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部屋がひきとめる
『 おれはこれからゆうげの支度をせねばならぬ。おまえはここからひとりで、奥の部屋をまわって、キヘイジをさがすがいい 』
あがったヒコイチにササゲの袋をみせた男がそういった。
「お部屋を、・・・かってに、あけてまわっていいんですか?」
『 だがなあ、部屋はおまえをひきとめようとするだろう。それに誘われることなくまわれれば、キヘイジにも会えようが、もしおまえがとどまれば、キヘイジに会えることもなく、おまえはずっと、その部屋にとどまることとなる 』
「はあ?おれを、閉じ込めるってことで?」
『 とじこめようとするのは、おれらでなく、山神様だ 』
ここでようやく、いつもの寒気におそわれた。




