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外をうかがうことならん
数日あと、大家から 『 今晩 夜半過ぎ 家より外をうかがうことならぬ 』という、なにやらおおげさな書付がまわされた。
どうやらキヘイジが最後の《面》をしあげ、今宵それを、約束通り軒下にさげるらしい。
長屋のみんなには、キヘイジは、名は言えぬが偉い方から頼まれた仕事をしており、これは内密にしないとならん、という大家のはなしが通り、みんなそろってうなずいた。
だからその『偉い方』が、今夜キヘイジのところへ来るのだから、のぞきみなどするな、ということだ。
ヒコイチふくめ、長屋のみんな、のぞきはしないが、聞き耳はたてていたが、誰かがきたということすらもわからなかった。
だが、誰かは来たらしい。




