ナインアース
俺はだだっびろい部屋でくつろいでる。軽い修行をしながら。
今俺が行ってる修行は混合技だ。ちっちゃい火の球とちっちゃい風の球を合わせている。ただ合わせるだけでは火が大きくなるだけだ。それじゃ意味がないのだ。黄金比。そう黄金比があるはずだ。
難しい事に理屈と違うイメージをしても上手い事いかないのだ。
二つの球をミリ以下の単位で調節しあう。……
そんな事をしてから二時間。完成した。
火の球を風の球で覆って凝縮させるのだ。そうすることで中で火の質量が渦巻く風で増えていく。風がその膨脹に耐えきれなくなり火が爆発を起こす。さらに風の刃が炎を纏って拡散する。
なかなか格好いいじゃないか。これなら馬鹿でかい太陽も応用できるな。うん。
そうだ名前を決めよう!
んー。火と風か。なんか格好いいのないかなー。
とりあえず格好つけとくか。
煌炎・爆風刃とでもしておこう。
コンコン。ドアがノックされる。
「神 様入ってもよろしいですか?」
大好きな声が聞こえてくる。エクセリアだ。
「あ、はい、どうぞ。」顔は妹だと言うのにエライてんぱってるじゃないか。神さんよ。
あれ?側近がいない。余計にてんぱるじゃないか。
「女王様。お一人でどうなされました?」
そう言っておく。
「神 様。単刀直入にお話します。我が王国の守護騎士団へ入って頂けませんか?実は私も初代エクセリア様から貴方の事を伺っておりました。貴方はこの世界を救ってくれる人物だ。と。必ずや私の力になってくれるであろうと。そうおっしゃっていました。」
「守護騎士団?」
「ええ。そうですね。まず順を追って話していきます。
我が王国であるジャーパン王国はパトリックワールドに古くから伝わる封印の宝玉、セブンアースの1つレッドアースをお守りしてきました。」
ジャーパン王国。ジャパーン。ジャパン。ジャペーン。日本か。
案外単純だな。思わず笑ってしまいそうだった。
「ナインアース。ですか。」
「ええ。ナインアースはこのパトリックワールドを維持するため封印された秘宝なのです。」
「そのうちの一つがこの国に。他の8つは?」
「力のある諸国が保持しております。」
で、それを俺に守れって事は危険が近づいてるって事か。
「ですが魔王ゲルスがこの封印を解こうとし、各、諸国を狙っているのです。現在、私達の国もバンナダルと言うゲルスの手先に狙われ、危ない状態であります。そこで神 様にお力添えをと思い、お話をしに来たところでございます。」
理解。だが守護団かぁ。まずそこが俺にとっては問題だ。
知ってると思うが俺は一匹狼だ。群れる事は苦手なのだよ。
「ええ。話はわかりました。」そう言うとエクセリアは嬉しそうに
「本当ですか!?それでしたら」と話はじめたが俺はそれを遮った。
「ですが聞きたい事があります。」
エクセリアはどうぞ。と少し不安そうな顔で言う。
またそれも可愛い。
「俺はこの世界を救う事を初代エクセリアより任されました。決してこの国だけでなく世界をです。そこで聞きたいのはナインアースは一つでも守られていれば助かるのですか?」
「いえ。そういう訳ではありません。9つそれぞれでこの世界を維持しているので封印を解かれてく度に世界のバランスが崩れて行きます。
全て封印を解かれてしまうと、、、現世とパトリックワールドが繋がってしまうのです。もしそんな事になったら。。。」
女王様は泣きそうだ。糞!こうなったらやるしかないな。
「俺が全てのアースを守って見せます。というより先にゲルスって野郎をぼっこぼこにしてやればいいんですよね?」
「そんな事、出来るんですか?」目がウルウルしてる。
こんな可愛い人を苦しめる糞共は断じて許せんな。ましてやこの世界が崩れれば愛しの妹にも危険が及ぶやもしれん。それだけは絶対に阻止しなければ。
「神 様。」そういって俺に抱きついてきた。
え?あ、いやん。妹と同じ顔にそんな事されたらお、俺の妖刀が、、、
ムラサメしちゃうぜ。あ、馬鹿!俺!そんな空気じゃないだろ。
俺はエクセリアの肩にそっと手を添え服を少しずつ、じゃなくて
そっと抱きしめて
「必ずや世界も女王様もお守りいたしましょう。」
そして芽亜もな。
先ずはバンナダルだな。こてんぱんにしてやらぁ!!
心の中で気合いを入れた。
こうして俺の二つの世界をまたに掛けた戦いが始まる。
………………ックククク
屋根裏で不気味に笑っている影が見ていた事は二人は気づいていない。
次号へ続く