066 伝説の魔法
「ハンバーグ美味しかったわね」
「……そうだね~」
美味しかったけど、それ以外が相変わらずだったもんなぁ。
ナッシュくんもやるなら全部やってほしいよねっ
「ナッシュさんはまだ若いのに料理人としての能力が高いんですね。いい人が働いてくれて嬉しいわ」
そりゃ私も嬉しいけど、秘密にされてたのが気になるよね。
ナッシュくんもお説教なんだからねっ
「午後の授業は魔法の実技よ。ひよりちゃんは魔法は得意?」
「え?魔法は使えないよっ」
「本当に?」
「うんっ!」
スキルがないと使えないんでしょ?
それに魔力とかわかんないもん~
「おかしいわね。美咲ちゃんはとんでもない魔力を持ってたのに。異世界から来てるから期待してたのに残念ね。でも魔法が使えないのは信じられないわね」
「使い方わかんないもんっ」
でも授業はどうしよう。
魔法使えないのにやっても仕方ないよね。
算数のレベルは小学生だし、魔法は使えないし、これじゃあ学園に来た意味がないような気がしちゃうよね~
「それでは前回に引き続き魔法の効果を高める訓練を行う」
使えないのに効果を高められるわけないじゃん。
やっても使えるわけないし、聞いてるだけでいいよね。
「今日は編入生が二人いるみたいだな。この授業はこの学園でしか行っていない特殊な訓練になる。他の生徒は前回の復習をしててもおう。二人には最初から教えないとならないからな」
ってまさかのマンツーマン!?
リファちゃんがいるから違うけど、リファちゃんは学園長だからできるだろうし、やっぱり私だけのマンツーマンじゃんっ
「リファちゃん、どうしよう。私できないよ~」
「ひよりちゃんが魔法を使えないのは誤算だったわ。私が分からないようにサポートするから頑張りましょ。それに美咲ちゃん……じゃなくてみーちゃんもいるわ」
頼りになるけど、どーやってサポートするっていうの?
でも出来ないんだもん、魔法の授業は0点覚悟しかないよね。
「君は魔法は得意なのかな?」
いきなり得意かどうか聞かれちゃったよ……
得意も何も、使えないんだよね。
正直に言うしかないかなぁ。
「先生。私は魔法が得意です」
「そっちの君は……リファさんだったね。得意な魔法を見せてくれないか?あの的に向かって攻撃魔法を放ってくれ」
「わかりました。それでは分かりやすく火魔法で行きます」
「学生の威力では壊れることはないから全力でやりたまえ」
リファちゃんは学生じゃないし、元勇者パーティだから、本気出したらとんでもないんじゃないのかなぁ。
的なんて壊したら注目の的なんだから力を抑えてくれないとだよ~
「はい先生、では行きます。敵を燃やし尽くせ!フェニックスアロー!」
「学生がフェニックスアローだと……しかもなんて綺麗な不死鳥……」
ドゴーーーーン
「な、なんて威力なんだ!」
「もしかしてあの的を壊した……とか?」
「土煙が凄くてわかんないな」
「フェニックスアローなんて最上位魔法を使えるなんて、あの子何者なの?」
めっちゃ注目されてんじゃん!
もしかして学園長は空気読めない?
そうだよね、空気読めたら授業中に話しかけないし、そもそも編入しないよね……
「先生やりました!あの的を破壊できましたよ!」
「し、信じられん……伝説の魔法使い、元勇者パーティのリーファン様ではないと壊せないと言われている的が……」
その本人だから壊せたんだろうなぁ。
何してんのよ本当に。
素性隠して編入してる意味ないじゃん。
「的がなくなればひよりちゃんが魔法を試すことなくなるでしょ?ナイスアシストしちゃったよね?これで安心だね」
「そ、そうなの?」
ちっとも安心できないよ……
的なくても魔法って使えるじゃん。
リファちゃんってもしかして、うっかりさんなのかな。
「素晴らしい魔法だ!君はあの伝説の魔法使いリーファン様の再来かのようだ。この学園で更に研鑽するといい」
「ありがとうございます」
だから本人なのにね。
学園長ってバレたらどうなるんだろ。
「次は君の番だな。的はないが得意な魔法を教えてくれないか?」
ほら、やっぱり意味ないじゃんっ
得意魔法ってなんなのよ。
美味しくなる魔法かければいいかな?
萌え萌えきゅんってやってみよっかな~
ってだめだめ、現実逃避しちゃダメだよ。
素直にできないって言うのが一番かなぁ。
でもそれで学園に通えないってなったらどうしよう。
「えっと~、魔法使えません!魔力がないと思います!」
「そうなのか?見たところ、そこの魔物は君の従魔だろう?魔力がないと従魔契約はできない。魔法のスキルがないなら身体強化のスキルがあるはずだ。それを見せてみなさい」
もっとわかんないの言われたよ。
みーちゃんと契約なんてそもそもしてないし。
身体強化なんてもっとやったことないよ~
『キュ!キュキュキュ、キュー!』
「んー?あー!なるほど、わかったよみーちゃん」
その手があるのね。
それは名案だよみーちゃん。
「先生!私一人じゃ魔法は使えないんですけど、みーちゃんと一緒なら使えます!」
「みーちゃん……その従魔のことだな。そういう特殊条件があるのは聞いたことないな。それで魔法を使えるならやってみなさい。ちょうど新しい的も用意できたみたいだな」
的あるんじゃん!
リファちゃんがただ目立っただけになっちゃったじゃん!
『キュッ』
「抱っこすればいいの?わかったよっ」
これでみーちゃんが魔法出して、それを私がやった風にすればいいんだね~
完璧じゃん!
『キュキュ!』
「うんうん、ライトニングストライクって技ね?わかった。手を前に出せばいいのね~」
さすがみーちゃん!
頼りになるな~
「それじゃあ行きます!ライトニングストライク!」
『キューーー!』
ズキャーーーーン!
チュドーーーーーーーーン!
「…………え?」
待ってこれとんでもなくない?
『キュー』
久しぶりにやったけど上手くいった?
もっと普通のにしてよ!
なんでリファちゃんのより大技出すのよっ
『キュキュ!』
これでもいちばん弱いのにした?
嘘でしょ……
勇者ってすごすぎない?
というか専用魔法はダメなのは考えればわかるでしょっ
「な、なん……だと……今のは間違いなく雷魔法……勇者しか使えない魔法のはずなのに……」
「おい見たか……とんでもない破壊力だぞ」
「校庭に穴が空いてるじゃん……」
「やっぱりかわいい……撫でたい……」
七三くん何言ってんの!
今の見てその感想はおかしいよっ
ってそれよりも勇者にしか使えないってなんなのよっ
「い、今のは君の魔法……なんだよな?」
「あは、あははは」
もー!どうやって誤魔化せばいいのよっ
「やっぱり凄いわ美咲ちゃん!あーかわいい~」
リファちゃん今は褒めるところじゃないし、名前!
今はみーちゃんなのっ
「わ、私は魔法は全く使えないんですけど、この子!この従魔のみーちゃんが私と一緒なら魔法を使えるんですよ!」
本当はみーちゃんだけでも使えるけど、それは黙ってればわかんないもんね。
「す、素晴らしい!素晴らしい才能の2人が編入してくれた!みんな拍手!」
「おー!すごい、これで今年の王国魔術大会学生部門は優勝確定だ!」
「今年も俺が出場したかったが、今の魔法を見せられたら……完敗だぜ!」
「かわいいだけじゃなくて魔法まで……」
2人ともやりすぎだよ~
どうすればいいのよこれ。
私は戦いなんてしたくないのに……
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