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封鎖解除のカウントダウン in上海


 上海でコロナ感染が広まり、上海のあちらこちらの小区(塀で囲まれたマンション群)が隔離閉鎖になった。

 上海の義母の住む小区もそのなかにコロナ感染者が見つかったとのことで隔離閉鎖になってしまった。

 閉鎖も二種類ある。

 感染者のいるマンション棟の住民は全員、そのマンションから出られなくなる。感染者のいないマンション棟の住民は小区のなかは歩いてよいが、小区の外へ出ることはできない。ただ、みんな怖がって誰もマンションから出ようとはしない。なので、実質的には小区の住民全員が自分の住んでいるマンションの部屋に閉じこもったままになる。隔離閉鎖の期間は二週間。二週間後に誰も感染者がいなければ閉鎖は終了となる。


 小区が閉鎖されると、スーパーへ買い物に行けなくなる。

 スーパーへ行けない小区の住民たちはネット通販で生鮮食料品を買おうとする。閉鎖された小区は義母が住む所だけではない。当然、ネット通販に注文が殺到するのだが、ネット通販側も配達員が封鎖にあって出動できる配達員の数が限られていたりするものだから、朝のちだけ注文を受け付けて、その後は「本日の受付は終了しました」と注文を取らなくなる。

 かみさんは、ネット通販で注文できないお義母さんの代わりに中国時間の朝七時((日本時間朝八時)からネット通販のページに入って野菜やら肉やら果物やらを注文していた。配達員は小区の門まで来るので、ネット通販を注文した人は小区の門まで行って受け取るのだそうだ。お義母さんは無事に生鮮食料品を手に入れることができた。


 中国には「街道」という最基層の行政単位がある。区や県(中国は市の下に県がある)をさらに細かく分けたものだ。

 上海の義母の住んでいる場所を管轄している街道事務所が、独居老人たちに世話係のボランティアをつけている。時々ボランティアの方が義母を訪ねてくれ、なにか困っていることや不便なことはないかと訊いてくれたりする(こののようなボランティアが中国全土にあるのかどうかはわからない。あくまでも上海のとある区での話)。

 義母が住んでいる小区が閉鎖になったというので、ボランティアの方が義母に電話を入れていろいろと気遣ってくれたようだ。小区が封鎖になって一週間後には、ボラティアの方が差し入れにいろんな野菜を持ってきてくれたそうだ。野菜は街道事務所が用意したのだとか。こんな行政サービスがあるとは知らなかった。


 封鎖している二週間の間に、小区の全員に三回もPCR検査が行なわれ、最後の検査で全員の陰性が確認されて晴れて封鎖が解除となった。

 これで外出できると小区の門には多くの人が集まった。

 どこの小区でも、封鎖解除記念のカウントダウンをやるのがならわしになっているようで、義母の住む小区でも人々が集まり、元気よく十からカウントダウンをして外へ出た。

 義母もこれで普通に暮らせるとほっとしていた。


挿絵(By みてみん)


 ただ、ほっとしたのも束の間、封鎖解除になって約一週間後に感染者が見つかり、義母の住む小区は再び封鎖になった。これからまた二週間の封鎖生活に逆戻りだ。上海のあちらこちらの小区でもおなじように二回目の封鎖に突入していたりするようだ。

 今のところ中国がゼロコロナ政策をやめる様子はない。しばらくは小区の封鎖と解除が何度も繰り返されるのだろう。

 また二週間も閉じ込められることになり、義母が精神的に参ってしまわないかとそれが気がかりだ。


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