秋の散歩2021 銚子電鉄編
千葉県の銚子へ行って、銚子電鉄に乗ってきた。
銚子電鉄は銚子から犬吠埼のすこし先までの六・四キロを結ぶ短いローカル私鉄。大正十二年開業だから、今年で開業九十八周年だ。2023年には開業百周年を迎えることになる。
JR銚子駅のホームの先っぽに銚子電鉄のホームがある。
銚子電鉄のホームの手前にJR用の交通ICカードのタッチ機があるだけで、銚子電鉄用の改札はない。そのまま銚子電鉄のホームへ出ることができる。
電車は、元々は京王電鉄の電車で、その後愛媛県の伊予鉄道へ売却され、さらに銚子電鉄に売却された銚子電鉄3000系。製造から五十年以上も経った古兵の電車だ。
窓ラッチが懐かしい。
昔の電車にはこの窓ラッチ(窓の留め金)が多かった。窓の両側のラッチを同時に押して、ぐいと持ち上げて窓を開けるのだ。
電車の中で出発を待った。
週末なので観光客がわりと多い。
駅員さんが座っている乗客一人ひとりに声をかけて検札をする。駅員さんは、観光客にはお得な観光用の一日乗り放題券を勧めている。駅員さんがこうして乗客一人ひとりに声をかけて、お客さんとコミュニケーションをとるのはとてもいいことだ。
電車はのどかな風景を十七分ほど走り、犬吠駅に到着した。
犬吠駅からてくてくと歩いて犬吠埼へ。
岬の高台になっているところから太平洋を見る。
広い海は気持ちいい。
休みの日にいい風景を見ると気分が晴れる。
岬から磯辺へ降りることができるので、降りていって磯の岩の上を歩いては、岩の間をのぞきこんだりしてみた。岩の間には小さなカニがすばしっこく走っていたりする。波に乗って小さな魚が磯辺にまぎれこんできたりもする。カニや小魚を見ているだけで楽しい。
犬吠埼をぐるりとめぐり、土産物店で海苔の佃煮を買った後、また歩いて犬吠駅へ戻った。
駅で銚子駅までの切符を求めると、若い駅員さんは硬券を出してくれた。
昔は田舎の駅へ行くと硬券の切符を売っていたけど、今は流石に硬券を出すところはほとんどないだろう。こんな懐かしさを感じさせるサービスもいい。
おまけ
銚子駅の近くのお寿司屋さんに入ってにぎり寿司を頼んだ。
大きな伊達巻きは銚子の名物とか。プリンみたいで甘くて美味しかった。
やはり漁港のある町だけあってネタが新鮮で美味しかった。




