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キヘイジさめる
「 キヘイジさん、キヘイジさんよお、おれだよ、ヒコイチだ」
かつんこつんという音はやまない。
「キヘイジさん! こんなとこにいねえで、はやくかえらねえと、あかんぼうがうまれちまう!」
かつんこつん、と、みむきもしない。
「 ・・・やい! キヘイ! てめえ、よくもヘイタと身重のマチさんを捨てやがったな! 」
か っつ
音がやみ、ようやくこちらをむいたキヘイジの顔は、夢からさめたような、おかしなものだった。
「・・・ヒコ・・・さんじゃ、ねえか・・・」
そうして自分が手にしている道具を、こわごわとみおろした。




