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一足先に経済回復を始めた中国
中国はいち早くコロナを封じ込め経済活動を再開させた。
四月の自動車販売台数は前年同月比でプラス4・4%だった。
もちろん、経済状態が完全に戻ったわけではない。
貿易関係の仕事をしている知人の中国人に聞いたところ、実感として取り扱う輸出と輸入の量はコロナ前の五割弱の水準だという。世界中が自粛して販売不振になり、工場の稼働も止まってしまったので、受注が激減してしまった。貿易の取り扱い量が完全に回復するにはまだまだ時間がかかるだろう。中国も失業者が大量に発生している。閉鎖になった工場も多数発生し、企業の倒産も多い。いったん好転した自動車の販売台数もまた落ちるかもしれない。
とはいえ、日本、欧米、その他の国々が経済活動を自粛している中で先に経済活動を再開させたのは大きなアドバンテージだ。よくも悪くも中国が世界経済を牽引することになるだろう。
だが、そうなるとアメリカが黙ってはいない。アメリカは中国叩きに懸命だが、中国の国力を弱めようとしてより激しく中国を叩くだろう。アフターコロナの世界では世界の軋みが激しくなるのかもしれない。