急速に感染が拡大している武漢発の新型肺炎
武漢発の新型肺炎の感染が急速に拡大している。
一月二十二日十九時二十分現在の発表では、感染確定473人、死亡9人となっている。感染者の四分の三が武漢のある湖北省だが、広東省26人、北京10人、上海9人と中国全土へ拡大しつつある。日本でも1人見つかっている(日本在住の中国人男性、武漢から日本へ帰ってきたところ新型肺炎とわかった。すでに治癒しており、周囲での感染もみられない)。
この新型肺炎は武漢の海鮮市場から始まったのは間違いないようだ。この海鮮市場では魚だけではなく様々な野生動物が売られており、その野生動物からヒトへ感染したらしい。ちなみに、2003年に流行したSARSも野生動物が原因だったが、今回の新型肺炎は今のところSARSほど感染力は強くなく、毒性も強くはない。新型肺炎の厄介なところは、潜伏期が九日間と長く、熱が出ない人もいれば微熱ですんでしまう人も多いことだ。こうした場合、感染しても、本人も周囲の人たちも風邪を引いた程度と思ってしまうため感染が拡大しやすい。
武漢ではあちらこちらで消毒が行われ、上海でも感染者が出た小区(塀で囲ったマンション群)一帯に警察が出て消毒車を走らせて消毒薬を大量に撒いたりしている。マスクが飛ぶように売れるので、とっくに春節休暇で閉まっているはずの工場でも生産が続けられたり、風邪予防の漢方薬が売り切れになったりしているそうだ。
中国政府は新型肺炎の封じ込めに躍起になっているが、なにしろ今は春節の大移動シーズンの時期だ。春節の前後でのべ30億人が移動するといわれている。春節時期の帰省や旅行によって感染がさらに拡大するだろう。
(追記)当初考えられていたより感染力が強くなったとのことです。ご注意ください。