0-27話 バウンティディヴィジョン ヴァナティック邸の攻防 その26
久々の更新です。お待たせして申し訳ありませんでした。依然スランプ気味で全く筆が進みません。モチベも低くこういう時は焦っても仕方ないので、またスラスラ書けるようになるまでのんびり不定期更新でやっていきたいと思います。まずはエタらないようにこの物語を完走できるよう頑張ります。
ドイルとグレイヴの脳内に、精神に、形状が更に変形したデスペラード。そのコア、ブラックボックスからコードの力の奔流が流れ込む。
(……コードを唱えよ……!禁忌の扉のその先へ……!大海の標……!古の力……!炎の翼…!我と共に…!我の名は……!)
(……コードを唱えなさい……!風のささやき、火の揺らめき、水の慈しみ、光の羨望、私の魂は貴方と共にある…!!そう……私こそ……!)
ドイルとグレイヴが苦しそうにうめき声をあげる。
「ぐううああああああああああ!!!頭にすげえ数のコードが……!力が……!入ってきやがる!!!!!頭が割れそうだぜ!!!」
「これがブラックボックスとやらの本当の力なのか!?よせ!!やめろおおおおおおおおお!!!これ以上は俺の身体が保たんぞおおおお!!うわああああああああああああああ!!」
苦しみ抜いたドイルとグレイヴの表情が、急に晴れやかになる。
「頭痛が……止んだぞ……!!なんだよ!!なんだよ!?この膨大なコードの数は!!!?俺が今まで使っていたコードなんてただの1%にも満たなかったっつうのか!!この力!!全部俺の力なのか!?この力が全部使えるってのか!!?これが全部俺の物なのか!?ははははははははは!!すげえ!!!すげえぜ!!もう誰にも負けねえ!!!!負けるはずがねえ!!」
「ふふふふ……ははははははは……!!!最早こいつは機動兵器という次元を越えている!!古の魔術の力!!これこそが悪魔を倒す力という事か!!!!そしてまさに俺の求めし禁断の力だ!!」
サンダース及びBF隊の隊員達は、更に性能が増し、戦闘力が圧倒的に向上したと思われる両機に対して畏敬の念を抱かずにはいられなかった。
サンダースが青ざめながら、よろけつつ言い放つ。
「な……何なのだ!!アレは……!!あの形状、以前の物とはまるで違う……!ま……まるで……悪魔の如き禍々しいフォルム……!!我々はよもや悪魔と戦っていたというのか!!?」
ドイル機とグレイヴ機、両雄ゆっくりとBF隊の大軍に対して歩いてくる。ドイルがグレイヴに笑いかける。
「さあて!ご機嫌なパワーアップをしたところで、賭けの件忘れてねえだろうな!?」
グレイヴが余裕たっぷりに答える。
「当然だ。貴様が吠え面をかくところを早く見たいもんだぜ!」
「ほざいてろ!!負けた奴は晩飯1週間抜きだぜ!!!いくぜええええええええええええええ!!!しょっぱなから全開だああああああ!!!ラッキー!!振り落とされんなよ!!」
「よしきた!!!アニキ!!!!オイラの頭にもコードが入ってきたぜ!!こいつはすげえや!!しっかりサポートすっから任せておけって!!!」
「ふん!!この賭け!!ストーム家の名に懸けて、必ずや勝ってみせるぞオルブライト!!悉く圧倒的にな!!」
「コードの力わたくしめにも刻まれました。この力まさに深淵なる魔の力!危険ではありますがグレイヴ様ならば使いこなせると信じております……!!」
ドイル機とグレイヴ機の更に進化したデスペラードが、猛烈な勢いでブースターを吹かしながらBF隊の大軍めがけて襲い掛かってくる。うろたえるBF隊。中には逃げ出すものも出てきている始末だ。
「うひいいいいいいいいいいいいいいい!!」
「く……来るぞおおおおおおおおおおおお!!」
「も……もうダメだあああああああああああああああ!!」
次々と逃げ出すスレイヴ達を殴り飛ばし、捕まえて、敵前逃亡をなんとか防ぐサンダース機。加えてサンダースは叫ぶ。
「馬鹿ものどもおおおおおおお!!逃げるなあああああああ!!BFの恥さらしが!!敵前逃亡とは何たることか!!!うろたえるなああああああ!!ケイイイイイイイイイジ!!!!奴らの機体を貴様はどう見るううううううううううううううううううううう!?」
突然名前を呼ばれ驚き慌てふためくも、すぐ平静を取り戻し、ケイジ諜報員は極まった進化を遂げつつある悪魔のような凶悪な姿と化したデスペラード分析する。
