の究極の魔術、終末魔導もとうとう通用しなかった。
初めからお互いが秘め隠していた潜在能力に格差がありすぎたのだ。
だが、逃げるだけならば……?転移の魔術は、攻撃の魔術よりも遥かに消費魔力が少ない。今残っている全魔力を使って逃げる事に徹すればこの悪魔を振り切れるのではないか?
オルファンは考える。今この場にいる、プルートゥ、ヴィクトル、DBCのみんなのことを。悪魔はイシュタリアの首都を目指している。ならばこうだ。みんなとイシュタリアの国ごと、悪魔の手の届かないとこへ転移させる。
グレンがオルファンに語り掛ける。
「悪くない策だ。籠城は愚策……。だが都市ごと遥か遠方に転移し、体制を整える。国ごと転移とはお前の考える事のスケールのデカさに恐れ入ったぜ。だがなあ。奴のあの顔は何だ?どうにも気にいらねえ。オルファンお前の思考は恐らくバレてる。奴は転移先を察知して先回りする気だ」
オルファンはグレンの言葉に苦々しく頷く。
「因果律を逆算した。俺が転移を試みた場合の確定予知を今見た。初代様の言う通りの地獄絵図だった。野郎……!!どんどん俺の魔術を自分のものに……!!ムカつくのが俺の魔術より精度が遥かに高くなっていってるってことだ!!戦士タイプだった俺が大魔導クラスの魔術を身に着けるのにどんだけ血の滲む
修練をこなしてきたと思ってやがる……!!」
プルートゥがヴィクトルに無線で確認をとる。
「ヴィクトル!!わかっているな!?」
ヴィクトルは力強く答える。
「無論だ!!プルートゥ!!この命を賭して我が王を逃がす!!オルファンが生きてさえいればいかようでも巻き返しがきく!!オルファンが死んだら全てが終わる!!イシュタリアだけではない!!世界が終わる!!それに比べれば俺達の命など安いものだ!!」
満身創痍のプルートゥのドラウグ二ィ―ルとヴィクトルのダークナイトメアが、にじり寄る悪魔に決死の体当たりを決行して動きを止める。
プルートゥがおもむろに叫ぶ。
「王よ!!今です!!!退避を!!!」
ヴィクトルも絶叫する。
「オルファン王さえご健在であればこの悪鬼を倒す手段も叶いましょう!!我らはこの命を賭してこいつを推しとどめます!!イシュタリアに栄光あれ!!」
悪魔の肉体は更に膨張し、覚醒段階が進む。ドラウグ二ィ―ルとダークナイトメアの軽々と持ち上げ、易々と握りつぶそうとする。
苦痛に顔をゆがめたプルートゥが驚愕する。
「この力……先程とは段違いだ……!!最早……打つ手なしか……!!」
ヴィクトルが口惜しさを滲ませる。
「この屈辱……!!!生涯忘れんぞ!!!悪魔ゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!」
コクピットごと握りつぶされそうになったその瞬間、オルファンのソルレリアウスの最後の魔力を込めた鉄拳が悪魔の頭に炸裂する。
膨れ上がった巨体ごと吹き飛んでいくも、すぐむくりと起き上がり、不敵な笑みを浮かべ再度にじり寄って来る悪魔
オルファンのソルレリアウスはもう二度とプルートゥのドラウグニィ―ルとヴィクトルのダークナイトアを傷つけさせまいと覆いかぶさるように守る。
オルファンは涙を流しながら二人に言ってきかせる。
「馬鹿野郎が!!!俺達は義兄弟だ!!生まれた時は違えど死ぬときは一緒だとあの時誓ったじゃねえか!!!!!ここでてめえらが死ぬことはだけは絶対に許さねえ!!」
涙をこらえながらプルートゥとヴィクトルは言葉を飲み込む。
「王……!!しかし……」
オルファンは遮るように絶叫する。
「忘 れ た と は 言 わ せ ね え ぞ!!!!!!」
一国を預かる王としては、部下に対しその身を挺し護る事は決して正しい事ではないかもしれない。
しかしプルートゥとヴィクトルはあふれる涙をこらえれずにいた。オルファンの義侠心と家臣を兄弟を想う心にひたすら胸を震わせていたのだ。
英雄戦争の時に誓った固い絆は、何よりも代えがたい血よりも濃い誇りとなっていたのである。
グレンはオルファンの心中を察する。
「(オルファン、最後の魔力を使ったか……。一国の王としてはまだ未熟。だが勇者アヴストゥ-ラとしてはそれでいい。いよいよ絶望的な状況に追い込まれたか。だがオルファン。お前には天祐がある。向かってくるこの闘気。アーディンやグラハム……。いや、今はキャスターヴだっけ?ハイクキングダムの天帝の手の物。それも円卓か。オルファンの奴底が知れん。円卓を独断で動かす人脈を持っているとは)」
最後の魔力を使ったソルレリアウスはもう満足に動けない。悪魔がオルファンら三機に対して渾身の薙ぎ払いが今まさに直撃しようとしたその瞬間。ヴィクトルとプルートゥを必死に守るオルファンが歯を食いしばる。
暴風?彗星?いや一体の機動兵器が猛烈な勢いで悪魔の頭上に飛び蹴りをぶちかます。
円卓の騎士炎獄帝モルドレットそのパイロットであるディアルド・ヴェイグランドがここぞとばかりに吼える。
「ハッハッハッハッハッーーーーー!!!!はじめましてかな?悪魔よ!!!早速だが 死 ね !!!!!!」
覚醒が進み、形態が変化し、最早全長300mに達しようとする悪魔の巨体が凄まじい勢いで弾け飛ぶ。
ガオグオオオオオォォォォアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!??????
