エピローグ
昨日の夜中の嵐が嘘のような、朝だ。
男の子二人と、女の子二人が砂浜の上を走り回っていた。
周りに、子供の笑い声がこだましていた。
傍らには、父親と母親らしき人影もあった。
「Too much run、 you fall down(あんまり走ると転ぶわよ)」
と母親が子供たちに向かって注意した。
それでも、子供たちは、波打ち際で遊んでいた。
案の定、女の子が躓いて波の中に倒れこんだ。
目に、砂が入ったのか泣き出してしまった。
すると、ふたりの男の子がすぐに駆け寄ってきた、女の子のてを引いて起こした。
ハンカチで目を拭いているようだった。
女の子が、男のほうへ走ったきた。
「Daddy」
と呼んで抱き着いてきた。
男は、両腕を広げて母親譲りの金髪とブル‐アイの女の子を抱きしめた。
傍らの男の二人も駆け寄ってきた、母親らしき女性の傍に立っていた。
「Maria loves father、too much。Mom loves father than Maria(Mariaはお父さん大好きだもんね、ママはマリアよりもお父さん大好きよ)」
と言った。
Mariaと呼ばれた女の子はの父親の首に手をまわして取られないようにとしているようだった。Mariaの首からかかったロザリオが、父親の背中に垂れて揺れていた。
ここは、フィリピンのパンガシナン州のリンガエン湾のビーチだった。
半世紀以上前に、ここは米軍の艦船で一面埋まり、その上空をフィリピンにおける最後の一機まで特攻機が飛んだ空である。
そして、最初の特攻機が飛び立ったところでもあった。
今は静かに白いビーチに波が寄せている。
近くには、日本軍と米軍で本格的な戦車戦が行われており、アメリカ軍のM3スチュアートによって、敗退しており、リンガエンビーチには、M3スチュアートが戦争遺構として設置されている。
今は、フィリピンには米軍基地もなく、戦闘機がこの空を飛ぶことはない。
空は今も昔も変わらない。
Cerulean Blue skyだ。
願わくば、この空に二度と爆弾を抱いた戦闘機が飛ばないことを願う。
人の命が、武器となるような時代が来ないことを願う。
知らないというだけで、恐怖抱くのではなく、理解しようとする努力をすることを願う。
最後に、国と国、人と人との交渉の手段として二度と戦争が選択されないことを願う。
小説自体は完結です。
このあと、すこし私のこの小説に対する思いを書いてみようと思います。