「あ……あの機体のポテンシャルには本当に驚かされます!!弱点を庇うどころから更に出力を大幅に上げてくるとは!!しかし、あれは以前のもよりも明らかに遥かに大きな超パワーの奔流。フォースエーテルリアクターの限界を超えた負荷がかかる自殺行為にも等しいパワーアップと思われます!!エネルギーの消費も膨大なものになる事が予想されます!恐らくパワーを出し切ったものであれば、リアクターがエネルギーの負荷に耐えられず、逆流してオーバーロード……!なんにせよ機体はもう戦闘体勢に入る事すら不可能になる事かと!!」
諜報班チーフのケイジ隊員の冷静な分析を聞いて、にんまりと笑みを浮かべるサンダース。そしてサンダースは全軍に言い放つ。
「皆のものォォォォォォォォォ!!聞いたか!!ここだ!!ここのなのだあああああああああ!!ここを凌げば我々は再び勝機に相まみえる!!!コマンダードールの精鋭達を前衛に放ち、貴様らは距離をとって後方に回り、一斉射撃で敵機を牽制だ!!更に更にパワーを過剰に使わせるんだ!!!なあに前回の出力をゆうに超えている超パワーだ!!すぐにオーバーヒートを起こして動けなくになる事だろう!!!その時がチャンスよおおおおおおお!!今度こそは必ず仕留める!!いけえよやあああああああああああ!!!BF隊の精兵達よおおおおお!そしてええええええ!!我が僕コマンダードール達よおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
猛然と迫りくるドイル機とグレイヴ機に、真っ向から風を巻いて立ち向かっていくコマンダードールのスレイブら、ドイルの眼が蒼く光り叫ぶ。
「へっ!!いい度胸だ!!逃げ回るなんて性に合わねえんだ!!男は黙って真っ向勝負よおおおおおおおおおおおおおおおおお!!たくさんコードがあってどれを使うかは迷っちまうが!!まずはこれに決めたぜ!!ファクター99966 シーケンス0カウント!!リバースコードマニファクチュア!ワーズ&ワース、定型疑似呪文代!! "剣に宿りしは我が宿命、猛る紅の炎、邪を断ち、魔を裁く"
バスタードザンバ―!!フルアクティヴ!!コード!!魔導剣! 紅炎武装魔術!!うなれ炎の剣よ!!喰らいやがれえええええええええええ!!」
ドイル機がバスタードザンバ―を掲げた瞬間、ザンバーのギミックが解放され、ザンバーから紅の炎が猛り狂う。ただでさえ身の桁を越える巨大な大剣であるのに、炎の剣となって更に刀身の全長が2倍以上に伸びている。長い炎の剛剣をそのまま豪快に振り回すドイル機。炎の斬撃の嵐がコマンダードールのスレイヴ達を瞬く間に包み斬り裂く。
「オラオラオラオラオラオラ!!死にてえ奴あああああああ!!まとめてかかってきやがれええええええええ!!消し炭にしてやるぜええええええええええ!!!ひとつ!ふたつ!みっつ!よっつ!いつつ!むっつ!ななあああああつつ!まだまだいくぜえええええええええええええええええええ!!どうしたああああ!!グレイヴ!!この調子じゃあ賭けは俺様の勝ちのようだなああああああああああああああ!!」
ドイル機の約2倍強に伸びた業火の剣の猛威は凄まじく、コマンダードール達のスレイヴらを消し炭にするだけでは飽き足らず、辺り一面を瞬く間に焼け野原の焦土と化す始末であった。げに恐るべき破壊力である。
グレイヴ機がドイル機に負けじとハルバートランチャーを掲げる。
「ふん!!貴様のコードの力とはその程度のものなのか!?ドイル!!俺が本当のコードの使い方というものを見せてやるぜ!!ファクター111943。シーケンス0カウント!リバースコードマニファクチュア!ワーズ&ワース 定型疑似呪文代入!"戦塵に舞う雷光よ!我が槍、我が身命に宿り、その威光を示さん! コード!!雷光武装魔術!!クズどもが!!百戦錬磨の俺の槍捌きに加えて、ほとばしる雷の咆哮をたっぷりとお見舞いしてやるぜ!!くらえええええええええええええええええええ!!!走れ!!雷光ォォォォォォ!!」
グレイヴ機のハルバートランチャーのギミックが展開し、突如、暗雲が立ち込め、天空より雷が飛来し、ハルバートに直撃した瞬間、耳をつんざくほどの轟音が響き渡り、まばゆい雷光が周囲をほとばしる。
