上海領事館が申請中の日本観光ビザを却下
上海人の知人が日本の観光ビザを申請していたのだが却下された。知人は一月の春節前に申請したものの、新型肺炎による春節休暇延長でビザの審査が遅れていた。今日、ビザ代理店の旅行社から申請が却下されたと通知があったそうだ。知人が直接領事館へ確かめたところ、申請中の観光ビザはすべて却下したと言われたそうだ。パスポートは、パスポート上になにも残らない形で返却されるとか。つまり、申請の受付を停止したということだ。
上海の知人から聞いた話なので、上海以外の地域の大使館や領事館がどうしているのかはわからない。観光ビザ以外の商用ビザ、訪問ビザ、留学ビザの取り扱いがどうなっているのかもわからない。ただ、公式には発表していないものの、湖北で発行されたパスポート所持者以外でも中国人へビザ発給を止め始めたということは確かなようだ。
公式発表では10日現在で感染者が四万人を越え、死者は900人を越えた。しかし、感染者や死者が公式統計以上にいるのは確実だ。
武漢では、中国政府が突貫工事で新型肺炎対応専門の雷神山病院、火神山病院を開設したりしているが、どの病院も満床であるために軽症者は受け入れていないという。他の病院でも軽症者はなかなか診てもらえず自宅待機するほかない人々がかなりの数にのぼるという。自宅待機となれば当然、家族も感染する。街角には死体が転がり、病院のなかにも死体が多数置いてある。死体は新型肺炎で亡くなった人もそうでない人の分もまとめてマイクロバスやトラックでまとめて運ばれているようだ。
公式発表の統計を見ると、二月に入ってから新規の確定感染者は3000人から4000人の間で推移している。これは感染者の増加の勢いがある程度抑制されたということではなく、病院の能力的に確認できる感染者数がその数だということかもしれない。
上海では、政府が出勤停止を呼びかけた期間を過ぎても在宅勤務を続けている会社が多いそうだ。別の知人が彼の勤めている上海の事務所を送ってくれたが、広い事務所はがらんとして誰もいなかった。
在宅勤務ですむ職種であればいいが、工場の現場などはそうはいかない。人が設備を動かさなくてはならない。大勢の人が移動して、一緒に仕事をすることになれば、新型肺炎はさらに広がることになる。湖北省以外でも都市の交通封鎖の動きが広がっているが、それがさらに加速するかもしれない。