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暗い廊下
『 廊下の先にある、むこうの離れだ 』
ヒコイチを振り返った赤い面の男が、廊下の先をさす。
さす指の先をみれば、部屋にはさまれた暗い廊下が、まっすぐにずっとのびている。
『 廊下がおわったところのふすまをあけよ。 部屋がおまえに寄ってくる。 よいか、 ―― 帰りたくば、くれぐれも誘いにのるなよ 』
そこでヒコイチに、おまえが持つあの《金の粒》をころがしてみよ、とつけたした。
てのひらにころがったそれは、やはり、廊下の先へとさそうようにころがった。
気付けば、近くの部屋にはいったようすもないのに、面の男はそばにおらず、廊下に面したふすまをたてたどの部屋からも、もう、ひそひそという声も、気配もなくなった。