BF隊のスレイヴ達を雷の嵐で焼き尽くし死に体になったのを確認するや否や、グレイヴ機は猛り狂う雷を纏ったハルバートを猛烈に旋回させ、縦横無尽に振り回し、更に追撃を加え敵機を破壊し尽くす。
グレイヴは得意気になって言い放つ。
「はあああああああああああああ!!!どうだ!!!こっちはまとめて10機だ!!ドイル!!この勝負貰ったぞ!!!」
ドイルが負けじと言い返す。
「ちっ!!調子に乗りやがって!!俺の剣捌きはまだまだこんなもんじゃあねえんだよ!!俺の本気ってやつを見せてやるぜ!!」
「ふん!俺についてこられるのならついてきてみろ!!実力の差というものを思い知らせてやる!!」
炎の剛剣を振るうドイル機と、雷の長槍を振るうグレイヴ機。両雄、ブースターを加速させ、競い合うように敵陣に斬り込み、これでもかというほどに縦横無尽に暴れ回る。敵機を斬って捨てれば斬って捨てるほど、その勢いは激しく増していき、とどまることを知らず、やがてドイル機が斬り放つ斬撃は業火の旋風と化し、グレイヴ機が振る槍撃は雷の嵐となっていく。
まるで炎と雷が融合したような見事なまでのコンビネーションで、次々とBF隊のスレイヴ達を撃破していく。その前代未聞の連携攻撃にサンダースはじめBF隊の隊員達はただただ圧倒されるばかりだ。
サンダースは怯えながら叫び出す。
「な……なんということだ……!!!ありえん……!!炎の剣と雷の槍だと!!?一体どこまで強くなる!?こ……これが奴らの本当の力というのか!!何をしている!!後方部隊!!包囲をもうすんでいるはずだああああああ!!一斉射まだかああああああああああ!!」
「サンダース分隊長!!これをご覧ください!!」
後方に控えているBF隊隊員が駆るスレイヴ達が持ってきたのは、アーマードバスターキャノンそしてアーマードガトリングキャノンといわれる大型の銃座式の大砲と機関銃、数機だ。スレイヴ自体がこの銃座にまたがり大砲や機関銃を起動し、対象に向かって砲撃を加える仕組みになっている。元々、敵軍の拠点及び、拠点防衛兵器、対戦艦、メタルスレイヴ・オーバーサイズといった大型兵器を轟沈する為に作られた超火力型兵器であり、その威力は折り紙つきである。サンダースは思わぬ援軍に狂喜乱舞する。
「おおお!!これじゃあああああああああい!!!!よくぞみつけてきたあああああああああああああああ!!!通常の一斉射撃にこの対艦兵器の威力を加えればさしもののデスペラードとやらもひとたまりもあるまい!!!よおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおし一斉射!!!!準備はできたな!!放てえええええええええええええええい!!!アーマードキャノンとガトリングも忘れるなアァアアアアアアアア!!」
ドイル機、グレイヴ機を既に包囲しているBF隊から一斉射撃が撃ち放たれると共に、先のアーマードバスターキャノンとガトリングキャノンの砲撃もけたたましい轟音と共に次々と放たれていく。
ドイルとグレイヴは同時に叫ぶ。
「コード!!"上級魔術守護領域"」
ドイル機とグレイヴ機の周囲を光のオーラの防壁が包み、豪雨のような敵の一斉射撃を凌ぐ。だが、通常の一斉射撃は問題ないが、アーマードバスタ―キャノンおよびガトリングの砲撃は一発一発が着弾する度にバリアーごとドイル機、グレイヴ機を吹き飛ばさんとする勢いに余りあった。ドイルがたまらずうめき声を上げる。
「うおおおおおお!?フィールドごしでもこの威力かよ!!!!なんてものを持ってきやがったんだ!?あのバカでけえ大砲!!あれってぶっちゃけスレイヴ用の兵器じゃねえだろ!!」
グレイヴが歯を食いしばりながら皮肉っぽく笑い答える。
「厄介な……!!このふざけた火力……!!拠点攻撃用もしくは対艦用の兵器だな……!!くくくく……!あんなものを持ち出すほど敵さんはよっぽど俺たちの事が怖いらしいぜ…!?」
ドイルが悪戯っぽく笑いながらグレイヴに話しかける。
「閃いたぜ!!へっへっへっへーー!!よう!クソエリート!?お前にはできるか!?こんなことがよおおおおおお!!」
バリアを纏ったまま空中高く飛び上がるドイル機。グレイヴが呆れ返りながらドイルのむこうみずな行動を叱咤する。
「バカが!!調子に乗りやがって!!今飛び上がったら的になるだけだ!!いくらフォースフィールドからあるからといってあの火力を一身に受けたらただではすまんという事ぐらいわからんのか!!」
