洪水の後でバスに貼り付けられたナンバープレート
先日起きた鄭州の洪水は凄まじかった。
一番ショッキングだったのは、鄭州地下鉄五号線が水没した動画だった。
トンネル内で立ち往生した電車のなかに水が流れ込んで吊り革の下あたりまできており、窓の外ではさらに高い水位で濁流が流れていた。その後救助されたものの、気の毒なことにやはり何人かの方が亡くなったようだ。
もう少し早めに地下鉄を止めていればこんなことにはならなかったのだろうけど、次回からは「洪水が発生したら、事故がなにも起きないうちに止める」ということを実践してほしい。事故がなにも起きないということが一番大事なことだから。
鄭州の大通りには濁流がほとばしり、たくさんの車が流された。
記録的な大雨とはいえ、どうして道が激しい川となってしまうほどの水があふれたのか、そのはっきりとした原因はわからない。ダムが決壊した、あるいはダムが耐えきれなくなって一気に放水したからだという説もあるが確かなことはわからない。とにかく凄まじい濁流だった。
洪水が引いた後、あるバスの運転手さんが道に落ちていたナンバープレートを集めて、バスの横に貼り付けた。全部で三十枚くらいあった。
中国らしい光景だなと思った。
中国のナンバープレートはかなりの高額だ。政府が大都市での車の急激な増加を抑えるために、ナンバープレートのオークション制をとっているためだ。ナンバープレートの値段は都市によっても違うけど、安くても数万元(五十万円)、ひどい場合は車が一台買えるくらいの値段がする。
バスの運転手さんは、高価なナンバープレートを失くしては気の毒だと親切心からナンバープレートを拾い集め、持ち主に取りにきてもらおうとしていたのだった。