痛烈な咆哮を発したのち、肉体が損傷が激しく立ち上がれない。再生が追いつかない。
ディアルド駆るモルドレットは岩山の頂上に立ち、仰々しいポーズを決めながら流暢に語り出す。
「イ・ゼルディア歴2011年。桃花舞う。春の日差し。クエイド城攻防戦に於いて、大将オルファンから切り込み隊長の任を仰せつかった!!反逆の狂戦士プルートゥ。撃破数210機、漆黒の騎士王ヴィクトル同じく撃破数210機!! だが、俺は、実に220機!!! イ・ゼルディア歴2012年アーガイア湖畔の戦いに於いてプルートゥ撃破数329機、ヴィクトル330機!!だが俺は、実に332機!!名誉撃墜王の称号を賜った!!!一番強く有能だった奴をまさか忘れちゃいまいな?そいつは誰だ!?誰だ!?そう俺だあああああああああああああああああああ!!猛撃の騎士王ディアルド・ヴェイグランド、そして円卓炎獄帝モルドレットただ今推参!!!オルファン!!久しぶりだなああああ!!!会いたかったぜ!!!!」
オルファンは思わぬ援軍に大口を開けて驚愕する。
「ディアルド!!!!!!!嘘だろ!!!!!?????お前故郷に帰ったんじゃ……!!!!」
ディアルドは照れくさそうに笑いながら、
「英雄戦争の後、死ぬほど迷ったんだよ。オルファンこのままお前の臣下になるのも悪くないってな。だが俺は既に天帝キャスターヴ様に忠誠を誓った身。絶対王家ハイクキングダムにこの身を捧げるってな。だがどうしたことだ?悪魔の存在を知り、上からはまだ戦うべきではないと制されたが
、率先してこの悪魔と戦っているのがオルファンまさかお前とはな。義兄弟の杯を交わした身だ。いてもたってもいられなくなってハイクキングダム国家機密でもある円卓を独断で持ち出して来ちまったい。いい歳して我ながら青臭いがな。こういう展開も悪くねえだろ?え?オルファン」
オルファンはぽかんと大口を開けて放心状態になっている。
その様子を見て内心ほくそ笑むディアルド。
「(ふふふふ……驚いて声も出ねえか……!!そうそうお前のその顔が見たかったんだよ!!来た甲斐があったってもんよ)」
オルファンは大声でディアルドに問いただす。
「ディアルドお前!!!!あの話はマジだったの!????」
仰々しいポーズを決めていたディアルド駆るモルドレッドが山頂からずっこけて滑り落ちる。
「オ……オルファン貴様という奴はああああああ!!!俺の話を冗談半分で聞いていたのかああああああああああああああ!!!」
オルファンが口をとがらせて反論する。
「だってよう。お前いっつもベロベロに酔っぱらった酒の席で自慢気にその話するんだもん!!絶対与太話の類と思うじゃん!?なあ!!」
オルファンの意見に同意するプルートゥとヴィクトル。
「そうだ!!ディアルド。忘れたのか!?英雄戦争の時のお前は、猪突猛進を絵にかいたような猪武者だったんだぞ。どんな戦でも一番槍に異常なまでにこだわり、武技は力任せで洗練さを欠き、何度打ち倒されても防御や回避をまともにしようとせず、やせ我慢をしつつ笑いながら正面から喰らいその上で敵を馬ごと叩き斬る。スレイヴ戦でも同じだ!!お前のような品性の無い無骨な戦士が。絶対王家ハイクキングダムの円卓の騎士だと!?にわかには信じられんわ!!」
プルートゥのかつての戦友に対する辛辣な言葉に憤るディアルド。
「野郎……!!プルートゥ!!!言いたい放題言いやがって!!貴様こそ戦場で狂戦士の狂化が勢いづき暴走状態になりやがって!!オルファンと俺とヴィクトルの3人がかりで力づくで止めたんだぞ!!流石にあの時ばかりは不死身を謳う俺も生きた心地がしなかったわ!!」
ヴィクトルがディアルドに問いかける。
「それはそうとして、ディアルド一体なんだ?さっきの話は?アーガイア湖畔の戦いでの俺の撃墜数は334機だ!!!スコアデータのリンクが遅れて申請が漏れただけだ。貴様の名誉撃墜王の勲章に異論がある!!お前あの時俺の背中を踏み台にして敵を討っただろう?いい度胸だ!!戦友を、漆黒の騎士王とまで謳われた俺の背中を踏み台にするとはここであの時の恨みを晴らしてやろうか!!」