ドイルは一瞬眼を瞑り意識を集中させ、再び眼を開く。ドイルの眼が蒼く光り、口早に叫び出す。
「ファクター235618 シーケンス0カウント!リバースコードマニファクチュア!ワーズ&ワース!定型疑似呪文代入!"修羅の獄より来たれ!燃えさかる古の業火よ!生きとし生けるもの全てを焼き尽せ!!コード!!修羅ノ業火!!」
飛び上がったドイル機は右拳を勢いよく振るうと、それに呼応するかのように、巨大な火の玉がどこからともなく生成され、勢いよく敵陣に放たれる。BF隊のスレイヴ十数機をまきこみながら
業火の火球はまるで意思を持っているかのように暴れ狂う。BF隊の隊員達は、現実とは思えない阿鼻叫喚の地獄絵図にただ絶叫するしかなかった。
「なんだこの炎は!?一体どこから現れたあああああああ!!ぐわあああああああああああああああああ!!!焼けるゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!」
「うわあああああああああ!!こっちにくるぞおおおおおおお!!がああああああああああああああああああ!!」
「やめろおおおおおおお!!やめてくれええええええええええ!!!熱いいいいいいいいいい!!あぎゃあああああああああ!!」
BF隊のスレイヴ達を巻き込めば巻き込むほど、業火の火球はどんどん大きくなって勢いを増していき、そして最後にはアーマードバスターキャノンを構えているスレイヴに直撃して大爆発を起こす。
「ぐおあああああああああああああああああああああああああ!!!」
ドイルは得意気に笑い、ガッツポーズを作って、見得を切る。
「へっ!イエーーーイ!!決まったぜ!!更にまとめて10機撃破ってとこかあ!?これで計25機!!おまけにあのうっとおしいバカでかい大砲を焼き尽くしてやったぜ!?どーーーーだ!?クソエリート!!!これが俺様の本当の実力ってやつよ!!思い知ったか!!できねーだろ!?こんな芸当お前には!!うひゃひゃひゃひゃひゃ!!」
グレイヴは得意気になっているドイルを鼻で笑い。眼が赤く光り、コードを口早に唱えだす。
「ふん!!バカが!!その程度でいい気になるなよ!!アマチュアめ!!ファクター324567 シーケンス0カウント!リバースコードマニファクチュア!ワーズ&ワース!定型疑似呪文代入!"舞うは風!吹きすさぶは嵐!、我が大いなる意思となりて、大気を斬り裂け!!コード!!風魔斬空禍!!!!」
今度はグレイヴ機が逆方向に風の力を纏ったハルバートを振りかざす。すると瞬く間に風の刃が形成され、その刃が一陣の疾風となって対角線に陣どっている敵軍に襲い掛かる。その真空の刃に触れた敵機は斬り裂かれ次々とバラバラになっていく。絶叫するBF隊の隊員達。
「こっちにも来るぞおおおおおおおおおおおおおお!?今度はなんなんだよおおおおおおおおおおおおおおお!!!うおあわああああああああああああああああああ!!」
「ぎゃああああああああああああああああああああ!!!コマンダードルの前衛部隊を斬り裂いて俺たちのところまで!!」
「一体アレは何だ!?あんな兵器は見た事がないぞ!!そうだ!!まるで魔術だ!!おとぎ話の魔術の力だ!!」
「バ……バカな事を……!!そんなものはあり得ない!!実在するはずがない!!!ぐうううう!!尋常じゃない切れ味だ!!!?うおおおおおおわあああああああああああ!!」
一陣の疾風の刃一つ一つが連なり大きな旋風となって敵陣を襲い暴れ狂う。アーマードガトリングキャノンもとろもスレイヴ達を風の刃が一掃する。
今度はグレイヴが得意気になって見得を切る。
「わはははははははは!!ざっとこんなものだ!!ドイル!!見ろ!!まとめて15機葬ったぞ!!計30機!!どうやら貴様のコードより俺のコードの力の方が優っているようだな!!俺は生まれついてのエリートだ!!貴様とは出来が違うんだよ!!」
自分より常に1歩先を行くグレイヴの奮闘ぶりに、顔を真っ赤にして腹を立て地団駄を踏むドイル。
「言わせておけばあの野郎ォォォォォォォォォォォォォォォ!!!調子に乗りやがってええええええええええ!!おいラッキー!!今度は奴よりもっとすげえコードをぶちかましてやるぜ!!」
つづく
読んでくださってありがとうございました!感想お待ちしております!




