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匂いにつられ
「 ヒコさん、おれア、どうやらあぶねえとこだったみてえだなあ」
横には神妙な顔で腕をくむキヘイジがいた。
っはあーとちからがぬけた息をもらし、ヒコイチはしゃがみこむ。
廊下は細長く暗い。
だが、右手のほうから、なにやらなじみのある匂いがしてきた。
もち米を炊くにおいだな、とキヘイジが鼻をひくつかせる。
「ああ、そういえば、腹がへったな」
「おいおい、キヘイさんよ、」
ヒコイチが止める間もなくふらりと匂いにつられるようにキヘイジが右へとむかう。
あけるな、ととめたときには、もうふすまをあけていた。
「 ―― ああ・・・」
なんだかしかたなさそうな息をはくキヘイジに駆け寄り腕をつかんでも、二人してまだ同じ場所にいた。
「まったく、キヘイさん。あけたとき、またどこかおかしな場所にいたら、どうするよ?」