喰ってかかってくるプルートゥとヴィクトルに対しディアルドも激昂する。
「久しぶりに再会したと思ったら有無を言わせず憎まれ口か!!!信じられねえ!!驚いたぜ!!まるで成長していない!!!こんな芋侍どもを連れていかにゃならんオルファンの気苦労が知れるわ!!イシュタリアも人材不足が深刻だな。安心しろ。オルファン!!俺はこの無能共とそもそも出来が違う。すぐにでも悪魔をぶっ倒し、ささやかながらお前に勝利と栄光を送るとしようか!!」
怒り心頭のプルートゥのドラウグニィ―ルとヴィクトルのダークナイトメアがディアルドのモルドレッドに飛びついてくる。
「言わせておけばああああああああああああ!!!」
「その煩わしい罵詈雑言を止めさてやるぞ!!!」
ディアルドも受けて立つ。
「来やがれ!!!今度こそ決着をつけようじゃねえか!!オルファン幕下の将軍で誰が一番強いのかをな!!」
当初の目的を忘れ、救援に来た早々、味方と仲間割れを始めるディアルド。
特殊な地上監視システムで事態を監視している軍師メルリヌスと天帝キャスターヴ。
メルリヌスが嘆く。
「ディアルド卿って一体……」
キャスターヴはカラカラと笑う。
「はっはっはっはっはっは!!!そら見て見ろ!!悪魔の奴が呆気に取られているぞ!」
仲違いをする3機を呆けた顔を見ている悪魔。
キャスターヴは興味深く悪魔の顔を観察する。
「ふむ。悪魔か。こうしてよく見てみるとなかなかどうして愛嬌のあるかわいらしい顔をしている。我のペットに欲しいぐらいだ」
キャスターヴは無類の動物好きで有名であり、世界中の面白い生き物を取り寄せては飼育して愛でる癖があった。嗚咽を漏らすメルリヌス。
「ヴォエ!!アレが!!??天帝様のセンスには私ついていけそうにもないですハイ……」
突如争い合う三人にオルファンは激を飛ばす。
「またかよまたかよまたかよ!!!やめろーーーーー!!!!なんでお前らそんなにつええのに喧嘩ばっかすんだよ!!!!全員が最強だ!!!俺が保証する!!!!プルートゥもヴィクトルもディアルドも俺の誇りだ!!!イシュタリアの宝だ!!!!」
オルファンの声を聞くなり、喧嘩をやめる3人。そしてしばらく沈黙が続いたと思えばオルファンを含め全員が笑い出す。
「「「「わはははははははははははははははははははははははははははははははは!!!!!」」」」
プルートゥが眼を細めて呟く。
「我らが仲違いすると決まってオルファンはその言葉を言ってくれていた……」
ヴィクトルが懐かしそうに口を開く。
「言わば殺し文句にも似た響きがある。あの頃は……。あの頃はそう……」
ディアルドが眼を瞑ってヴィクトルのダークナイトメアの肩を抱きながら言う。
「青春ってやつだろ?英雄戦争の時の俺達は一陣の熱き風となっていた。天下の義侠足りえるオルファンの元で振るう俺達の武勇こそ騎士の本懐そのものだった」
オルファンはそれぞれに言ってきかせる。
「今は……何か変わったかい?」
プルートゥの眼に思わずうっすらと涙が浮かぶ。
ヴィクトルの眼にも、
ディアルドはもう涙を流していた。
ディアルドは自身の失った何かを取り戻しつつあった。ディアルドはオルファンに応える。
「何も……何も変わっていない……!!俺は……俺達は何も変わっていない」
皆の気持ちがひとつになる。ディアルドのモルドレッドがひざまづく。
「我が敬愛するもう一人の王よ。これより悪魔の首を獲って参る。僭越ながら申し上げる。悪魔を仕留めた暁には褒美として我が願いをお聞き届けて頂きたい!!いかがでしょうか!?我が王オルファン!!」
オルファンはディアルドに迫力に気圧されながら。
「お……おお!!お前がそこまで言うのであれば……!!しかし大丈夫か……??悪魔はこの世の物とは思えないはずのふざけた強さだぜ!?」
ディアルドは片目でウインクする。
「俺とモルドレッドも ふ ざ け た 強 さ だ」
つづく
読んでくださってありがとうございました!!なおディアボロスは不定期更新です!!




